Run to Infinity

by Yota Nakamura /// 「自転車で世界を旅する元添乗員ライター」中村洋太の挑戦と情報発信のブログ

【自転車旅】ツール・ド・ヨーロッパ(2)フランクフルト〜ヴィースバーデン

      2017/10/27

ツール・ド・ヨーロッパ
第2ステージ
フランクフルト~ヴィースバーデン
58.5km

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自転車に慣れるため、しばらく市街地をぐるぐると回った。12時になったので、とあるお店へ向かう。

実は、フランクフルトには去年少し来ていた。ワセオケのヨーロッパツアー中、オフの日にビオラの敬吾さんと二人で観光をした。無計画にぶらついた末、たまたま見つけたイタリアンレストランでお昼を食べた。メニューに書いてある言葉がわからず、適当に頼んでみて出てきたのはサーモンのクリームソースのパスタと、ムール貝の山盛りだった。どっちも感動的なおいしさだった。特にムール貝は忘れられない。お皿に「これでもか」とばかりに載せてあった。

もう一度あのムール貝が食べたい。場所はうる覚えだったが、どうしてもこのレストランへ行きたいと思った。「確かこの辺だったはず」可能性のある場所をしらみつぶしに探した。そしてついに見つけた。

カンティーナ。見覚えのある看板。そうだ、ここだ。

ムール貝が食べたい。先日、ハイデルベルクの宇野さんに「ムール貝はドイツ語でムーシェル」というのだと教わっていた。

「ギプト エス ムーシェル?(ムール貝はありますか?)」

「ムーシェル?」

店員はイタリア人だったので通じなかった!!(  ゚ ▽ ゚ 😉

すると、隣に座っていたドイツ人男性が、間に入ってくれた。つまり、ドイツ語と英語ができる人なのだ。ぼくは拙い英語で訳を説明した。

「I came this restaurant last year. And that time I ate ムーシェル. I want to it again.」

「I see.(なるほど)」と言うと、通訳を始めてくれた。イタリア人店員も訳がわかったようで、返事をした。

「ムール貝は今は時期じゃないの。9月からじゃないとないわ。あさりのパスタならできるわよ」

「じゃあそれをください」

アサリのトマトソースと、ビターレモンというお酒(?)。とてもおいしかった。この店にハズレはない。食べ終えると、さっきの通訳してくれたおじさんが話しかけてきた。

「さっき、『去年フランクフルトへ来た』と言ってたな」

「あぁ、実はオーケストラの演奏ツアーでドイツ中を回りました。フランクフルトでは演奏しなかったけど、ヴィースバーデン、ボン、フライブルクなどでやりました。ぼくは和太鼓を叩いたんです」

持ってきていた動画を少し見せた。

「Wow!! Great!!」

「でも今は、自転車で西ヨーロッパを回っているところなんです」

これにはかなり食いついてきたので、更に詳細を話した。

「この旗に書いてある名前は、私の応援者です。旅の資金を協賛という形で集めました。まだ日の丸が完成していないので、良かったらこの旗に名前を書いてください」

「はは、そうか。書くよ。そしたら、これを持っていきなさい」

といって取り出したのは、なんと10ユーロ!!

「ノーノー、別にそういうつもりじゃないんだ」

「いいんだよ。持っていきなさい。Have a nice trip!!」

なんと優しいおじさんなんだ。こうして、ヨーロッパ初の協賛者が現れた。

「旅の幸運を祈るよ。楽しんで!」

お店を後にし、次なる街へ走り出した。途中、2006年のワセオケヨーロッパツアーで使われた、アルテオーパーの写真を撮ってきた。

フランクフルトは大都市なのでとにかく交通量が多いが、数km走ると車も減ってくる。憧れの、ヨーロッパの田園風景が広がってきた。

これだ、こういうのを待っていたんだよ。

荷物は重いが、少しずつ慣れてきた。右車線にも恐怖心がなくなってきた。

「まだか、まだか」と思いながら坂道を昇っていると、それまで広がっていた田園風景が、突然終わりを告げた。60km近く走ってヴィースバーデンまでやってきたのだ。大聖堂の上部が最初に見えた時は感動ものだった。

初めての本格的な海外自転車旅だった。今日はよく頑張った。珍しくビールを飲んだ。

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 - 2010 ツール・ド・ヨーロッパ(スポンサーを集めて自転車で西ヨーロッパ一周の旅), ドイツ