Run to Infinity

by Yota Nakamura /// 「自転車で世界を旅する元添乗員ライター」中村洋太の挑戦と情報発信のブログ

【自転車旅】ツール・ド・ヨーロッパ(17)コインブラ~ポルト

      2017/10/27

ついにやったよ!自分との戦いに打ち勝った充足感で満たされています・・・

ツール・ド・ヨーロッパ
第17ステージ
コインブラ~ポルト
124.3km

sponsored link

ここ数日、満足に自転車に乗れていなくて精神的に辛かった。もちろんこれまでの二週間も良い経験ばかりだったけど、こんな生温い旅をするためにヨーロッパに来たのではない。今日こそは、思いっきり自転車を漕ぎたかった。なんとしてもコインブラからポルトまで走り切ってやる。

朝11時に出発。サンタクルス教会だけチラッと見学。

間近で見ると、重厚な造りに圧倒される。

内部も美しい。写真ではわかりにくいが、両側の青いタイル絵がきれいだった。

ポルトへは北上するだけだが、自転車だと通れる道と通れない道があって厄介だった。しばらく走ると、すぐに田舎になった。日本人なんているはずのないような村だ。坂道を喘ぎながら登っているうちに、忘れていた感覚が蘇ってきた。

恐らく日本のみんなが、夕食を食べたり、エアコンの効いた部屋でテレビを見てくつろいでいる時間に、ぼくは誰にも気付かれないで太陽に浴びながら、ハァハァ言っている。さっきボトルに入れた筈の水はもうお湯になっていて、水を飲もうとするけど失敗して顔にかかったり、シャツで顔を拭いているうちに汗と水でどんどん汚れていったり。快適さとはかけ離れた生活。でもそんな風に、一人で勝手に格闘しているのが好きなんだ。坂道を登りきる度に「よくやった」と自分を励ましながら。これこそぼくの自転車旅。なんだか幸せな気分になってきた。

そもそもぼくは、「街と街の間がどうなっているのか知りたい」と思って自転車を選んだ。だから何も特別なことをブログに書く必要はない。自転車から見える風景をそのまま伝えていればいい。この時期にポルトガルの田舎を旅している日本人はそんなに多くないハズだから。自分にしか書けないことを、誰にでもわかる言葉で書く。それがブログの秘訣だ。

お腹がすいてきたころ、ちょうどよくカフェがあったので入った。珍しい東洋人が来たとばかりに、お店の人たちにジロジロ見られた。

またエッグタルトを食べた。昨日と少し味が違ったけど、やっぱりおいしかった。

あと86km。なんとか日が暮れるまでに着きたい。

70km道路の路肩をひたすら走っていた。ポルトガルは結構車の運転が荒い。大型トラックがスレスレで横を通るときは、風圧でガードレールに叩きつけられそうになった。走っていると、ペちゃんこになった猫やねずみの死骸が多くいて、「油断したらぼくもこうなるのか」、と気を引き締める。

こんな大きな自転車のオブジェがあった。

 

ポルトガルの田舎は美しい。

 

あと45km。もう一踏ん張りだ。

 

水がなくなったので、ガソリンスタンドの売店に入った。とりあえずコーラを飲んで糖分を補給。お店の中にいた人たちに「コインブラから来た」と言ったら驚いていた。空のボトルを持ってきて、おばちゃんに「このボトルに水道水を入れてくれませんか?」と言ったら、店のオーナーが出てきて、よく冷えたミネラルウォーターを入れてくれた。「オブリガード(ありがとう)」 記念に店の中にいた人たちと写真を撮ろうと思って、おばちゃんに頼んだんだけど、

どうしてぼくだけしか写さないの・・・笑 もう一回撮りたいとも思ったけど、「これでいいです」と言った。これはこれで、小さなガソリンスタンドでの大切な思い出の写真なのだ。

それにしても、全体を通してアップダウンの多い道だった。標高300mまで登っては下り、下っては登りで筋肉疲労は限界に近い。ラスト10kmになった。空腹でバテてきたので、持っていた最後のm&m10粒を食べて気力で走る。なんとか食い繋いでいるという感じだ。

そして、20時15分。9時間もの間、観光をせずにひたすら走り続けた。長い坂を下ると、ついに港町ポルトの街が姿を現した!

なんと美しい!ポルトガル第二の都市ポルト。この歴史的景観は、世界遺産にも登録されている。

ここまで走ってきた達成感だけでなく、どんな街なのか知らなかった分、なおさら感動した。海(川?)の上を、大量のかもめが飛びながらピーピー泣いている。まるで『魔女の宅急便』の世界。そう、ここポルトは『魔女の宅急便』のモデルとなった街の一つなのだ。BGMの「海の見える街」が聴こえてきそうだ。

http://www.youtube.com/watch?v=Ukh6W-EIxpo

(ぜひ上の動画を!ここに出てる写真がポルトの風景です!)

橋を渡ってポルトの街に入ると、すぐに自転車を降りざるを得なかった。話には聞いていたが、ここまで坂がすごいとは・・・。リスボンもすごいと思ったが、その比じゃない。

信じられないような急な坂、そして張り巡らされた石畳。自転車で回れる街ではない。観光にはほうき・・・ではなく路面電車が良いようだ。

それにしても、ポルトまで完走できて本当に嬉しかった。海外でも日本と同じように走れた。体はメッキリ疲れているが、気はずいぶん楽になった。壁を超えたよ。

宿の横にあったお菓子屋さんで、ご褒美に小さなお菓子を買った。

まるで宝石箱!しかもこれで1ユーロ!ひとつ約20円だよ。安すぎる。

明日はじっくりポルトを観光したいと思います!『魔女の宅急便』の風景を探しに!

sponsored link

 - 2010 ツール・ド・ヨーロッパ(スポンサーを集めて自転車で西ヨーロッパ一周の旅), ポルトガル