Run to Infinity

by Yota Nakamura /// 「自転車で世界を旅する元添乗員ライター」中村洋太の挑戦と情報発信のブログ

【自転車旅】ツール・ド・ヨーロッパ(22)ブニョール(トマト祭り)

      2017/10/27

楽しみにしていたトマト祭り。

「バレンシアに25日にいること」 ツール・ド・ヨーロッパの日程を決める上で、これだけは外せなかった。

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そして終わってみれば、この旅どころか、人生で一番の出来事だったかもしれない。

ツール・ド・ヨーロッパ
第22ステージ
ブニョール(バレンシア郊外) トマト祭り

朝5時半に起きて、トマト祭りの準備をした。水に濡れると言われていたので、持ち物は最小限のものをビニール袋に入れて行く。小銭、着替え、デジカメ、そしてはっぴ。なぜトマト祭りなのに、水に濡れるのかは、行くまでよくわからなかった。

バレンシアから40km程離れたブニョールという小さな町へ向かう。バレンシアの駅に行くと、参加者が大勢いるから、みんなの後をくっついていけば勝手に着く。とにかくすごい人だ。

1時間くらいでブニョールに着いた。駅を降りると早くもお祭り騒ぎで大盛り上がり。クレイジーな人ばかりでドキドキしてきた。参加者は見たところ20代がほとんど。みんな「恐いもの知らず」というような連中ばかりだ。叫んだり、知らない人につっかけたり・・・

トマト祭りの会場になる小さな通りは既にすごい人だかり。

ぼくは人通りの少ないところで着替えた。下は水着、上は白いシャツ、そしてはっぴにハチマキ。はっぴは早くも人気で、いろんな人に写真を撮らせてくださいと言われた。日本人も数多くいたし、参加者は全部で何万人いたかわからないが、はっぴにハチマキ姿は恐らくぼく一人だった。トマト祭り日本代表(自称)として頑張らなければいけないのだ。

よし、通りの中へ行こう。しかしなかなか中心部に行けない。通りに一度入ると、もう前にも後ろにも抜けられなくなった。おしくら饅頭状態。さらにそこへ、通りに面した家の地元住人がバケツいっぱいの水を次から次へと建物の屋上からぶちまける。いきなりびしょ濡れになってしまった。「水に濡れる」とはこういう意味だったのか。

ちなみにこのトマト祭り、地元の住人はほとんど参加しない。参加するのは世界中から集まったクレイジーな人たち。盛り上がり方が半端じゃない。ぼくのすぐ横で本物の喧嘩も起きて、かなり身の危険を感じた。

11時になり、パンッという号砲が鳴った。いよいよトマト祭り開始だ。といってもしばらくは同じおしくら饅頭状態が続く。圧迫死する人が出てもおかしくないレベルだ。ぼくも何度か死の恐怖を味わった。「今転んだら死ぬな」と思い、必死に隣の人につかまっていた。10分くらいして、ついに通りの向こう側から、巨大なトラックが3台やってきた。このトラックがトマトを積んでいるのだ。

タダでさえ飽和状態の通りに、こんな巨大なトラックがやってきて、通りの圧迫はさらに増す。悲鳴を上げる人多数。「痛い痛い」と泣き叫ぶ日本人女性。担架で運ばれる人、パニック障害になっている人もいた。

気付いたら、トマト投げは始まっていた。

裏通りから中心部に向かう。すると、中心部から逃げてきた人たちとすれ違うのだが、トマトまみれで半端ない。

中心部へやってきた。地獄絵だった。

トマトを投げるのは既にほとんど終わっていて、通りはトマトと水の混じった赤いプールと化していた。中にはここで帰ってしまう人もいるらしいのだが、しかし本当の祭りはここからだった。女の人のTシャツを破いて回る男多数。

トマト水をみんなでバシャバシャやりまくる。ここはもう無法地帯。ぼくのカメラ(コンパクトデジカメ)はトマトまみれになっているが、なんとか生きていた。故障覚悟で撮りまくる。 

一通り撮影し終わったときにはぼくもトマトまみれに。カメラを防水ケースに入れ、後ははっちゃけるだけだ。トマトプールに飛び込んだ。すると人がやってきてぐちゃぐちゃのトマトを顔にかけられる。もはやどうでもよい。満足するまでトマトで遊んできた。

ところで、ぼくはネットの事前情報で、「ビーチサンダルで行くと脱げてしまいます。帰りに左右ちぐはぐのサンダルで帰る人多数」と書いてあったのを見た。しかし、ビーチサンダルしかなかったので、テープで足とサンダルをぐるぐるに巻いてしっかり固定した。

これで大丈夫だ。地元の人にも「それはいいアイディアね」と褒められた。ふふん、左右ちぐはぐなんかで帰るもんか。

祭りが始まって10分後。

 

サ、サンダルどこ!?\(゜□゜)/

そして、祭りが終わったとき。 

似ているが、左右違うサンダル。まさか自分が模範通りになってしまうなんて・・・。

白いシャツでトマト祭りのビフォーアフターを見てみよう。

before

after

 

死・・・

恐ろしいこともあったが、本当にすごい祭りだった。ただの楽しいお祭りだと勘違いしていたが、まさかここまで激しいとは・・・。ぼくは当分参加しなくてもいいが、人生で一度は参加した方がいいと思う。(ただし若いうちに) 終わってみれば最高の体験だった。

そして、昨日のブログで、「明日の目標は、一緒にパエリアを食べてくれる日本人を見つけること」と書いたが、これが見事に達成された。

行きの電車で日本人二人組を見つけ、話しかけた。東北大学の吉田さんと、金沢大学の宗本さんという方たち。「一緒にパエリア食べてくれませんか?」「うん、いいよ」 あっさりOK笑  トマト祭りが目当てでスペインに来たという二人。石川県の高校の同級生だそうです。終わった後は、「たまらんなぁ。たまらんなぁ。また来年も来よか」と何度も言っていました。

バレンシアに戻って、パエリアを食べました。

祭りで疲れていた分、余計においしかったー!

とても楽しい二人でした!いい人と知り合えた!旗にも名前書いてもらった!ありがとうございました~!!(ちなみにぼくが着ているのはトマト祭りTシャツ。)

そして帰りの電車で気づいてしまった。

「一度もトマトを投げなかった・・・」

また来なければ・・・

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 - 2010 ツール・ド・ヨーロッパ(スポンサーを集めて自転車で西ヨーロッパ一周の旅), スペイン