Run to Infinity

by Yota Nakamura /// 「自転車で世界を旅する元添乗員ライター」中村洋太の挑戦と情報発信のブログ

失敗の価値

      2017/03/03

ヨーロッパ自転車旅から帰ってきてから5年、これまで何人もの人に「私も協賛を集めて○○したいのですが、どのように集めたのでしょうか」と聞かれました。やり方なんて、決まったものがあるわけでもないし、挑戦するなかで自分に合った方法を取ればいいと思います。でもぼくは、他人が自分と同じことをやったときにうまくいくのかどうかに興味があったので、「とりあえず、企業に飛び込み営業してみたらどうですか」と答えていました。

すると、半分以上の人は「いや、そこまでするくらいなら・・・」と諦めてしまいました。なかには言われたとおり、飛び込み営業にチャレンジする学生もいました。ぼくも初めてやったときは本当に緊張したから、「偉い、よく頑張った」と思いました。

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しかし、そういう人からの結果報告は決まってこうでした。

「飛び込みで行ってみましたが、ほとんど話を聞いてもらえず。聞いてもらえたとしても、協賛にはほど遠いです。やっぱりダメでした」

いやいや、そうじゃないんだよ、と思いました。この人は、失敗を価値に変えられていません。ぼくは、実は、企業に飛び込み営業して、お金を出してもらえたところはほとんどありませんでした。物資を提供してくださった企業はあったけど、それも「企業としての正式な支援」というよりは、「その企業に勤めている方の個人的な応援」、という形が大半でした。

要するに、ぼくの飛び込み営業は、表面だけを見ればほとんど失敗しています。しかし、ぼくはそのひとつひとつの失敗を文章にすることで、「共感」という価値に変えることができました。飛び込み営業の奮闘記や失敗談をさらけ出して、ブログで綴ったのです。

「マクドナルドの本社に行ったら警備員に止められて、『アポなしじゃダメです』と言われたけど、アポの意味がわからなくて警備員に教えてもらった」

「『情熱大陸』に出たいと思って大阪の毎日放送に行ったけど、インターホンで断わられしまい、警備員にすら会えなかった」

「自動車教習所の教官に、運転練習中に企画書渡して協賛募ったら、『てめえ!俺から金取ろうってか!』と大声で怒鳴られた」(でもこの教官は最後には協賛してくれた)

など、やってみてどうだったか、全部包み隠さず書きました。そうしたらどうなったか。奇跡が起きたのです。

「中村くん、メッチャ頑張ってるね!微力だけど、俺も協賛させてもらいます!」

「いつもその行動力に勇気をもらっています。協賛させてください」

そういうメッセージを次から次へといただいて、結局個人の方々から多くの協賛をいただくことができ、ある面では失敗していても、全体として成功することができたのです。

「失敗には価値がある」というのは本当だと思いました。だって、実際にお金に変わってしまったのだから。

飛び込み営業をして、すぐに諦めてしまった学生は、失敗をマイナスのもの、恥ずかしいものとしか考えることができなかったのかもしれません。

でも、そうじゃない。自分の失敗を共有することで、それは価値に変わります。ブログで書くのが嫌なら、身近な人に話すのでもいいです。「失敗した。恥ずかしい」といって自分の中だけにしまいこんでいたら、せっかくの挑戦が、本当に単なる失敗で終わってしまう。もしかしたらあなたの起こしたアクションとその結果が、誰かの何かの役に立つかもしれないのに。

ぼくが彼に伝えました。

「あなたが勇気を振り絞って挑戦し、失敗したことで、多くの人に勇気や元気を与えることができるはずですよ。そして人を前向きにさせるということは、紛れもなく、『価値』に他ならないと思いますよ」

成功したのを人に伝えるのは誰でもやること。でも失敗だって伝えなきゃ損。挑戦し、失敗したことに対して、人は強く心を動かされ、その人を応援したくなるようにできています。多分。

失敗談を語ったとき、相手は「あはは、バカだなあ」と笑っているだけかもしれません。でも確実に、別れた後に「いや、でもあいつ頑張ってるな。俺も頑張らなきゃ」というエネルギーを人に与えています。そのことをもっと考えた方がいいです。成功しても、失敗しても、いずれにせよ誰かの役に立てるということを忘れないでいてほしいです。

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 - 何度も読み返したい日記