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by Yota Nakamura /// 「自転車で世界を旅する元添乗員ライター」中村洋太の挑戦と情報発信のブログ

「多様性を受け入れ、違いを愛せる社会を創りたい」Culmony代表・岩澤直美さんの想い

      2017/02/26

チェコと日本のハーフとして生まれた岩澤直美さんは、現在、早稲田大学の2年生だ。しかし、学校の外に出れば、彼女は「起業家」としての顔に変わる。子ども向けに英語で多文化教育を行う「Culmony」(カルモニー)という団体を運営し、これまで300名以上の子どもたちに、非営利の教育活動を行ってきた。

「多様性を受け入れ、違いを愛せる社会を創りたい」と、岩澤さんはインタビュー中、何度も強調した。その強い想いには、どんな背景があるのか。そして現在挑戦しているクラウドファンディングでのプロジェクトについて伺った。

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父の転勤で、岩澤さんは、幼稚園のときに2年間ハンガリーで過ごした。そして小学校になり大阪へ戻ってきたが、小学6年生のときにまた海外へ。ドイツ・デュッセルドルフで3年間を過ごし、そしてまた大阪へ戻ってきた。

日本へ戻るたびに、文化の違いを強く感じた。そしてハーフだということで、クラスにうまく馴染めなかったり、嫌な思いをしたりすることもあった。だが、「日本ではこうだけど、ドイツではこうだった」というように、文化の違いを話すことで、徐々に友達と仲良くなることができたという。

また、日本語教師をしていた父が、岩澤さんが通う小学校に各国の生徒を連れてきて、異文化理解を深めるワークショップを開いたことがあったそうだ。そのときの体験も、岩澤さんにとってヒントになった。

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「多様性を受け入れ、人と違うことを楽しむ文化を、日本に根付せたいんです。人と違うのは、けっしていけないことでなく、むしろ違いをリスペクトするからこそ協働し、おもしろいものが生まれます」

それには、幼稚園や小学校低学年くらいまでの、小さい頃の体験が重要になる。でも、既存の英会話教室と何が違うのだろうか。

「『グローバル教育=英語教育』ではないと思うんです。世界には、英語以外にも様々な国があり、様々な文化があります。Culmony では、単語や文法を学ぶことよりも、英語をツールとしながら、異なる文化を学んだり、多文化共生のために必要な力の育成に力を入れています」

「実際にやってみて、親御さんからの評判は、どうなんですか?」

「ほかの英会話教室などを体験済みの親御さんからは、すごくビックリされます。今までは嫌々やっているようだったのに、ここでは生き生きと、楽しみながら子どもたちが学んでいますから。ただ、これまでは月に1回、1時間だけの開催だったので、どうしても教えられることが限られているので、『もっと教室の時間を増やしてほしい』というご要望もあります」

「確かに、月1回じゃ少ないよね」

「非営利でやっているので、どうしても会場費などがかかってしまって。なので、この活動を事業として成り立たせるために、今回プロジェクトを立ち上げて、クラウドファンディングでの支援を呼びかけています」

「何をするんですか?」

MulCul Academyという、東京23区を中心とした、チューター(家庭教師)と幼稚園から中学生の語学学習者を対象としたマッチングサービスを始めます」

「おもしろいね。目標金額は100万円とあるけど、このお金は何に使われるの? 事業として成り立つのであれば、支援金は必要ないのでは?」

「ビジネスとしては成り立たせるのですが、やはり初期費用が大きくかかるので、いただいた支援金は最初の3ヶ月分の人件費や、交通費、教材作成費などに充てさせていただく予定です」

「なるほど。支援してくれた人へのリターンは?」

「お子さんがいらっしゃる方には体験授業にご招待したり、法人向けにはイベントでチラシを配らせて頂いたり。あとはありがたいことに、想いに共感してくださり、寄付してくださる方もいらっしゃいます」

クラウドファンディングの期限は、3月31日。3月12日現在で、702,000円(支援者数72名)が集まっている。しかし、目標金額に達しないと、すべてパーになってしまう仕組みだ。残り30万円、なんとか集まってほしい。

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個人的な話になるが、ぼくは今でも英語が苦手で、ほとんど話せない。それでも、海外へ行くのは好きだし、外国人と接するのは楽しい。

それは、小さな頃にカナダやアメリカ、イタリア、フランス、ドイツへ家族で旅行した経験がとても大きい。英語は通じなくても、なんとかなった、という体験、そして言葉が通じなくても、海外の人と分かり合えた、という体験が、今の自分のベースにある。大学生になって、自転車でヨーロッパ12カ国を旅したのも、異文化への好奇心がきっかけだ。

ぼくは幸運にも、旅を通して、異文化理解を深められた気がしている。しかし、小さい頃から海外に行く機会のない人もいる。だからこそ、Culmony のような活動が、非常に重要になってくると感じている。

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日本にいながら、異文化に接する、英語に接する。そうしたら子どもたちは自然と、留学してみたいとか、海外へ行ってみたい、と思うのではないか。そうした異文化に対する自発的な気持ちを育むことが、真のグローバル教育なのではないかと、お話を伺いながら思った。

「多様性を受け入れ、違いを愛せる社会を創りたい」

岩澤さんの活動を応援している。

 

MulCul Academy 公式サイトはこちら

<その他のインタビュー記事>

岩澤直美(彩才兼備)

【岩澤直美】英語圏だけが外国じゃない。日本にもっと多様性を―日本×チェコのハーフとして私ができること(belong)

 

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