Run to Infinity

by Yota Nakamura /// 「自転車で世界を旅する元添乗員ライター」中村洋太の挑戦と情報発信のブログ

【ツール・ド・西海岸 第18ステージ】旅の価値は「肌感覚」を得られることにある

   

自転車でアメリカ西海岸縦断の旅
ツール・ド・西海岸 第18ステージ
バンドン(Bandon)〜 リーズポート(Reedsport)
86km

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まずは映像をどうぞ。

「肌感覚」について

今日、走りながらふと思ったことがある。昨日書いたことにも関連するが、旅をすることで得られる大きなものは、「肌感覚」なのではないか。

現代のネット社会では、田舎町のことであろうと、だいたいどんな情報でも手に入る。レストランのメニュー、営業時間、どのお店が人気か、この町の見どころは何か・・・。

変な話、実際に行かなくても、その土地のことはなんとなくわかってしまうかもしれない。

だけど、実際に来てみると、やっぱり「来てみないとわからないよな」と思うことが多い。それをぼくは「肌感覚」と呼んでいる。

たとえばアメリカに滞在するなかで強く感じたのは「物価の高さ」や「日本人のプレゼンスの低さ」なのだが、これは体感しないとわからなかった。

それから、アメリカに住んでいる中国人がどれだけお金持ちか、ということも実際に彼らと接するなかで感じた。これは情報ではなく、インパクトだ。「おお!」と心の中で衝撃が走る。

「資産は何億円です」と情報を言われてもピンとこないだろうが、たとえば目の前でいきなり「サーフィンがやりたくなったから、サーフボードを買おう。10万円?安い安い」(「16歳の中国人をサイクリングに誘ったら、圧倒的な行動力と発想力の違いを見せつけられた話」より)とか、「今からドローン買いに行かない?2台目だけど」とか、そんなことをその場のノリで言われて、大きな衝撃を受けた。

単なる情報ではあまり心は動かないが、肌で感じた衝撃には、心が動く。心が動けば、自分の価値観や意識や行動が何かしら変わったりする。これが旅の効用なのではないか。

カフェで感じた文化の違い

朝食のためバンドンのカフェに立ち寄ると、隣の席に座っていた女性に話しかけられた。

「あの自転車はあなたの? どこから来たの?」

「サンディエゴからです」

といつものように抜群のフックで会話が始まったのだが、彼女が「日本はいいわよね〜。もう一度行きたいわ。孫を連れて、中山道のハイキングコースを歩きたい」と言ったのにはビックリした。

「中山道」なんてよく知っているな。

向かいに座っていた男性は、「2020年に東京へ行くよ。オリンピックが好きで、いつもその国へ行くんだ」と話していた。

それよりも、ぼくはこの二人が夫婦だと最初思っていたのだが、どうやら夫婦でないどころか、友人ですらないらしい。ただカフェで席がなかったからテーブルをシェアしていただけのようだ。そしてぼくの隣で色々な雑談をしていて、食べ終わるとあっさりと別れた。

あまりに自然なことだったが、日本ではまず見かけない光景だ。

たとえばスタバへ行って、席がないからといって、誰かが座っているところへ行って、そのまま知らないその人と雑談を始めたりするだろうか。ぼくが日本でそれをやったら、変な人だと思われるだろう。

しかし、こちらでは普通のことなのだ。だからぼくも昨日の夕食時、自転車のユニフォームを来た3人組を見つけて、その人たちのテーブルに行って、話しかけた。

「もしかして自転車旅をしているんですか?」

「そうだよ」

「どこからどこへ?」

「シアトルからサンディエゴへ」

「おお、ちょうどぼくはその反対のコースを走っているんです!」

「ええ?本当に? ちょっとこの先のルートについて教えてほしいんだけど」

「もちろん」

と、やっぱり自然に会話が成り立つのだ。

「スタバはマクドナルド」

ところで、ぼくはアメリカのカフェが好きだ。

以前アメリカ人に「スタバが好きな日本人は多いよ」と言ったら、「アメリカではもうスタバはマクドナルドと同じだ」と言われた。「どこにでもあって、おもしろくない」というニュアンスだった。

実際こちらのスタバに行って、日本みたいに席が取れなかったり長い行列ができていることはほとんどない。アメリカは個人経営のカフェが多く、どこも個性的でおもしろい。対応が少し雑な感じがまた、不思議と心地良い。

 

ここまで走ってきた。ゴールのポートランドまで、あと3日。

明日がロングコース。最後の山場だ。早朝から頑張っていこう。

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 - 2017 サンディエゴ語学留学&アメリカ西海岸縦断自転車旅「ツール・ド・西海岸」, アメリカ