Run to Infinity

by Yota Nakamura /// 「自転車で世界を旅する元添乗員ライター」中村洋太の挑戦と情報発信のブログ

お金では買えない笑顔

   

7月29日に旅の報告会を開催してから、色んな人たちと意見を交換し、波にさらわれるかのごとく考えが変わっていった。

(そうか、これが答えだったのか!)と思った次の日には、(いや、こっちだ!)と早くも覆される。そんな日々が続いたから、なかなかブログも書けないでいた。何が正しいのかわからない。

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だけど、先日お会いした方からかけていただいた、

「そういう等身大の悩みこそ書いてほしい。弱さをさらけ出しながらも前に進んでいこうとする中村さんの文章に、私は励まされている」

という言葉に勇気づけられ、この文章を書き始めた。

果たして、今のままの生き方でいいのか。自分が何をやりたいのか。旅がしたいのか、文章が書きたいのか、本当にやりたいことは何なのか。どうやって収入を得るのか。考えれば考えるほど根本のところに向かっていき、泥沼状態になった。

自転車旅のように、わかりやすく生きられたらいいのに、と思う。サンディエゴを出発して、ただひたすらまっすぐ、2500km先のポートランドを目指したように、シンプルでわかりやすい生き方ができたらいいのに、どうしてこんなに複雑なんだろうか。やりたいことが多過ぎて、今はどれも中途半端な状態にあるような気がする。

しかし、そのように悩んだ日々も決して無駄ではなかった。ぼくがここ数日で学んだ一番大切なことは、「損得勘定で判断しない」ということである。

会社員の頃は、何も気にせずにお金を使っていたけど、フリーランスになり仕事が安定しないうちは、なかなか慎重になる。電車賃ですらバカにならないことに気付く。

また、決まった日に給料が振り込まれるわけではないので、自分が生産活動をしていないと不安に襲われる。

「今度ランチしようよ」

「会わせたい人がいるんだけど」

そんな誘いを受けたら、かつての自分であれば、何も迷わずに「オッケー!」と答えていて、すぐ行動に移っていたのだが、フリーランスになって損得勘定の罠にハマった。

(ランチしたら、ただ支出が増えていくだけだ。それが仕事につながるならいいけど…)

(どうしよう。その人に会う時間があったら、原稿を書いてた方がいいんじゃないか…)

と、目先の損得で判断することによって、行動力の鈍りが生じてきた。それだけでなく、せっかく声をかけてくれた人たちに、不誠実な対応をしてしまって、その後悔がいつまでも自分の心にダメージを残した。

これらの対応を一言で言えば、

「自分らしくない」

ということである。これは最悪だ。自分らしくないというのは。

人は、「その人らしい」行動を見られたときに、多分喜ぶ仕組みになっている。

「ここで声をかけたら、パッと来るのが、洋太らしいよね」

という期待を、ぼくは目先の損得に流されて、裏切ってしまったのである。それはもう、最悪のことをしてしまったと今は反省している。

それで、何よりもまず、人を大切にしよう。徳を積もう。と、ぼくは思い直した。

確かに、新しい仕事も探していかないと、このままでは次の旅費どころか生活費もままならない。

だけど、人の道を外れてはいけない。「何で稼ぐか」ということはいったん脇に置いておき、「自分が何をしたいのか」ということもいったん脇に置いておき、ぼくがここまで来れたのは、第一に多くの人に支えられてきたからじゃないか。自分の力でやってきたことなんて、ほとんどないじゃないか。

それなのに、何を偉そうに。

ここ数日の自分の姿勢や、人との向き合い方を思い出し、恥ずかしくなった。

そうした背景があって、この前、原稿を書きながら、ふと「黒板マーケティング研究所」の藍田さんのことを思い出して、メッセージを送った。

昔からお世話になっている藍田さんが、最近ある悩みを持っていると聞いた。そしてそれはぼくの力で解決できるのではないかと思ったから、「何かぼくにできることがあれば」とメッセージを送った。その流れで、先日お会いして、協力させてもらうことになった。

このときは、完全に損得勘定を無視して、「ぼくらしい」対応ができたと思っている。人の想いに寄り添うことができた。

そうしたら後日、なんと藍田さんからこんなメッセージが届いた。

「私の知り合いの方に洋太くんのことを紹介したら、仕事を依頼したがっている」

と、ぼくに新しい仕事をもたらしてくれたのだ。

(結局、そういうことなんだなあ〜)

と思った。

目の前の人と誠実に向き合っていれば、自分らしく生きていれば、ちゃんと物事は成り立つのである。お金のことを忘れたときに、お金は入ってくる。

やっぱり、人の世は支え合いだから、自分よがりではうまくいかない。

自分の能力を人のために使い、人に喜んでもらうことで、自分も喜べたらいいなと思っている。

これは、「友達を大切にしよう」と改めて思わせてくれた、親友の結婚式にて。

アメリカから帰国してから、何度も練習した余興のダンス。

友達のために、一生懸命になること。考えてみればこれも、損得じゃない。

努力が実って、大成功。新郎新婦の笑顔を見られたことが一番。

損得勘定を超えたところに、感動が生まれる。この笑顔は、お金では買えない。

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 - 何度も読み返したい日記