Nakamura Yota

中村洋太です。フリーランスの旅行ライターをしています。

【自転車旅】ツール・ド・ヨーロッパ(55)トリアー~ヴォルフスブルク

      2017/12/24

残り2日。気力を振り絞るときがきた。

ツール・ド・ヨーロッパ
第55ステージ
トリアー~ヴォルフスブルク

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夢!冒険!ちゃいにっき!~自転車で西ヨーロッパ一周の旅~

朝はトリアーの残りの遺跡群をちゃちゃっと見てきた。

円形劇場

皇帝浴場

 

さて、29日にベルリンに着かなくてはいけないので、この2日間の予定を立てるのにずいぶん頭を使った。結局今日はヴォルフスブルクまで電車で行くことにした。そこからなら残りのメドが立ちそうだ。

今回の旅で一番難しかったことは、その類いの計算だった。

毎晩、次の日のコースや予定を決めていた。次の目的地まで、ただ自転車で走るだけなら正直そんなに難しくない。朝出発して、120kmくらいなら走れる。だけど、それだと一日かかってしまい、観光に使える時間が取れなくなってしまう。それに、120km走ったところに都合良く行きたい街があるわけではない。20km先かもしれないし、300km先かもしれない。

この旅の趣旨は、海外旅行をしたいと思う人が少しでも増えてくれたら、というものだった。だから、ただ自転車で走れば良いわけではない。観光もして、それをブログで紹介しないと成り立たないのだ。

そこで、「今日は途中まで走って、そこから電車に乗ろう」とか、そういう手段を取っているのだが、そうなると別の頭がいる。

まず、どこまで走れば駅があるかを調べる。そして、何時に電車があるのか。田舎では2時間に一本とかは当たり前。だから、慎重にコースを選ばなくてはならない。更に、3日後、1週間後などの想定地点を、ゴール日から逆算して考える。この日までに○○に着いていなければいけない、とか。その作業を毎日やって頭はパンクしそうになった。

辛い経験も楽しい経験もたくさんして、本当に充実した旅になったと思う。ただ、唯一悔しかったことがあるとすれば、上に書いた理由で、思ったよりも自転車で走れなかったことだ。

これまでに自転車で走った距離は、1800km。これは自分が予定していた走行距離より大幅に少ない。走る元気があったにも関わらず、「走れない」というのが辛かった。

今まで、決して手を抜いていたわけじゃない。移動して、観光をして、ブログを書いて、と時間的な余裕はほとんどなかった。電車を使ったからといって、その分余裕ができるというわけでもない。ヨーロッパは広すぎて、二ヶ月という期間ではとても自転車だけでは回れないから、それはしょうがなかった。

理想はもちろん、全部自転車で走ることだった。だがそれでは少なくとも3,4ヶ月かかってしまう。休学して行くべきだったかもしれないが、内定も決まっていたし現実的には無理だった。

やはり2ヶ月という期間ではこれが精一杯。むしろこれだけの名所を回れたのは奇跡的なことだった。多少のズレはあったが、ほぼ計画通りに移動ができた。

さっき電車で、ボンやケルン、デュッセルドルフを通った。50日前に通った場所だ。あぁ、これで西ヨーロッパを一周したんだなぁと思った。もっと自転車で走りたかったという想いがあるから、自分の中で「やり切った」とは言い難い。

だけど、理由はわからないが、自然と涙が出そうになる。1月からの努力がようやく結ばれるからかもしれない。

半年前の自分にとっては、自転車でヨーロッパを走るなんて途方もない夢だった。

ブログに書いた以外にも色々なことが起きたから、この感情は自分にしかわからないと思う。ヨーロッパに行けたからとか、無事に旅が出来たからとか、単にそういう理由ではない。何故だろう、やっぱり涙が出る。うまく説明ができない。

拙いブログ、拙い文章でしたが、今まで付き合っていただきありがとうございました。

もう観光は十分しました。天気は雨ですが、ゴールが見えている今は、思いっきり走りたいです。それが応援してくださった方々にできる、最後の恩返しになると思います。

ぼくは、「生を輝かせる」という言葉が好きです。人間が必死になって奮闘する姿には、何か輝かしいものがあると思うのです。残り2日、それをこの体で伝えたいと思います。これが最後の走りです。

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 - 2010 ツール・ド・ヨーロッパ(スポンサーを集めて自転車で西ヨーロッパ一周の旅), ドイツ