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セネガル戦は「最高のホームゲームでした」エカテリンブルクの日本語教師が友好の架け橋に

   

ロシアワールドカップ、日本対セネガルが行われたエカテリンブルクは、モスクワから約1400km離れた都市でした。モスクワから鉄道で向かうサポーターもいましたが、乗車時間は約24時間。今回は時間の節約のため、2時間で行ける飛行機を選択しました。

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ロシアに対する認識が薄かった私は、エカテリンブルクもコロンビア戦が行われたサランスクのような、小さな地方都市だと思っていました。しかし、空港から市街地へ向かうバスの中で、高層ビルや賑やかな大通りなど、その都会感に驚きました。人口約150万人、ロシア第4の都市でした。

試合当日の午前に街に到着しましたが、試合が始まる夜8時までは十分な時間があります。どのように過ごそうかと考えていた時、Facebookで「エカテリンブルク日本語チャンネル」という興味深い団体を見つけました。

そのページで、「現地で日本語を学ぶ大学生たちとエカテリンブルク観光」と題されたイベント告知があったので、おもしろそうだと思い参加を決めました。

集合場所へ行くと、たくさんの日本人サポーターと、日本のハチマキをした大学生たちが集まっていました。エカテリンブルクのウラル連邦大学で日本語を学ぶ学生たちです。

このイベントを企画したのは同大学で日本語教師を務める鵜澤威夫さん。

「2年ほど前に『エカテリンブルク日本語チャンネル』を学生たちと作り、『日本語で世界をつなぐ』というコンセプトで、街紹介などの情報発信をFacebookやYouTubeで行ってきました。エカテリンブルクは現地在住の日本人も10名くらいの街で、学生たちは日本人との直接的な交流の機会が持てません。ワールドカップは対面的な交流を実現する絶好の機会と捉え、本企画を考えました。プロの観光ガイドではありませんが、ぜひ学生たちとの交流を楽しみながら、街を歩いていただければ」

この日、集まった30名ほどの日本人サポーターを先導したのは、同じく日本語教師を務めるロシア人のアンナさん。「以前、川越で買いました」という和傘を片手に、流暢な日本語での説明を受けながら市役所や教会などを巡りました。アンナさんは6歳の頃、父親の仕事の関係でサハリンに住むことになり、「街の歴史的な繋がりから、自然と日本に対する興味が湧いた」と話します。

10名ほどの生徒たちも、バラバラになって日本人と交流しながら歩きました。

「『戦国無双』や『信長の野望』などのゲームがきっかけで、日本の歴史が好きになりました」

「好きな日本の作家は三島由紀夫です。日本語の本は難しくて一冊しか読めていませんが、ロシア語に翻訳された作品は全部読みました」

と話す学生たちも。1時間半ほどの市内観光は楽しくあっという間に終わりました。

ロシアに来る前は、青年海外協力隊のメンバーとしてスーダンにいたという鵜澤さん。

「スーダンについてのイメージが、日本人にはほとんどありませんでした。あったとしてもネガティブな印象が多かったので、ネットを使ってポジティブな印象に変えたかったんです」

そのとき彼が始めたのが「スーダン日本語チャンネル」というYouTubeチャンネル。スーダン人たちがナイル川でソーラン節を踊ったり、学ランを着て尾崎豊の『卒業』を歌ったりするユニークな動画をアップしました。この経験がロシアでも生きました。

「せっかく学生たちが作った映像などを、教室内で発表して終わらせるだけではもったいないので、YouTubeやFacebookで公開していきました。日本人以外にも、日本語学習者は世界中にいます。日本人がほとんどいない街でも、日本語で発信することで、世界中の人たちとつながることができます」

その夜行われたセネガル戦。2-2の引き分けでしたが、日本代表は見事な戦いを見せ、応援してくれたロシア人たち、そして鵜澤さんにとっても良い結果になりました。

「エカテリンブルクにこんなに多くの日本人がやってきて、本当に嬉しいです。試合も素晴らしかったですし、私にとっては最高のホームゲームでした。これからもエカテリンブルクの魅力を発信し、つながる機会を増やせていけたらと思います」

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