カナダ 記憶の風景

【カナダ】「赤毛のアン」が過ごした世界一美しい島。プリンス・エドワード島

投稿日:2017年3月27日 更新日:

カナダ東海岸のセントローレンス湾に浮かぶプリンス・エドワード島は、島自体がカナダのひとつの州になっている。カナダで最も面積が小さく、最も人口が少ない州だ。小さな島にもかかわらず、世界各地から観光客が訪れるのは、この島が童話『赤毛のアン』の舞台になったことが最大の理由だ。

しかし実際に訪れてみて、どうもこの島の魅力の本質は、アンではないように思えた。車窓から眺める島の風景が、あまりにも美しかったのだ。それはアンの舞台を訪ねるよりも、遥かに感動したことだった。

image

なだらかな赤土の丘陵地帯に、草原の緑、空の青がパッチワークのように広がっている。いたるところに見える古い灯台も味が出ている。そして初夏は、ルピナスという紫色の花が、島のあちこちに咲いている。まるで夢でも見ているかのような風景で、こんな世界が実際に存在するのか、と感じた。

image

何もかも忘れて海岸線をドライブでもしたら、きっと最高に違いない。『赤毛のアン』を知らなくても、十分訪ねる価値のある場所だった。だけどぼくは、訪れる前に読んでおいてよかった。

「あたし、もう好きでたまらないわ。プリンス・エドワード島は世界で一番きれいなところだっていつも聞いていたから」

美しい風景を眺めている間、アンの言葉が、何度も聞こえてきた。

image

image

-カナダ, 記憶の風景
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

ブルガリアの蜂の巣、ラトビアの花粉

ブルガリアで驚いたのは、ホテルの朝食会場に、蜂の巣が置かれていたことだ。 専用の器具を使って削り取り、ヨーグルトに入れた。ビックリしたけど、これがうまい。 一方、バルト三国で一番の大都会である、ラトビ …

【春の絶景】二子玉川の河川敷に広がる一面の菜の花

二子玉川の駅に向かって歩いていると、多摩川の土手が黄色く染まっていた。あまりにも見事な一面の菜の花。草をかき分け、夢中でシャッターを切り続けた。

カレーリャのスイミー

その日ぼくは、バルセロナから自転車を漕ぎ出して、北に110km先のジローナという町を目指していた。 右手には美しい地中海が広がる。8月でも、日本のような湿気はない。突き抜ける風が爽快だった。 すぐ横を …

インスブルックの小さな教会

これまでに、たくさんの国を訪れてきた。せっかく色んな場所を見てきたのだから、「何か旅のコラムを書いてみたい」と、以前から思っていた。 でも、おすすめの街などを紹介しようとすると、「この大聖堂は何年に建 …

【ゲーテが「生きた絵本」と称えた町】南ドイツ・ミッテンヴァルト

南ドイツのミッテンヴァルトは、ドイツアルプスに抱かれた小さな田舎町だが、毎年多くの観光客が訪れる。 この町が有名な理由は2つある。ひとつは、「ヴァイオリンの町」として。オーバーバイエルン地方で最も美し …