2017 サンディエゴ語学留学&アメリカ西海岸縦断自転車旅「ツール・ド・西海岸」 アメリカ

【ツール・ド・西海岸 第14ステージ】この旅を通して伝えたいこと

投稿日:2017年6月29日 更新日:

自転車でアメリカ西海岸縦断の旅
ツール・ド・西海岸 第14ステージ
ガーバービル(Garberville)〜 ユーリカ(Eureka)
112km

まずは映像をどうぞ。

お昼過ぎの向かい風を受けながら、ぼくは冒険家・南谷真鈴さんのツイートを思い出していた。

「どうしてポートランドからのスタートにしなかったの? その方がまだ簡単だったのに」

と、この旅の途中で何度か聞かれた。そう、ぼくはかなりクレイジーなことをしている。

アメリカ西海岸は、北から南へ強い風が吹く。だからサンディエゴからポートランドへと北上するのはまったくの損で、逆ルートにした方が追い風を受けて遥かに楽をできたはずなのだ。そのことを知っていたうえで、あえてこのルートを選んでいる。

事実、向こう側からやってくるサイクリストと毎日すれ違うが、同じ方面に自転車旅をしている人は未だに会ったことがない。

旅の5日目、サン・ルイス・オビスポからキングシティへ向かうときによく実感した。あまりの強風で、まったく前に進まなかった。あとゴールまでたった10kmという距離なのに、2時間もかかった。あの風には心が折れかけた。そして次の日も、同じような目に遭った。

正直あのときは「やっぱり逆ルートにしておけばよかったかな」と頭によぎったが、もうここまで来てしまったし、それになんだかんだここまで来れたのだから、もう後悔はない。

それで、どうしてわざわざ南から北へ向かうルートを選んだかというと、それがリーダーシップのメタファーだと思っているからだ。

ぼくはこの旅を通して、「人の自発性を育てたい」と思っている。もう少し言うと、「ひとりひとりの心の中に、リーダーシップを芽生えさせたい」と思っている。

どうしてか昔から「リーダーシップ」というテーマに興味があり、この数年間、関連本を読んだり、セミナーに参加したりしてきた。ぼくは人を鼓舞したり、強く引っ張っていくようなタイプの人間ではないけれど、しかしここまで生きてきた中で、独特のリーダーシップを持っている気がしている。

それは、「これをやろうよ」と直接的に人を動かすようなリーダーシップではなく、自らの行動を見せることで、人を自発的に動き出させるようなリーダーシップである。

ここ最近でぼくが受け取ったメールやメッセージは、たとえばこのようなものだ。

「中村さんのブログに影響を受けて、私もブログを始めました」

「あの記事を読んで、私もヨーロッパへ行きたくなりました」

ぼくは、行動を促すような発言は何もしていないし、この方々に対して「ブログを書きましょう」「ヨーロッパへ行きましょう」と個別に言ったわけでもない。それでも、人は動き出している。フォロワーだった人たちが、少しずつリーダーへと変わっていく。

これこそが、自分の持っている不思議なリーダーシップだと思っている。初めて実感したのは大学4年生の頃で、そのときからよく同じようなメッセージをいただいている。

それで、今の時点でこのリーダーシップについてわかっているのは、こういうことだ。

「リーダーは、最初はたった一人で、遥か彼方に見える光の方向に進んでいく」

ぼくは、これをやろうとしている。今いるところから、遠くへ行くのがリーダーシップのメタファーなのだ。

まず電車でポートランドまで行って、そこからスタートしてサンディエゴまで戻ってくるのは、距離的には変わらないけれど、意味合いが違う。「今いる場所に戻ってくる」という行為にリーダーシップは含まれていない。「今いる場所から遠くへ行く」という行為にこそ、人はリーダーシップを感じるものだと思う。だから、向かい風を受けようが、そのメタファーを譲りたくなかった。

最初から電車でポートランドへ行ってしまったら、目的地の「神聖感」がまったくなくなってしまう。だけど、今のルートであれば、ぼくですら感じている。頭の中で毎日「ポートランド」「ポートランド」と、まるで取り憑かれたように想い続けている。そこへ行くまでは、何があっても諦めない。

「ポートランド」へ辿り着くことが自分の夢であると同時に、この旅を応援してくれている人たちの夢へと既に変わっているのだ。

これが、今回のルートに関して言いたかったこと。そして、冒頭の南谷さんの発言。

彼女の行動からも、リーダーシップを感じている。

「私は、遠く彼方へ進んで見せるわ!」

という言葉に、それが表れている。人を言葉で説得しようとするのではなく、自らが遠くへ進むことで、人に大切なことを伝えようとしている。

リーダーは、最初はたった一人で、遠くへ行く。そしてその後ろ姿を見たフォロワーたちが、少しずつリーダーの後についていく。そして道ができる。

一人でも多くの人を動かすために、ぼくは誰よりも動いていたい。

ユーリカに着いた。4日ぶりの海だ。広大なカリフォルニア州の、終わりが見えてきた。

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