「不要なものを売りたい」。リサイクル店は多数存在していますが、最近「エコリング」というおもしろい会社を知りました。
全国で約80店舗展開していて、新品からボロボロの物まで、あらゆる物の買い取りをしてくれるうえ、他店に持っていくより高く買い取ってくれる場合が多いのだとか。
たとえば、先日テレビの密着取材で紹介されていたのは、
着物数点・・・計4万円
チェーンが切れたネックレス・・・800円
使い込んだバッグ・・・1000円
使いかけの化粧品・・・安いけど買い取ってくれる(使いかけの口紅は一部を削り取り、専門業者にまとめて買い取ってもらうそう)
アメニティーグッズ・・・安いけど買い取ってくれる(雑貨品としてタイに送り、販売するそう)
12年前の元カレにもらった指輪・・・1万円
という感じ。
人気のサービスが「出張買取」で、わざわざ店舗に出向かなくていいので最近は伸びているのだとか。しかもその場で鑑定士が査定し、現金で支払いをしてくれます。
エコリングは、買い取った商品をどうするのか。ブランド物などは転売が可能ですが、ブランド物ではない古着などは専門業者へ売ります。
それでも売れない物は、まとめて箱詰めされタイ・バンコクへ運ばれます。エコリングは2012年にタイへ進出。買取価格50円の靴であっても、販売価格900円で売れていました。購入した方は「日本の中古品は質が高い」と話していました。
ドン底経験から得た、ビジネスのヒント
「エコリング」を創業した桑田一成さんのストーリーが好きです。
桑田さんはかつて国家公務員でした。しかし、郵政省の官僚だった頃、郵政事業の民営化が現実味を帯び、将来に不安を感じ始めたといいます。
「プログラマーとして生きていこう」と考え、郵政省を退官してIT会社を設立。しかし、失敗に終わり、闇金から借金する状態に。
桑田氏は生きるため、身の回りのものを次々とネットオークションで売りさばきました。手元に残ったのはパソコンだけ。その経験から、桑田氏は家財の切り売りをビジネスにできないかと考えます。
自身が開発したプログラムが2200万円で売却できた幸運もあり、借金を完済。残った資金で、2001年に設立したのが「エコリング」でした。
「なんでも買い取る」店にしたのは、自分がそれで助かったから。買い取った品物を人気になり始めていたネットオークションにかけると、どんどん売れていきました。
桑田さんは、さらなる販路を求め海外へ。ドバイでは中古自転車が売れ、アフリカのウガンダでは冬物の古着がよく売れたそう。しかし、従業員が盗みを働いたりしたため、現在はウガンダから撤退。タイを中心に売っているそうです。
「どんなものでも買い取れば、必ず欲しい人がいる」
それが桑田さんがドン底生活でつかんだ、ビジネスの確信でした。