アメリカ留学中の5月8日、突然見知らぬアメリカ人からメールが届いた。
「Hello! I am planning a bike ride in Japan riding from city to city visiting craft breweries to see the ji-biru(地ビール) scene in Japan. I was wondering if I could get some advice from you? My route plan is similar to the walking tour you did between Tokyo and Osaka. If you have the time your input would be greatly appreciated. Thank you!」
彼の名は、Danさん。ジョージア州に住む、50歳前後の男性だ。
聞けば、彼はこれまで自転車で様々な国を旅してきたらしい。そしてクラフトビールが大好きで、毎回その国のブルワリーを巡りながら走っているのだそう。
今度の旅の舞台は、日本。東京から大阪まで、クラフトビールを飲みながら自転車で旅をしたいのだという。
「東京と大阪の間には、どんなクラフトビールがあるのだろうか?」
そんな疑問を抱いてネットで調べたところ、偶然にもぼくのブログが出てきたらしい。まさにぼくは、今年1月、東京から大阪まで、クラフトビールを飲みながら歩いて旅をした。
「彼に聞けば、何か情報を得られるのではないか」
そう思って、ブログに書いてあったメールアドレスから、ぼくにメールを送ってきたのだ。
一方、ぼくには、2012年から抱いていた夢があった。
それは、「外国人と一緒に、日本を旅すること」
オリンピックの東京開催が決まった2012年から、ぼくは訪日外国人に興味を持っていた。
「これから2020年に向けて、日本の注目度は増していく。だけど日本の地方の魅力は、まだまだ紹介され切っていない。ぼくが英語で紹介するのには限界があるから、外国人の手を借りたい。たとえば、外国人と一緒に歩いて日本一周をして、ぼくは日本語で、彼が英語でブログを書き、日本の地方の魅力を二ヶ国語で発信できたら・・・」
そんなことを、ずっと思ってきた。実は、その「お試し」としての、「歩いて東海道五十三次」だった。東海道を歩けなかったら、日本一周は到底不可能だから。
しかしぼくは、東海道を歩いたときに、割と満足してしまって、今は正直なところ、「歩いて日本一周したい」という欲求はそんなにない。
だけど、「外国人と一緒に日本を旅したい」という想いは、依然として残っていた。
そのチャンスが、やってきた。Danさんからのメールを読んだ瞬間、震え上がった。
「ぼくに、あなたを案内させてください」
そう返信した。自分で言うのもなんだが、彼の「特殊な旅」を案内するのに、ぼくより適している人間はいないとさえ思った。
・クラフトビールをテーマに東海道五十三次を歩いたことがある
・東京〜大阪間を2回自転車で走ったことがある
・アメリカを自転車で旅したばかり
・英語も少し話せる
・ツアー添乗員としての経験も生きる
・フリーランスだから時間の融通が効く
そして何より、
・「外国人と一緒に日本を旅したい」とずっと思っていた
もちろん、ボランティアだ。だけどこれは、お金を払ってでも、買わなくてはいけない経験だと思った。
こういうチャンスを「お金にならないから」と言って逃してしまったら、「お前は何のために生まれてきたんだ」と一生自分を非難するだろう。
お願いしたものの、最初は少し、彼は嫌そうだった。だけど、その後Facebookで友人になり、ぼくがサンディエゴからポートランドへ自転車旅をする様子を密かに見てくれていたようで、ぼくがゴールした数日後、「完走おめでとう!君は本当に素晴らしい!日本で一緒に走れるのを楽しみにしているよ!」と承諾してくれた。
これまでに100通以上のメールのやりとりをし、彼の出発までの準備を手伝い、昨日ついに、日本に到着した。
そして、明日からぼくは、彼と自転車旅をする。
題して、Yota&Danの「ツール・ド・クラフトビール」
川崎で合流し、3日間かけて、静岡市へ向かう。彼は大阪まで走るが、ぼくが同行するのは静岡市まで。
9/12は川崎〜茅ヶ崎
9/13は茅ヶ崎〜沼津
9/14は沼津〜静岡市
彼に日本のクラフトビールをたくさん味わってもらいたい。そして3日間、日本の素晴らしさを伝えたい。(もちろん飲酒運転にならないよう、ビールは毎日走り終えた後に飲むのでご安心ください!)
今回はあまり期待していませんが、もしビール代と思って500円でもカンパしていただけたら大変嬉しいです!笑
久しぶりの国内自転車旅、頑張ってきます!