自転車でアメリカ西海岸縦断の旅
ツール・ド・西海岸 最終ステージ(第21ステージ)
セイラム(Salem)〜 ポートランド(Portland)
90km
日々の映像を作るのも、これで最後だ。ホッとしたような、少し淋しいような。
目次
最後の90km
最終日の朝ほど辛いものはなかった。あとたった90km走ればゴールだとわかっているのに、なかなかベッドから起き上がれない。
重い腰痛、全身筋肉痛。すべての疲労が出てきた。サンフランシスコから10日間、休みなしで1200kmも走ってきたのだから、無理はないかもしれない。
元気なように思えて、この辺りが今のぼくの身体では限界なのかもしれない。しかし、あと一日。これだけは乗り越えたい。
必死にベッドから這い上がった。
そして、出発の前に、前日のブログを更新。これもこの旅でしんどかったこと。毎日ブログを更新すること。誰に決められたわけでもないが、自分の中のルールである。
起きたことはいつか忘れてしまうから、書いて記録しておかないと落ち着かないのだ。
なんとかここまでそのルールを守れて良かった。自転車で100km走ってブログを書くということは、本当にキツいことだが、これを同じレベルでできる人は日本にほとんどいないと思っている。
ぼくよりももっと速く走れる人はたくさんいるだろうし、もっと上手に文章を書く人もたくさんいるだろう。しかし、100km走ったあとに、これだけの文章量のブログを毎日継続して書いていくということは、そんなに簡単なことではないと思う。ぼくはいつも鼻血を出しそうになりながら頑張っている。
ただ、好きだからできる。そういうことを仕事にできたのは、幸運なことだ。
旅の途中にも協賛者は増え、最終的に81名もの方々のサポートを受けて、この旅を実現することができた。→協賛者一覧ページ
皆さんのお名前を書いたジャージを着て、ゴールのポートランドへと向かった。ぼくはひとりではない。ひとりだったらこんなに頑張れなかっただろう。本当に感謝している。
「ツール・ド・西海岸」ついにゴール
最後は、本気で走った。無我夢中。もう余力を残す必要はないのだ。
暑かった。苦しかった。しかしきっと、汗をかきながら、喘ぎながら走っていたぼくは、輝いていたことだろう。紛れもなく、自分の人生を生きていたからだ。
自分で決めた目標に対して、最後まで諦めず、粘り強く向き合えたことを誇りに思っている。
ポートランド市内に入り、様々な想いがこみ上げてきて、泣きそうになった。
サンディエゴから、長かった。いったいここまで、何度自転車を漕いできたのだろう。
わからないが、ひと漕ぎひと漕ぎを積み重ねた結果、ここまでやってきた。
川の対岸から眺めたポートランドは、想像していたよりも大きく、美しい街だった。
最後の2マイルから、ライブ映像を流した(ゴールの瞬間は17:00頃)。
橋を渡り、「PORTLAND」の看板があるコンサートホールへ向かった。
ダウンタウンの中心地。ここがゴールだ。
「ツール・ド・西海岸」ついに完走!
21日間で、約2500kmを走った。
この旅を通して、様々な人に出逢い、また様々なことを考えさせられた。自分の人生にどういう影響を与えたのか、まだ整理するのに少し時間はかかりそうだが、確実に、何かを得ることができた。
身体を休めながら、またゆっくりと考え、書いていきたい。
「4CH」プロジェクト
ところで、今回の旅に出る前、ぼくはこんなことをブログに書いた。
チェリオには「CHANGE WITH CHEERIO」というスローガンがあります。「変化」や「進化」
を大切にしている会社です。 ぼくはこのスローガンに関連して、今回の企画を「4CH」
プロジェクトと名付けました。 4CHとは、CHANCE(機会)、CHALLENGE(挑戦)、CHANGE(変化)、
そしてCHEERIO(チェリオ)という4つのワードを指します。 先日の記事「4月16日から3ヶ月間、
アメリカ西海岸でチャレンジします!」でも話したように、 今回のアメリカ留学の大きな目的は、 英語での基本的なコミュニケーション能力の習得です。帰国後は、 外国人観光客と英語でコミュニケーションを取り、次なる仕事に生かしたいです。 しかし、今はまともに英語が話せません。だから、変化が必要です。 「4CH」を今回のアメリカ留学に置き換えると、
このようになります。 CHANCE・・・・・・・3ヶ月間のアメリカ留学の「機会」
CHALLENGE・・・・・語学学校での勉強&
その成果を発揮する場としてのアメリカ西海岸縦断自転車旅という「 挑戦」 CHANGE・・・・・・・その結果、なりたい自分に「変化」する
WITH CHEERIO・・・「チェリオ」とともに
ごく個人的な目的は「英語の習得」ですが、「ライフガードニンジャ」としての目的は、「10〜
30代の若い人たちに対して、 夢や目標を達成するために挑戦することの大切さを、 自らの活動を通して伝えること」です。 ぼくには、英語を使ってやりたいことがあります。だから、「
英語ができない」で諦めたくありません。 今年30になる歳ですが、年齢を言い訳にせず、 まだまだ貪欲にチャレンジしていきたい。 やりたいことをやるために、 できないことをできるようにしていきたい。 自ら成長する機会を作り、挑戦し、変化していきたい。 ぼくにとってライフガードは、その気持ちを象徴する飲み物です。
今の日本の閉塞感を打破するためには、「やりたいことをやる」
という強い決意と行動力を持った人間を増やす必要があると思って います。その意味で自分の挑戦が、少しでもこの世の中に良い「 変化」をもたらすことを願っています。チェリオとともに、 今回の企画を最後までアツくやり遂げたいです。
応援してくださった方々、ブログを読んでくださった方々が、ぼくの挑戦に対して、どのように感じたかはわからない。
ただ、ぼくは自分にできることを、全力でやり通した。
成長する機会を作り、挑戦し、変化していった。やりたいことを、最後までやり切った。
自分で決めたことをやり切ること、やり遂げることって、すごく大切なことだと思っている。世の中には、人に決められたことが達成できずに悩んでいる人がいるが、そんなこと、気にしなくていいと思っている。
味も量もハチャメチャで、苦手な食べ物も混ざった料理をポンと出されて、「残さず食べろよ」と言われるのと同じだ。そんなの辛いに決まっている。
ただし、セルフサービスのレストランで、自分の好きな食べ物を、自分の好きな量だけ取ったなら、それは残さず食べようと思っている。
自分で決めたことを最後までやり遂げるとは、そういう基本的なことだ。この当たり前の生き方を、ぼくたちは取り戻していかないといけない。
自分がやることは、自分で決める。「何をしたらいいですか?」と人に聞くのをやめる。何をしたいのか、自分と対話する。そして実行する。その生き方の潔さと爽やかさを、伝えていきたい。
応援してくださった皆様に改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
協賛者の方をご招待して、旅の報告会をやりたいと思っていますので、後日詳細を送らせていただきます。
アメリカ西海岸の自転車旅は終わりますが、ぼくの旅は、これからも続いていきます。
また新しい挑戦で、会いましょう。
中村洋太