自転車でアメリカ西海岸縦断の旅
ツール・ド・西海岸 第12ステージ
サンタ・ローザ(Santa Rosa)〜 ユーカイア(Ukiah)
106km
まずは映像をどうぞ。
今週もまた日中30℃まで上がるとわかり、うなだれていたのだが、やっぱりサンフランシスコで上着を買ってよかった。朝は非常に寒く、10℃近くまで下がる。そして今朝は小雨が降っていた。パタゴニアのウェアは本当にすごい。薄いのに風をまったく通さず、走っていても寒さを感じない。
だいたい10時くらいになると、上着が必要ない気温になってくる。
途中のガイザービルという小さな田舎町で、サイクリストたちで賑わうカフェがあった。わざわざ調べなくても、地元の人で賑わうお店は、基本的に良いお店だ。
お昼前なので、コーヒーを一杯飲んだ。1.25ドルと、非常に安かった。田舎は少し物価が安いのかもしれない。
お店に入るとき、サイクリストのひとりに声をかけられた。
「How’s going? (調子はどうだ?)」
「Good」
「どこへ行くんだ?」
「今日はウーカイアまで」
「遠いな!どこから来たんだ?」
「サンディエゴから」
「Really!? You are the man!(お前は男だな!)」
「このエナジードリンクの会社がスポンサーなんです」
「なんてやつだ!おいみんな、ちょっと来いよ。すごい日本人が来たぜ!ちょっと自転車と一緒に写真撮らせてくれよ」
「OK」
「じゃあ、毎日そのエナジードリンクを飲んで走ってるのか?」
「残念ながらアメリカにはまだ売ってないから、ぼくにはこのジャージを着て宣伝することしかできないんだ」
「はっはっは!そうか、面白いヤツだ!」
「これがぼくのブログ。今夜の記事に、一緒に撮った写真載せるから見ててね!」
「楽しみにしてるよ。良い旅を!」
こういう出会いが楽しい。アメリカに来てから、たとえぼくが英語の下手な日本人だとしても、身体を張って生きていれば、人間として舐められないことがわかった。せめてぼくがアメリカにいる間は、出会う人たちと積極的に話して、「日本人はすごいな」と思わせたい。日本のプレゼンスを高めるための、草の根活動だ。
そして、このようなエピソードを紹介することで、海外に出ることをためらっている日本の人たちを、勇気づけたい。旅の楽しさは、人との生きたコミュニケーションの中にある。言葉ができるできないはあまり関係ない。
彼らと別れて、ぼくはまたひとりで、走り始めた。広大なブドウ畑が広がっている。サンフランシスコから北は、ワインの銘醸地として知られている。そのうちどこかで試してみたい。
クローバーデイルという小さな町でお昼休憩にした。サンドウィッチ屋さん。
ハム、たまご、トマト、スモークチーズ、レタスのシンプルな組み合わせだが、これは本当においしかった。いつかもう一度食べたい。
午後も約50km、順調に走ることができた。
今日は早めに宿に着いた。
近くのメキシコ料理屋でタコスを食べ、
その隣のブルワリー「Ukiah Brewing Company & Restaurant」でクラフトビールを飲んだ。
小さいのを4種類。
左から順に
Willits Wit(wheat beer)
Pillsner Ukiah
Point Arena(Pale Ale)
Orr Springs IPA
飲みながら、お店で寝てしまっていた。
明日は山越えを含む150kmのロングコースになり、この旅で一番ハードな一日になるだろう。下手をするとまた心が折れるような状況になるので、朝6時出発を目標に頑張りたい。