自転車でアメリカ西海岸縦断の旅
ツール・ド・西海岸 第7ステージ
キングシティ(King City)〜 モントレー(Monterey)
105km
映像はこちら。
昨夜スーパーで買ってきたドーナツとサンドウィッチを朝ごはんに食べて、キングシティを出発。
昨日、あまりに疲れたので心配したが、なんとか走ることができた。幸い、昨日のような猛烈な風はない。ただ、暑い。
毎日雲ひとつない晴天で、猛烈に暑い。
3時間ほど走り、サブウェイでお昼休憩。
午後がキツかった。昨日の強風が、戻ってきた。どうもこの一帯は、午後になると北から南に強い風が吹くらしい。
ただ昨日とは違う。午前中に距離を稼いでおいたので、精神的にリラックスできた。あと40km頑張れば目的地に着くのだ。
ルートは2つあったが、ぼくは地形を読み、谷間のコースを選んだ。ここなら海との間に山が挟まれるので、風がブロックされるのではないかと考えたからだ。
これがドンピシャだった。まったく風がなくなった。こうなれば自分のペース。順調に走り切り、16時頃モントレーに着いた。
しばらく内陸部を走っていたが、久しぶりの海だ。
モントレーは、カリフォルニア屈指の観光スポットである。ビーチもあるし、オシャレな街並みもある。今日は日曜日ということもあり、多くの観光客で賑わっていた。
ユースホステルに宿泊。実はドミトリーに泊まるのは、今日が初めて。
ベッドを選び、シャワーを浴びてさっぱりした。
夕食のあと、地元のブリュワリーでクラフトビールを一杯。
Cannery Row Brewing Company の 「Lucky Sailor Blonde」
海沿いの町らしいビールの名前で気に入った。
先日、ベンチュラで泊めてくださったジャックさんが、ゲストとしてのぼくのレビューをサイト上に載せてくれたのだけど、最後の一文がとくに嬉しい!「彼を泊めても後悔しないことを保証する。きっとインスパイアされるよ」と。感謝!
あと、これもFacebookに書いたのだが、走りながらふと思ったのは、物価について。
ぼくは日本は「物価の高い国」だとずっと思っていたのですが、アメリカに来てから、途上国以外ではかなり安い方の国なんじゃないかと思い始めています。安いというか、「コスパが高い」という方が正確でしょうか。
100円ショップの品質しかり、一番感じるのは食べ物です。牛丼ってすごくないですか? アメリカにあったら1000円くらいしてもおかしくないです。
あと、日本に来たアメリカ人は肉マンがコンビニで100円で買えたと驚いていました。あんなうまいものが1ドルかと。
たとえば、スーパーで買ったこのお寿司、この量で1800円くらいと知ったら驚きませんか。日本なら半額くらいで買えそうな気がします。味ももちろん、日本のがおいしいですしね。(関係ないですが、マグロとサーモン以外のお寿司をほとんど見かけません)
北欧はアメリカよりもさらに物価が上がります。だから物価の面では日本は奇跡的な国なんじゃないかと思っていますが、今度は逆に、どうしてこんなに安くでなるのかが疑問です。経済のことに疎いのですが、物価というのは何によって決まるのでしょうか? 国民の平均所得などによって変動するのでしょうか?
こういうことを書いたら、「今や日本はアジアの国からでも物価が安い国という評判ですよ。その代わり賃金も安い国でもありますけどね」と越野さん。
そして鳴川さんは「安い=どこかに、誰かに犠牲はないのか? と考えてしまいます。特に今の日本では」とコメントをくださった。
ベルリンに住む高田ゲンキさんは、「他の方もコメントされてますが、低賃金のブラック労働の恩恵ですよね。だから、買うときは幸せだけど、働いて賃金をもらう側になると辛い。ドイツもアメリカ同様物価は(日本に比べると)高いけど、その分労働者の人権が守られてる部分が大きくて、僕はそっちの環境のほうが好きです」と。
とても考えさせられた。日本では価値のあるものを、必要以上に安くしてしまっている印象を受けるが、ただ、賃金が低いためにその悪循環からなかなか抜けられないのだろうか。ぼく自身が、安い方を選んでしまうことも、この流れに加担してしまっているのかもしれない。所得が増えれば、必要以上に安さを求めず、適正価格で買おうという気持ちがより芽生えるのかもしれない。
こういうのは、論じているだけでは何も状況は変わらなくて、自分事として捉えないといけない。この問題に対する自分にとっての課題は、「犠牲を生まない消費行動に参加するために、どうしたら自分の所得を上げられるだろうか」ということだ。まず自分が変わらないと、世の中に対してアクション起こせない。逆に自分が変われたら、それが多くの人にとって何かヒントになるかもしれない。
今日も100km以上を走った。サンディエゴから7日間で、順調に進んできた。これが広域図だ。
明日も油断せずに行きたい。
yokaでした。