ミャンマーから帰ってきてこの数日間、なんだか無気力状態が続いていた。最初は疲労が原因だと思ったが、休んでもまだ気力が湧かない。たいして仕事もしていないのに、どうやら精神的に疲れているらしい。
フリーランスになって、何でも自由にできるはずだと思っていたけど、案外機能しない。何でもできると、何をやっていいかわからなくなり、結果何もやらないという、廃人状態になっている。
生産性が悪い。意外と制約があった方が人は輝けるのかもしれない、ということを思った。
会社員時代は、平日5日間働いていた。これは時間的に大きな制約であるが、その分、土日の輝き、行動力は凄まじかった。猛烈に動いていた。その勢いで毎日行動していたい、と思って会社を辞めたわけだけど、そう簡単にうまくはいかないようだ。「何でもしていいですよ」は見せかけの自由だ。
なので、今後は少し制約を作って、自分にあった働き方、リズムに調節していきたい。具体的には、「あえて週3でアルバイトをしながら、ライターの仕事をしてみる」などだ。その方がうまく作用するのではないかと思った。
昨日まではそんなことを考えていたのだが、しかし、根本的に覆す展開になった。
それは、昨日の朝、岩間歩さんと話していて、ぼくが「これから頑張るよ」と言ったときに、彼女が「あまり頑張りすぎない方がいいよ」というニュアンスのことを言ったことがきっかけだった。「もっと力を抜いていい」のだと。
そのときに気付いた。
(そうだ、最近どうかしてないか?)
なんだか、現実を無理やり引き寄せようとして、随分力んでいるような気がしていた。結果うまくいかないし、無気力になってる。そうじゃないだろう、と。
ぼくの得意技は、「実現したいことを思いもよらない角度から実現すること」。意図的に奇跡を起こすことであったはずだ。
「奇跡的なことが起きた」「シンクロニシティが起きた」という投稿を、昔はたくさんしていたはずなのに、最近は全然していないじゃないかと、気付いた。何かやり方が間違っていたのだと。
ぼくは本棚から一冊の本を取り出した。
『シンクロニシティ』という、ぼくのバイブルである。この本に出会ったのは、2013年頃だったか。ぼくの知りたいことが書かれていたし、この本を読んでいると、大切な感覚が蘇ってくるのだった。
もう一度初心に帰ろうと思い、再読を始めた。そしたら不思議なもので、さっき早速シンクロニシティが起きた。
シリコンバレーにあるFacebook本社に勤めている日本人の方から、突然メッセージが届き、「サンフランシスコに来たら会社訪問してもいいですよ。うちにも泊まっていいですよ」と言ってくださったのだ。まさかFacebook本社の方がぼくのアメリカ留学を知っているとは思ってもいなかったので、これには驚いた。
密かにFacebook本社を訪ねてみたいと思っていたぼくは、こうして意外な角度から、あっという間に実現できることになった。力も入れていない。ただ、出来事が起きた。そして立て続けに、サンフランシスコで起業した日本人の方とも現地で会えることになった。
これだ。この「流れに乗る」感覚を、ぼくは大学時代の頃に強く味わい、体得していたはずだった。しかし最近は、この感覚から大きく遠ざかっていた。
ようやく思い出してきた。
・自分自身と深く向き合い、心の声に耳を傾けること
・力を抜くこと
・前向きに待つこと
・直観を信じること
・シンプルに、本質的に考えること
・行動を起こすこと
・物事を注意深く観察すること
・流れに身をゆだねること
こうした条件が揃えば、シンクロニシティは起こる。いける。物事は、すべて繋がっている。自信を取り戻した。
シンクロニシティに関わる研究をしていた物理学者のデヴィット・ボームは、この本の中でこう語っている。
「きみは創造的な流れに足を踏み入れようとしている。その道を突き進みなさい。素晴らしい絵を描こうとするときと同様、夢に向かうときも一つ所にとどまってはいられない。細心の注意を払い、自己を認識しなさい。そうすれば機会が現れ、その機会に向かってすばらしい力を発揮できるようになるだろう」
シンクロニシティ[増補改訂版]――未来をつくるリーダーシップ
英治出版
売り上げランキング: 78,578