『お金2.0』を読んで印象的だったのが、これからの時代では「自分の好きな経済圏を選んで生きていける」という話でした。
たとえば昔は、ほとんどの人は「自分の地域」という経済圏でしか生きられなかったはずです。魚屋のおじさんは、魚を売ってお金を得て、そして商店街の別のお店で商品を買って暮らしていました。
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しかし、インターネットの登場により、世界は変わりました。経済圏が大きくなっただけではなく、人は同時に、複数の経済圏に跨ることができるようになりました。たくさんのコミュニティを持っている、ということでもあります。
YouTuberは、世界中にファンを持っています。彼らにとっては、地元の町の人というのはそんなに大きな影響力を持ちません。「世界中のファン」やそこに付随する広告企業などがいるコミュニティ、それがYouTuberたちの経済圏なのです。
会社などのコミュニティでは全然うまくいかなかった人が、YouTuberになって大成功した、という例もあるでしょう。ある場所でうまくいかなかったとしても、気にせず、カジュアルに違う場所へ行けばいいのです。それができる時代です。ぼくは会社というひとつの経済圏を離れて、フリーランスになりました。今度は東京という経済圏を離れて、地方へ行ったり、海外へ移り住んでもいいかもしれません。
ぼくには、「家族」という経済圏がまずあります。そしてこの8年間で最も重要だった経済圏が、Facebookでした。ぼくはFacebook上に様々なジャンルの友人たちがいて、プライベートで遊ぶのはもちろん、仕事の繋がりもたくさん生まれました。Facebook経由で人の助けを受けられるくらいには、頑張って発信してきたのだと言えるかもしれません。
しかし、仮にFacebookがなくなったら、途端に自分の経済圏は狭くなってしまうな、ということに気付きました。つまり、このコミュニティに頼り過ぎていたのです。
最近思うのは、ぼくはまたブログに戻ってもいいのではないか、ということです。Facebookではリアル友達との繋がりが基本です。中には、「友人の友人」と繋がっている場合もありますが、基本的には知り合いベースです。
一方でブログは、「ぼくの文章を好きでいてくれる日本中の人たち」と自由に繋がることができます。この経済圏をもっと拡げていきたいです。書きたい自分と読みたい誰かが、地理的条件を超えて、知り合いかどうかという条件も超えて、直接的に繋がることができます。改めて、この仕組みの素晴らしさに気付いたわけです。
ぼくは応援してくれる人たちに支えられて、好きなことをしていきたい。そして、ぼくが好きなことをして、それを発信することで、今度は逆に、応援してくれる人たちを支えたい。そんな経済が、ブロックチェーンや仮想通貨の技術革新によって加速していく時代だと思うのです。