振り回されているのか、それとも流れに乗れているのかわからない。
ツール・ド・ヨーロッパ
第36ステージ
ジェノヴァ~モデナ
結局次の朝も、ジェノヴァは雨と風が強かった。今日は電車での移動日にすることに決めた。
どこへ行こうか、いくつか候補があった。最初はピサを通ってフィレンツェに入ろうとしていた。しかし、天気予報によるとその方面も雨のようだった。
「モデナに行こう」
と、決めたのは、賭けだった。
以前、バレンシアのレストランで、話しかけたイタリア人のおじさんと仲良くなったのを覚えているだろうか
おじさんはモデナという小さな街に住んでいて、「11日までにモデナに来ることがあれば連絡しなさい」と言っていた。それで、以前からモデナへ行こうと考えていた。
だけど、今日に限っておじさんと連絡が取れない。「これからモデナへ行きます」とショートメールを送ったんだが、返事がこない。昨日はすぐに返事が来たんだけど・・・。いきなり行ってしまって大丈夫だろうか。とはいえ、ぼくもいつまでもここにいるわけにはいかない。
モデナ行きの切符を駅で買った。幸運にも、ジェノヴァからリミニ行きの電車に乗れば一本で行けるということがわかった。電車の時間は17:50。まだまだ時間がある。
しばらくはネットが使えるホテルのロビーにいさせてもらい、原稿を一つ書いていた。
そのうち、一瞬晴れたので、少しジェノヴァの街を歩いてみたが、正直あまり面白い街ではなかった。
昨日の南フランスやモナコの景観が素晴らしかっただけに、なおさらそう感じてしまう。「ジェノヴァは観光で行く街ではないよ」と、川口さんに言われていたが、本当にそんな気がした。
この街出身のコロンブスの像があったくらい。
これなら他の街に行った方がいい。(ただし、ジェノヴェーゼは食べる価値がある。)
ようやく電車の時間が来たので出発。
モデナへ向かう電車の中で、おじさんからメールが来た。
「今パリにいます。航空会社のストライキで数日間足止めされています。」
なんじゃそれー!!
「That’s too bad.」(それはお気の毒に)
という、高校受験の穴埋め問題でよく出る英語を、初めて実際に使うことになった。
「もしかしたら明日の飛行機でモデナに帰れるかもしれない。運次第だがね。」
「明日の昼まではモデナにいます。お会いできることを願っています。」
うーん。せっかく来たのに会えないんだろうか。このブログを書いている今も、まだどうなるかわからない。
しかし、もし会えない運命だとしたら、どうしてバレンシアでおじさんと知り合うだろうか。偶然の出会いには必ず何かしら意味があると思うのだが。振り回されているのか、流れに乗れているのか・・・
まあ先のわからないことに悩んでいてもしょうがない。とりあえずはモデナを観光しよう。この小さな街にも世界遺産があるのだ。なるようになると信じて、腰を据えて待っていよう。
やっぱり傷口のぐじゅぐじゅしたのがなくなるまでは、ちょっと自転車に乗るのは様子を見ます。膿んで更に悪化するのは避けたいです。
それでは。