魅惑の小国へ・・・
ツール・ド・ヨーロッパ
第53ステージ
メッス~ルクセンブルク
メッスで今一番ホットな場所がある。
今年の5月にオープンしたポンピドゥー・センター・メッスという場所だ。これはパリにある現代芸術の複合施設「ポンピドゥー・センター」の分館であり、国の芸術振興プロジェクトの一環として2004年から造られていたものだ。2010年春にようやく完成した。
パリのポンピドゥー・センターは、約58000の現代アートを所有していて、その規模はヨーロッパでも最大。そしてこのメッスの分館も、規模でこそ劣るが重要な作品を多く所有。ヨーロッパの主要な美術館の仲間入りをした。
オープニングセレモニーにはサルコジ大統領も出席するほど。「危機の時代に文化や未来のためへの投資は政治的、経済的戦略である」と話したらしく、それだけ重要な建物であるということだ。
この建物、日本人建築家の坂茂さんとフランス人ジャン・ド・ガスティーヌによって共同で設計された。構造がすごい。この写真は美術館の中に展示されていた、この構造の一部を示す模型である。建物は廃材を利用して建てられた。
中に入ると素晴らしい作品が・・・
ミロ
ピカソ
ダリ
マティス
どれも美術館を訪れた画家ばかり。ぼくにとってはまるで、この旅で行った美術館の総復習をしているかのような体験だった。特に作品が多かったのはマティス。貼り絵の作品は素晴らしいのがたくさんあり、ぼくはニースのロザリオ礼拝堂の作品よりもこっちで見た作品の方が好きだった。
マティスの貼り絵がズラリと並ぶ。
ちなみにポンピドゥーセンターは全て撮影OK。更に26歳までは入場料無料らしく、パスポートを見せたらタダになった。
基本的には現代美術館だけど、所々に巨匠の名作があって、とても面白い空間だった。これは一見の価値がある。
メッスは今日も雨が降ったり止んだりの不安定な空模様だったので、電車で向かった。
向かった先は、ヨーロッパの小さな国ルクセンブルク!
これまた、日本人にはあまり馴染みがない場所。「名前は知っているけど・・・」という人が案外多いのではないでしょうか。
ぼくも、実際に来てみるまでは何があるか全く知らなかった。イメージしていたのは、緑の多い田舎のような風景たった。
15時、ルクセンブルク到着。
外に出ると、ふっつーに
都市!
ヨーロッパでよくあるような、普通の街だった。ずいぶん想像と違った。
街のシンボル、ノートルダム大聖堂。
ケルン、ストラスブール、フィレンツェ、バルセロナ・・・と、いくつもの有名な大聖堂をいくつも見てしまったぼくにとっては、これくらいでは驚かなくなってきた。正直、「もしかして、これで終わり・・・?ちょっとがっかりなんだけど・・・」と思いかけたが、やっぱり他とは違う魅力もあった。
ルクセンブルク大公国(正式名称)は、神奈川県と同じくらいの面積しかない。しかし、首都のルクセンブルクは欧州列強の攻防の歴史の中で400年の間に20回も破壊と修復が繰り返された城塞都市。そこには神奈川県どころではない、壮絶な歴史があるのだ。(横浜が20回も壊されたら困っちゃう!)
街の中心部から少し歩いたところにある、城壁の跡地が面白い。
そしてそこから見た、城壁の下町の眺め。
街の高低差がすごいから、それが絵になる。
この急な坂。モナコのヘアピンカーブのよう。
上と下、二層になっていてちょっと不思議な空間。上は都会なんだけど、下に降りると緑が広がるという立体構造。
橋を上から眺めたり、
下から眺めたり。
ルクセンブルクでしか味わえない魅力がわかり、やっぱり来て良かったと思った。お店に行っても、他の国とは違う人の優しさを感じる。治安はいいし、いい国だ。
しかし夕方になって、途端に冷えてきた。寒過ぎる。10℃以下だ。みんなマフラーしてる。ぼくは自転車ジャージ+ハーフパンツ。手が麻痺した。これはたまらん!
走って汗をかきたい!明日は晴れてくれ!