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【韓国訪問(5)】現地で感じた、韓国のインバウンド課題

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密かに注目していたのが、韓国のインバウンド(訪韓観光客)対策事情です。といっても大袈裟なことではなく、「韓国語のわからない外国人旅行客(自分)に対して、どれだけ配慮がされているのか、どれだけ快適に過ごせるか」という点に着目しながら過ごしていました。日本のインバウンド対策を考える上でもヒントになると思うからです。

気づいた点を挙げていきます。後半は良い部分もありますが、ちょっと辛口になってしまいました。韓国への愛ゆえです。お許しください。

朝から開いているカフェが少ない

朝9時頃に繁華街を歩いていたのですが、カフェの多くが10時オープンや11時オープンとなっていて、その時間で開いていたのはスターバックスとパン屋さんの他にはあまりありませんでした。

仁川でも、朝から開いているカフェが少なかった。東京では7時や8時頃から開いているカフェも結構あります。ぼくが会社員だったときは、出勤前に会社近くのカフェで朝7時から本を読んでいたりしました。アメリカのスタバは多くが朝5時半からオープンしていました。それは早すぎかもしれませんが。

ぼくは海外に行ったら、朝早くから行動したい派なので、その点は少し残念でした。韓国人は朝が遅いのでしょうか。朝の需要は結構あると思うので、もう少し早くからオープンしているお店が増えるといいです。

日本語を使うなら、自然な形で

ソウルで一番の繁華街、明洞を歩いていて感じたのは、とにかく日本語で書かれた看板が多いこと。

しかし、この日本語が、日本人からしたら自然な日本語ではないのです。翻訳機にかけたような、ところどころ間違った日本語もあったりで、少しストレスを感じました。現地の日本人もたくさんいるし、そもそもネットもあるんだから、ちゃんとチェックしてもらえばいいのに。

エステとマッサージと韓国料理以外でも日本人を釣ってほしい

個人的に最も残念な点は、格安旅行で1泊2日くらいでソウルを訪れる旅行者がターゲットにされているだけで、そこから長年進化が感じられないことです。

ソウルの旅は、もっと深化していかないといけないと思います。浅い部分で手っ取り早く片付けるのではなく、もっとソウルの上質な部分も見せてほしいですし、そういう売り方を考えてほしいです。

エステとマッサージとありふれた韓国料理の看板が日本語で書かれ、近くには日本人スタッフがいて、「この値段でしっかりやってくれるのはウチしかないですよ。ね、このチラシ持ってると、20%オフにできますので」などと日本語で誘ってくるわけなんですが、それがまた萎えます。

そしてこの長年変わらないスタイルに同じ気持ちで食いついていく日本人もまた、良くないです。韓国の深い部分を探求してほしいし、そういう雑誌の特集なり本なりが、もっと出てきてほしいと思います。

韓国料理店の比率が高すぎる

ぼくの感覚では、韓国の飲食店全体の8割前後が、韓国料理だと思います。日本が少し異常なのかもしれませんが、多分東京のレストランの半分近くは、和食以外です。イタリアン、中華、フレンチ、バーガー・・・なんでもあります。

それはお国柄ということで、仕方ないかもしれません。でも、明洞のピザ屋さんの「ピザですよ!ピザ!ピザ!」みたいな強めの主張は「何を今さら」と思いました。韓国料理以外の料理の質が、もっと上がってほしいです。日本食のお店も訪ねましたが、「それっぽくしよう」という気概があまり感じられませんでした。こだわりが薄いから、エセ日本食になってしまう。

その点日本人は、メチャクチャ本場の味に寄せるか、逆に日本人好みの味にして最終的においしさで満足させるかのどっちかには落ち着かせます。そういう努力が中途半端だと感じました。

スマホアプリのMAPについて

まず、Google Mapsが満足に機能しません。CafeやRestaurantと英語で検索しても、ほとんど表示されません。ソウルに10数軒って、そんなはずはない。そして表示されても、実際の場所が地図上の表示と少しズレていたりすることもあります。ここまでGoogle Mapsの精度が低い国は初めてでした。

その代わり、Naver Mapは使えます。ただし、表記がハングルのみなのです。そこさえクリアできれば、つまり英語や日本語などでも利用できるようになれば、旅行者にとって便利だと思います。

好きなエリア

明洞は、上に書いたような理由であまり好きになれませんでしたが、三清洞(サムチョンドン)や大学路(テハンノ)あたりの雰囲気はとても良かったです。とくに大学路は今回初めて行って、学生の賑やかな感じが高田馬場に似た雰囲気があって気に入りました。おしゃれなカフェも多くあったので、次回またゆっくり行きたいです。

あと、三清洞にある「北村ピンス」というお店の抹茶ピンスは毎回食べたいお店です。この滑らかな氷の食感は日本では味わったことがありません。

ドリップコーヒーがもっと飲みたい

韓国のカフェでは、普通にコーヒーを頼むと、「アメリカン」が出てきます。いつもドリップコーヒーを飲んでいる自分からしたら、薄くてまずい。。

いくつかおいしいコーヒー屋さんを教えてもらいましたが、まだまだハンドドリップで出すお店は少ない印象です。次回はもっと開拓したいです。

思っていた以上に英語が通じない

「若い人は英語を話せる人も多いから大丈夫」と言われていたのですが、実際に出会った人は、ほとんど通じなかったです。話しかけても困った顔をする人が多く、ボディランゲージで乗り切りました。

日本を訪ねる外国人も、同じように感じているのかな。

地下鉄は東京よりもシンプルで迷うことがない

地下鉄はストレスを感じなかった。東京の地下鉄は乗り換えなどが複雑で、ぼくでもときどき道を間違えたりするのですが、ソウルではそれがなかった。外国人でもわかりやすいように、看板がハッキリしていました。そして地下鉄の路線名が番号だったのもありがたかった。6番線、3番線というように。

あと、切符の買い方もシンプルでやりやすかったです。これはGood。

人は素晴らしい

そして、出会う人は皆親切でした。色々辛口に言いましたが、人が良いということが、観光客がまた訪れたくなる最大の理由だと思うので、それは素晴らしいことです。

次回ソウルを訪ねたときにどんな発見があるか、楽しみにしています。

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