能力的な意味では、自転車でアメリカ西海岸を縦断することを、ぼくはそんなにすごいことだとは思っていない。
2500kmを走るというのは、100km走るのを25回繰り返すだけである。そして若い男性にとって、自転車で1日に100km走ることは、大変といえば大変だが、そこまで難しいことではない。疲れを我慢して、朝から夕方まで8時間くらい自転車を漕いでいれば、誰だって着いてしまう。
高校や大学で自転車部だった人なんて、はるかにすごい。一日200kmくらい余裕で漕いでしまう。ぼくにはそんなに走れない。
だから、ぼくがこれからやることは、実はそんなにすごいことではない。
それを正直に友人に言ったとき、こんなことを言われた。
「できることと、実際にやることは、まったく別モンやろ」
言わんとしていることはわかった。できる人はたくさんいる。でも、「実際にやる」と選択する人は少ない。そこには様々な理由があるのだと思うけど、いずれにせよ、実際にやる人は少ない。できるかどうかは、そんなに重要じゃないのかもしれない。
せめて自分は、やりたいことを実際にやりたい。やりたいと思うし、かつできる能力もあるのにやらないというのは、もったいない。むしろ、できるかどうかわからなくても、やりたい。
人生、一度きり。タイミングを逃さず、後悔しない生き方をしたい。