「どうして雑誌の名前を『秋刀魚』と名付けたんですか?」
「日本人の好きな『秋刀魚』は、実は台湾でも『秋刀魚』(さんま)と発音するんです。それと、日本(列島)は細長くて、秋刀魚のような形だと思ったので(笑)」
編集長のEva Chenさんは、そう話してくれました。
彼女が日本のカルチャーを紹介する『秋刀魚』という雑誌を作ったのは、2014年のこと。雑誌が大好きで、何かチームで雑誌を作りたいと思ったそうです。
最初は台湾の魅力を紹介する雑誌にしようと思ったそうですが、それは既にたくさん存在していました。そこで、彼女の大好きな「日本」をテーマにした雑誌を作ることに。
「小さい頃から、台湾と日本が深く結びついていることを知っていて、関心がありました。初めて日本へ旅行したのは割と最近のこと(2013年)でしたが、その翌年にはこの雑誌を作っていて、それからは何度も日本を訪れています。
日本の方には、台湾人はこういう風に日本を見ているんだ、という視点で見てほしいんです。日本の雑誌が台湾を特集しているときも、台湾人の私が知らなかったことがたくさん載っていて、不思議だなと思います。中村さんが持っているその台湾一周のサイクリングマップも、私たちは初めて見ました。そんな地図があるなんて知りませんでした。
同じように、台湾人が見た日本を紹介することで、日本人にとっては近すぎて気付かないことを、私たちが発見できます。これってすごくいい文化交流だと思うんです」
隔月で発行していて、最新号が17号。発行部数は3万部。雑誌の質は高く評価されていて、中国本土や日本の一部書店にも置かれています。
最新号の特集は、「夜9時以降の東京」
「東京の夜の遊び方がわからない、という台湾人が多いから」とEvaさん。
なるほど、確かに日本人にはなかなか思いつかないテーマかもしれません。外からの目には、こちらも気付きがあります。
こんなニュースもありました。
2014年11月に創刊された雑誌、「秋刀魚」が今年、文化部(日本の省レベルに相当)が主催し、出版業界の優れた作品と人員を表彰する第41回金鼎奨(GOLDEN TRIPOD AWARDS FOR PUBLICATIONS)で、「雑誌類出版賞:生活類賞」と「雑誌類個人賞:編集長賞」を受けた。「秋刀魚」は台湾の角度と視点から日本文化を紹介する雑誌で、生活、芸術、デザイン、歴史、科学技術など様々な面のテーマを集めている隔月刊である。
さらに、発売されたばかりの『ソトコト』12月号が台湾特集で、Evaさんがインタビュー記事を含め10ページ以上登場します。
日本へ帰ったらゆっくり読んでみます。
彼女と直接話を聞けて、刺激的な時間になりました!
通訳してくれたOliviaさん、発行人の鍾昕翰さんもありがとうございました!