中国本土ではネットは使えますが、Google、Facebook、Twitter、Instagramなどは規制されていて開けません。これが思っていた以上に不便でした。
スマホは裏技があって、Amazonで事前に購入していたプリペイドSIMカードを香港で差し込んで、陸路で中国に入ると、ネット規制から逃れることができます。この商品は香港と深圳で使えるのでおすすめです。
4G高速データ通信 中国本土31省と香港で7日利用可能 プリペイドSIM
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しかしパソコンで上記サービスが使えないのは本当に不便で、とくにGoogle検索やGoogle Maps、Gmailを開けなくなるのがキツかった。
Yahoo!もサイトトップやニュース記事は読めますが、検索はできません。
この不便さを経験して、いかに日常の中で検索サービスに頼っていたかを思い知らされました。もうググることなしには生きていけないかも。。
一方で、学びになったのは、中国人にとってはこれらの世界的なサービスが使えなくても、なんら問題がないということでした。必ず類似する自国のサービスが存在していて、それだけで解決してしまう。
この国はとても特殊です。エコシステムが自国だけで成立して、外の人間はかなり入り込みづらい。これまで旅行してきた国々とはまるで異なります。
香港人の多くが英語を使えるのに対して、すぐ隣の深圳の人々はホテル関係の人以外、さっぱり通じませんでした。いや、Airbnbのホストさえ、英語がダメでした。メッセージはいちいち中国語で書かれてくるので、毎回翻訳しながらコミュニケーションを取っていました。親切な人だったけど。
もちろん世界進出しているような企業のビジネスマンたちは英語を扱える人も多いと思うけど、一般人は全然でした。そしてまるで困っていないし、堂々としている。「英語が話せなくて、だから何?」という感じ。そのことも、この国の強さだな〜と感じました。14億人の力。若い人が多い国って本当にすごい。活気があります。
ただ、経済の成長スピードがすごい反面、人々の民度やモラルなどは置いてけぼりにされている印象です。部屋や店内を清潔に保つ意識、礼儀正しくいる意識、健康に対する意識、生活用品の質、などなど、こういう類の意識はまだまだ低いと感じます。この点、日本人は世界に誇れる民族なのではないでしょうか。
ただ、ビジネスに関しては別。
日本人は、おとなしく、優しく、合意を取るまでに時間がかかる。中国人は、主張し、強く、すぐ判断して行動する。そういった性格の違いが、そのままビジネス面での主張の強さやスピード感の差に繋がっているような気がしました。
昨年末、現代ビジネスで26歳のライターが書いた記事が爆発的にヒットし、そして大炎上しました。深淵を絶賛し、日本の大人たちに責任を押し付けるような書き方で、ぼくもこの記事は全然好きではありません笑
「日本が中国に完敗した今、26歳の私が全てのオッサンに言いたいこと」
でもこの記事に対してNewsPicksで一番Likeを集めていたコメントが、今ならより理解できます。
「不足も下手も大いにあったにせよ、オッサン達はあなたがまだ幼子だった2000年初期に相当中国で頑張ったのです。いま日本の対外投資1位は東南アジアだが2012年までは中国だったのです。国力の割には頑張ったんです。
しかし中国は外国人がビジネス出来る場所ではありません。残念ながら。米国メガ企業ですら軒並みコテンパンにやられてる。不平等で不誠実な保護貿易国家なのです。
ではやるべきは何か?
中国ではなくインドです。中国が日本をGDPで抜いたのは2010年です。そこからたった5年でダブルスコアで負かされました。これと同じことがあと7年でインドでおきます。つまり日本人は10年後に同じことをインドに対して言って地団駄踏んでるはずです。かつ中国と違いインド人トップ層は国際的で人材が優秀です。あなた方若者の少なからずが将来の上司はインド人になるでしょう。
だから今から先回りしてインドに取り組まねばならんのです。インドは共産主義でも一等独裁でもない民主国家であり欧米資本はバンバン進出しています」
中国は確かに、「国際的」とは言いづらい。日本人は英語が苦手ですが、中国に来てみてビックリ。日本人の方が全然マシです。それに、日本人でも英語で話しかけれたら、わからないなりにもなんとか誠意を尽くす人が多いですが、これが中国人にはあまり感じられませんでした。
まだ他の都市も訪れていないし、あまりわかったようなことは言えませんが、中国のプラス面とマイナス面、両方を肌で感じられる滞在になりました。香港に戻ってきて、「香港は中国ではない」と言われる意味が以前よりもよくわかりました。英語が通じて、ネット規制がない。その違いだけでだいぶ快適です。
何はともあれ、深圳についてネット記事がたくさんありますが、百聞は一見に如かずでした。
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