今から1ヶ月前のこと。Facebookのタイムラインに流れてきた映像に、目を奪われた。それは、ドローンを使って撮影した、カリフォルニアの美しい映像だった。
(上空からだと、こんな風に見えるんだ・・・)
奇しくも、ぼくがつい先日連載を始めたメディア「TABI LABO」とのコラボ作品だった。
取り上げられていたモントレーは、これから自転車旅で訪ねる予定の街でもあったから、なおさら興味が湧いた。
この映像の作者は、由井友彬さんという方らしい。さっそく彼のInstagramを見つけて、他の映像も観た。どれも素晴らしかった。
ぼくは彼にメッセージを送った。
そうしたら偶然にも、「5月末からサンディエゴに行きます」と返信があった。それなら決まりだ。
今日、実際にサンディエゴでお会いして約2時間、お話を伺ってきた。
彼は1990年生まれの27歳。驚くべきことに、つい4年前まで、美容師だったというのだ。
美容師を辞めて、そこから大学に入った。23歳までbe動詞すらろくにわからなかったと話していた。そんな人間が、今では仕事で英語を使いこなしているのだから勇気をもらえる。
大学に入ってから独学で映像の勉強を始めた。ちょうどGoProなどが話題になり始めた時期で、彼はそれを買って、編集した映像を友達に見せたりしていた。単純に、友達からの反応が嬉しかったらしい。どんどん映像の世界にのめり込んでいった。そして好きなことが、仕事になった。
まだ在学中だが、昨年、HISとコラボして映像作品を作ったことがきっかけで、仕事の幅が広がっていたという。素晴らしいのは、彼が自分で企業に営業をしているところだ。
冒頭に書いたように、TABI LABOともコラボし、これから映像作品がアップされていく予定。また、カリフォルニアの大学からも仕事を請け負い、こんな映像を制作している。
映像といえば、ぼくも今回の旅ではDJI JAPANさんに協賛していただいて、Osmo Mobileを持ってきている。そのことを伝えたら、彼は映像撮影に関して、実にシンプルで良いアドバイスをくださった。これから始まる自転車旅では、文章だけでなく、映像でも体験をシェアしていきたい。
それから、ぼくは彼のプロフェッショナルな精神に胸を打たれた。1年間365日、何かしら映像に関する努力を続けていきたいと話していた。そうでもしないと、いつまでもトップに追いつけないと。
「そこそこの有名なクリエイターで満足するのではなく、映像の世界で、頂点を目指したいんです」
100%、彼の言葉を信じている。類稀な感性とセンスを持っているだけでなく、極めて真面目で、恐ろしいほどの努力家である。「たった2時間で何がわかるんだ」と言われるかもしれないが、ぼくは「人の目利き」だと自負している。これまでたくさんの人に会ってきたが、彼には「一流の人間」に共通するオーラを感じた。
だからぜひ、名前を覚えておいてほしい。
由井友彬。今はまだ無名だが、3年以内に、きっと彼は映像の世界で日本を代表するクリエイターのひとりになっているはずだ。