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高雄からの一報

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今朝、台湾第2の都市・高雄の高校で日本語を教えているジミー先生からメッセージと写真が届きました。

「先週の木曜日は卒業発表会でした。今日は彼らの卒業式です。うちの日本語学科も今日で終わります。皆に夢や経験を語って、勇気を付けてくださってありがとうございます」

2年前、ぼくが自転車で台湾を一周している途中、Facebookでぼくのブログを見つけてくれて、連絡をくれたのがジミー先生でした。流暢な日本語で驚きました。

「もしよかったら、私の学校で中村さんのこれまでの経験を話していただけませんか?」

教室に入った瞬間、大きな拍手で迎えられ、その歓迎ぶりに驚きました。

そして日本語を一生懸命理解しながら、身を乗り出して話を聞いてくれた学生たちの姿が強く印象に残っています。

日本語が苦手な子でもわかるよう、ところどころ優秀な学生がぼくの日本語を通訳してくれ、みんなに伝えてくれました。

休憩時間にはみんなが「一緒に写真撮ってください」と順番にやってきてくれました。嬉しかったです。

学生たちから質問の書いた紙をもらったのですが、日本語の字も上手で、びっくりしました(日本語の授業では、「えみ」「ひろし」など日本語名が割り振られているそう)。

 

約1時間、ぼくが自転車で旅をするようになったきっかけや、これまでの旅や挑戦を通して学んだことを、できるだけ簡単な日本語で伝えました。

「日本も台湾も、同じ島国。外の世界は広いです。ぜひ海外旅行もたくさんして、視野を広げてください。そして、心の中にある素朴な疑問と向き合うことを忘れず、自分の好きなことに挑戦してください」というメッセージで締めくくりました。

その後、先生たちと話していたのですが、台湾の学生たちは、人も良いし優しいのだけど、野心的なものには欠ける、という話を聞きました。部活も盛んではないし、大きな目標を持たずに生きている子が多いのだと。

そんな中で、夢に向かって努力する大切さや自分の好きなことを通して社会に貢献する楽しさについて話したので、学生たちにとって大変な刺激になったとおっしゃっていただけました。

ぼくのブログを読むために、わからない単語をひとつひとつ調べて勉強したノートを見せてくれた生徒のことがとても印象に残っています。

このスーナィ・チェンさん、後に日本にやってきて、横須賀に遊びに来てくれました。

横須賀市の地域情報紙「はまかぜ」で紹介しました。

思い出深い鳳山商工の日本語学科そのものが、今日の卒業式を持って終わってしまうとのこと。

残念ですが、みんなと良い交流を持てて良かったです。皆様のご活躍を願っています。

目をつぶれば、記憶は鮮やかに蘇ってきます。様々な土地で出会った人たちの表情、会話のやりとり、街の風景、すべて心の中に詰まっています。無意識はすべて覚えています。

日常と非日常は同時に存在していて、ぼくがブログを書いている瞬間、台湾では出会った人たちはそれぞれ、何かをしています。そういう想像力を、旅は育んでくれます。

想像力がある限り、離れていても、世界とつながれている気がします。インターネットが生まれる前から、きっとそうだったはずです。

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