ブログ

【第2ステージ「バカじゃないの? そんなの、無理に決まってるじゃん」】無名の大学生が「スポンサーを集めて自転車で西ヨーロッパを一周する」という夢を実現した話

投稿日:2015年11月7日 更新日:

「夏休みに、横須賀から九州まで、自転車で行くんだ」

そう話すと、Sくんは言った。

「バカじゃないの? そんなの、無理に決まってるじゃん」

「え、なんでそう言い切れるんだよ。じゃあ、Sはやったことあるのかよ?」

「あるわけないじゃん。だって無理に決まってるじゃん」

ぼくは悔しかった。なんで、やってもない人間に「無理に決まってる」なんて言われなきゃいけないのだ。

正直なところ、本当に自転車で九州まで行けるかどうかなんて、ぼくにだってわからない。やったことのないことだし、そんなに長い距離を自転車で走ったら、どこかで体力的に限界を迎えるかもしれない。でも、、だ。

やりもしないのに、できないと決めつけることだけはしたくない。たとえば、横須賀から広島までは、自転車で行けた。でも、足に限界がきてしまい、広島から先は走れなかったとする。

ぼくはそれでも構わないと思っていた。今の自分にはここまで行けて、ここから先は行けないと、具体的にわかること。悔しさはあるだろうけど、それはきっと次につながるし、とても清々しい体験のような気がしたから。

やらずに「できない」と言うのと、やってみたけど「できなかった」と言うのでは、意味が全く異なる。後者は、けっして失敗じゃない。成功への過程だ。

とにかく何事も、やってみなきゃわからない。やったことのないものに対する人間の想像や予想なんて、まったく当てにならない。だからやってみよう。これは自分の限界への挑戦だ。Sくんのおかげで、この挑戦に対する自分の気持ちが固まった。

f:id:yota1029:20151107090812j:plain

台風9号が過ぎ去り快晴に包まれた2009年8月12日、ぼくは両親に見送られ、横須賀を出発した。スタートのペダルを踏み出した瞬間、言葉を失った。(お、重い…)
後輪に付けた荷物が重くて、ハンドル操作に力がいる。両親に手を振り返すも、自転車は右に左にふらふらと揺れる。

「こんな状態で無事に九州まで辿り着けるだろうか」
「そもそも箱根の山を登り切れるのだろうか…」

不安は山積み。しかし後には引き返せない。頭にSくんの顔が浮かんだ。

「ほらみろ! だから無理に決まってるって言ったじゃん。やらなくてもわかるじゃん」

ダメだダメだダメだ! 絶対にそんなこと言われたくない。

「見てろよS、ぼくはなんとしても九州まで行ってやるんだからな」

こうして、ツール・ド・西日本が幕を開けた。

 

-ブログ

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

山形県酒田市 年に一度の「雪中歌舞伎」を鑑賞

山形県の酒田は、北前船によって繁栄した港町だ。 江戸時代は、現在のように道路が整備されていなかったから、大量の魚や米は、日本海や北海道の港から、江戸や大阪へ船で運ばれていた。 まだまだ航路が整っていな …

飢え

いま、ぼくの頭の中は月末に控える「ツール・ド・九州」のことでいっぱいです。 「この町が面白そうだから、どうにか立ち寄れないか」 「ここの道路は路面が凍結している可能性があるから、万が一に備えて鉄道が通 …

H型の人材だった吉田松陰

決意は行動を変える。 電車の中で、ほとんどスマホを見なくなった。代わりに本を読んでいる。 今は『世に棲む日日』という作品。主人公は、吉田松陰。 松陰がこの時代に生きていて、同世代だったとしたら、きっと …

【不安】電車内は、スマホでゲームしている人ばかり

電車に乗ると、子供から大人(シニアに近い方も!)まで、本当に多くの方がスマホでゲームをしている光景を目にする。 ぼくも人並みにゲームをして育ってきたし、ゲーム業界で働く友人も大好きだし、何も否定するつ …

司馬遼太郎さんが与えてくれた視点

『項羽と劉邦』も、中巻を読み終え、ようやく下巻。これは、初めて中国大陸を統一した秦の始皇帝が死んだ後、劉邦が項羽を破り、漢帝国を成立させるまでの話です。 ぼくは地名が出るたび、それが中国大陸のどこなの …