淡くて、優しい光。なんてことないはずの風景に、まるで命が吹き込まれているような。はじめて見る写真なのに、なんだか懐かしい。
写真家おのしのさんの作品をInstagram(フォロワー数は2万6000人以上)で偶然見つけたとき、 自分の感性が強く揺さぶられました。
「これだ、この写真だ!」
正直、写真のことには詳しくないし、良し悪しはわかりません。でも、きっとアートはすべての人に開かれているはずで、「この写真好きだ」と感じたなら、それでいいじゃないですか。これまで色んな写真を見てきたなかで、しのさんの写真には強く惹かれるものがありました。
その写真を見た瞬間、連絡を取ってしまいました。共通の知り合いもいないし、歳も離れた方でした(実は干支が同じです)が、好奇心が勝り、ためらいはありませんでした。
しのさんのことについて事前に調べようと思っても、インタビュー記事もないし、自身のサイトくらいしか存在しません。
プロフィール欄には、
「ピアノ、ブランクを経てバイオリンも再開。箏は母や師範の祖母から。好きなものにはとことんのめり込むけれど、それ以外では飽きっぽい。至福は美味しいものを食べている時。欠かせないのは音楽。車の運転も好き」
こ、これだけ・・・(愕然) 情報が少なく、色々と謎に包まれていました。ミステリアス。
そしてついに今日、二子玉川でお会いすることができました。
ご自身の写真はほとんどアップされていませんが、ひと回りも違うのに、年齢を感じさせない若さ。昔とある人気テレビ番組に出演していたほどの、美人ママさんでした。
写真を仕事にされてから、まだ3年ほどしか経っていないとのことで、驚きました。Instagramを5年くらい前からやっていて、その後別のサイトにも趣味で写真を載せていたら、「うちの若手を撮ってみないか」と事務所の方から声がかかったそうで、そこから徐々に仕事になっていったそうです。
今は仕事であちこちに飛び回るほか、個人としてもプロフィール写真撮影やアーティスト、ライブ、演奏会の撮影などを行っています。
音楽CDのジャケット写真にも使われています。
「ぼくも今度プロフィール写真撮ってほしいです!」
と言ったら、
「あ、今日カメラ持ってくればよかったですね〜。ちょっとiPhone貸してください」
と言ってカメラを構え、
「今日朝ごはん食べました?」
「え? 朝ごはん? 食べまし」
た、のタイミングでパシャり。なるほど~。
至福だったのは、ぼくがこれまでに撮影した写真をひたすら見せて、感想やアドバイスをいただくという時間でした 。
「もう少し手前の影を入れたかったですね。走ってきた様子が伝わります」
Nakamura Yota 中村 洋太さん(@yota1029)が投稿した写真 –
「これいいですねー!私好きです」
「この枝は中途半端だから入れない方がいいです」
など、プロの方に直接言っていただける機会なんてそうそうないので、とても嬉しかったです。夢中になってひたすら写真を見せているうちに、
「中村さん、もっと写真撮ってくださいよ。感性が良いです。今度一緒に撮影行きましょう」
「いいんですか!?」
人は同じものを見て、違うことを考える。とは誰の言葉だったでしょうか。写真もきっとそうでしょう。同じものを見ても、どこを切り取るかは、人それぞれ異なるはずです。写真を撮り合い、お互いの撮ったものを見せあったとき、どんな感性の違いが現れるのか、単純にそれを見てみたいです。
嬉しい言葉をいただき、再び、写真に興味が湧いてきました。しのさん、ありがとうございました!
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