ビジネスのメモ帳

読書感想文を10万円で買い取ってくれるサービスが登場

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チャットで旅行を提案してくれる「ズボラ旅」といい、ここ最近ユニークなサービスが目に止まります。

先週登場したのは、「読書感想文、買います。」というウェブサイト。管理人の山田裕希さんは読書感想文を募集しており、優秀な作品は5000円から10万円で買い取るとのこと。

応募条件は、「日本語で書かれた現在入手不可能な本であること」「2000文字以上の文章」など。

現在入手不可能な本、というのが少しハードルが高いかもしれません。ぼくだったら、1988年に出版されたアラン・ブースの『ニッポン縦断日記』を選ぶかな。

過去に徒歩で日本縦断をした人間がどのくらいいるのか、以前ネットで調べていたところ、気になる人物を見つけました。アラン・ブースというイギリス人が、1977年に約4ヶ月かけて日本を縦断したというのです。

ロンドン生まれのアラン・ブースさんは、1970年に来日し、早稲田大学英文科で教鞭を執った後、新聞や雑誌に日本の伝統芸能についてコラムを執筆するなど、作家として活動しました。

彼の壮大な旅は、『THE ROADS TO SATA』(SATAは鹿児島県佐多岬のこと)という英語本として出版され、1988年に翻訳されて『ニッポン縦断日記』という本になりました。

今はもう絶版になっているのですが、クチコミを読んでいると、「復刻してほしい」「私のバイブルです」などの声が多くあり、いったいどんな本なのだろうと気になりました。

「外国人の目」というフィルターを通して描かれた1977年のニッポンは、どのような色彩と輝きに満ちているのだろう、と。

無性に読みたくなり、図書館で本を借りて読みました。その本は、本当におもしろかった。・・・

と、この辺でやめておきますが、サイトを作った山田さんは、ビジネスとして成り立つかは考えず、「素敵な読書感想文が集まったら、きっと素敵なことが起きるんじゃないか」という思いだけで進めているとのこと。

テレビでも取り上げられていたし、このチャレンジがきっかけで山田さんの名前は多くの人に知られました。サービスの良し悪しだけでは測れない価値があります。

おもしろいと思ったら、あれこれ考える前に、まずやってみる。この姿勢はとても大切ですよね。

友人の東園絵さんが始めたウナギトラベルというサービスも、「ぬいぐるみのための旅行代理店」というコンセプトで始めてみたら、

「病気で旅行できない私の代わりに、自分の大切なぬいぐるみを預けたい」
「まずはぬいぐるみの旅で日本を下見したい」

など、当初は考えてもいなかったようなニーズを見つけることができたそうです。

良いサービスの多くは、最初のコンセプトや箱だけ用意してあげたら、あとはユーザーが育ててくれるものだと思っています。このようなチャレンジがもっと増えてほしいです。

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