ミレニアル世代(1980年代から2000年代初頭までに生まれた世代)の心を鷲掴みにしているのが、「ライフスタイル系」と呼ばれるホテルです。
その代表格は、シアトルで生まれたエースホテル(Ace Hotel)。古い建築をリノベーションし、地域のクリエイターたちとコラボしながら独自の世界観を作ることによって多くの観光客を引き寄せています。
開放感のあるロビーは宿泊客でなくとも利用することができ、その多くの利用者がInstagramなどで投稿してくれるので、ホテル側にとっても「無料で」大きな広告効果が得られているといいます。
現在はポートランドやシカゴ、ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドンなど世界9カ所に構えていますが、2019年には京都に進出することが決まっており、大注目されています。
設計は世界的建築家の隈研吾さんです。既にイメージ図が公開されていますが、一体どんなホテルになるのか、とても楽しみです。
(参考)米エースホテルが日本上陸、隈研吾監修で京都「新風館」跡地に
このエースホテルが現在のホテルトレンドに大きな影響を及ぼしていて、日本国内では渋谷にできた「TRUNK」や「hotel koe tokyo」などもライフスタイル系ホテルの流れを汲むものです。
「HOTEL SHE」を生み出した現役東大生のホテルプロデューサー龍崎翔子さんも、「現在ホテルプロデュースに関わる人は、好むと好まざるとエースホテルのことを意識しているし、間違いなくその影響を受けている」と話しています。
2018年1月、ひと足先に中国・深センに誕生して話題になっている無印良品の「MUJI HOTEL」も、2019年に銀座で開業します。地下1階から6階の一部が店舗、6階の一部から10階がホテルとなり、世界旗艦店となります。
(参考)「MUJI HOTEL」が銀座に2019年春オープン。「無印良品」の家具やアメニティグッズがそろうホテル
他にも「WIRED HOTEL」など、独自の世界観を持っている大手ブランドが、自分たちの提案するライフスタイルをホテルに落とし込んでいて、ホテルそのものがメディアのような役割を果たすようになりました。