昨夜ロシアより帰国しました。滞在中、テレ朝のニュースにも少しだけ映りました。
家に帰ってすぐポーランド戦が始まり、日本の決勝トーナメント進出の瞬間を見届けることができました。本当に良かったです。
現地からほとんどブログを更新できませんでしたが、朝日新聞社の「DANRO」というメディアに以下3つの記事を寄稿しました。
日本に負けても陽気に踊る!コロンビアの明るいサポーターたち(6月21日)
モスクワ「赤の広場」 日本人の女子大生が「華麗なリフティング」で注目あびる(6月24日)
セネガル戦の街の「メイド喫茶」 親日のロシア女子が「おかえりなさいませ!」(6月28日)
「W杯の舞台裏」というテーマで書きました。お読みいただけたら嬉しいです。
目次
ロシアへ行きたくなかった
さて、今回のロシアW杯の旅。正直に言えば、渡航直前までぼくのテンションはとても低かったです。
日本代表がしばらく迷走していて、「これじゃあW杯で勝てないだろう」と思っていたのが理由のひとつ。そしてもうひとつは、旅費が思った以上にかかってしまったこと。
普段オフシーズンで安く海外旅行している自分にとって、イベント時の海外、それもW杯という超ピークシーズンでの海外旅行は初めてで、航空券もホテルも高騰していました。
イルクーツク経由のS7航空を利用したり、色々と工夫はしましたが、それでも試合が行われたのがサランスクやエカテリンブルクといったモスクワから遠く離れた土地だったので、長距離列車や国内線を利用せざるを得ず、やはり旅費でかなりかかってしまいました。
当初は試合のチケットが取れて手放しで喜んでいたのですが、手配のフェーズで煩雑さと旅費の高さに愕然としました。
それに、予約の確認メールなどがいちいちロシア語(キリル文字)で、翻訳しないと何が書いてあるのかわからず、いちいち不安になりました。現地でも英語が全然通じないのでは、、、と。
「大人しくテレビで試合を観ていた方が良かったな。浮いたお金でアジアなら1ヶ月間くらい旅行できそうだし」
と、本気で思いました。
でももう全部予約してしまったから、後には引けません。子どもの頃から憧れていたW杯。せっかく行くからには全力で楽しもうという気持ちでロシアに入りました。
全てを吹き飛ばしたコロンビア戦
イルクーツク経由でモスクワまで約12時間、さらに鉄道で10時間かけて、ようやくコロンビア戦の行われるサランスクに到着。その際の様子は上記記事でも書きましたが、日本代表の奇跡的な勝利がこの長旅の疲れや様々な不安を吹き飛ばしてくれました。
結果的にグループHを1位通過したのはコロンビアでした。試合開始直後の相手の退場で数的優位だったとはいえ、ここに勝ち切れたことは本当に大きかったです。
セネガル戦に対しても希望が持てたし、気分的にロシアの旅が一気に楽しくなりました。
次の試合までは、モスクワで3連泊。たまたま取った宿の立地が良く、毎日15時から、宿の近くのバーでひたすら他国の試合観戦をしていました。リアルタイムで、世界のサッカーファンたちと一緒にサッカーを観る。この体験は本当に素晴らしかったです。スタジアムで試合を観るだけがW杯ではありません。
同じ宿にいたブラジル人女性に「どこの試合チケットを取ったの?」と聞くと、「チケットは高くて買えなかったわ。バーで応援するのよ」と話していたので驚きました。「いや、飛行機のが全然高いでしょう」と突っ込みたくなりました。
飛行機を取るお金はあったのに、試合のチケットは買わなかった。日本人でそんな人はなかなかいないと思います。せっかく現地まで来たら、試合を観たい。逆に試合を生で観られないなら、わざわざロシアまでは行かないでしょう。「それでも現地まで来ちゃうのがブラジル人なんだな」と思いました。
また必ず、ロシアを訪れたい
サランスクやエカテリンブルクでは現地の方々との良い出会いがありました。3試合目のポーランド戦が行われたヴォルゴグラードへは行かずに帰国しましたが、結果的に良い2試合を観戦できたことになります。
そして滞在の拠点となったモスクワも非常に良い街でした。文字の読めないことにより地下鉄の乗り間違えをしたり、不便なこともありましたが、総じてロシアは思っていた以上に素晴らしかった。街並みも美しい。
自分の中では、ロシアには「閉鎖的な国」というイメージがあり、ややネガティブな印象を持っていました。しかし、未知だったからこそ、蓋を開けたときの驚きも大きかったです。
とくに食事面。きっとロシア料理はおいしくないんだろうなと勝手な想像をしていましたが、何を食べてもハズレなし。日本人の口にとても合う料理だなと感じました。
あとはモスクワの地下鉄のホームが非常に深い場所にあり、そこに地下宮殿のような美しい世界が広がっていたのもビックリしました。駅よって装飾が異なり、ホーム自体が観光名所のひとつになっているようでした。
今回残念だったのは、帝都サンクト・ペテルブルクを訪問できなかったこと。しかしそれは、またロシアを訪れる理由ができた、ということでもあります。訪問前後でまるっきりイメージが変わり、ロシアはお気に入りの国のひとつになりました。
ビザなしで旅行できればいいのにな〜と切に思います。でもわざわざビザを取得して訪れる価値があることを、今ははっきりと言えます。
そしてW杯は最高のお祭りでした。世界中から注目が集まり、観光客が訪れるという意味では東京オリンピックと重なる部分も強く、セキュリティ対策や観光客を迎え入れる態勢など、様々なものをこの目で見て、自分にとっても良いシミュレーションになりました。
しばらく海外旅行の予定はありませんが、夏バテに負けず東京で仕事を頑張りたいと思います。