江戸初期に総合芸術家として活躍した大名茶人・小堀遠州は、将軍徳川家の茶道指南役だった人物です。
少年時代の小堀遠州が千利休と出会ってから3年後、利休は秀吉の朝鮮出兵に反対して秀吉の怒りをかい、切腹しました。利休亡き後、遠州はお茶の世界の第一人者になった古田織部の門人になりました。
「わび」といわれる静かな、ひっそりとした中に「美」と強さを求めた利休の「わび茶」に対して、織部は、格式を大事にする茶の世界を求めました。動きの中に「美」を求め、茶碗も好んで歪みをつけました。遠州はその二人の異なる茶道を学び、受け継ぎながらも、「綺麗さび」といわれる茶道「遠州流」を創り出しました。
小堀優子さんは、遠州流13代家元の娘にあたります。大学から始めたラクロスでは、日本代表としてW杯に出場するまでに。現在も週末にクラブチームでプレーする傍ら、平日は茶道の普及活動に励まれています。昨年は世界初となる茶道のドキュメンタリー映画『父は家元』に出演、ナレーションを担当。茶道を通した縦横無尽な活躍から目が離せません。
小堀さんと知り合ったおかげで、家康や千利休など、偉人たちの存在が急に身近に感じられるようになりました。
さて、今日は護国寺で、茶道体験が楽しめるということで行ってきました。重要文化財の月光殿や茶室など、通常入ることのできない場所も住職さんがご案内してくださいました。護国寺は1681年に5代将軍綱吉とその母・桂昌院によって建立されたお寺で、将軍家の武運長久を祈る祈願寺となりました。
気になる茶道体験では、外国人のゲストもいたので、小堀さんの解説を通訳の方が英語で説明していました。インバウンド事業にも関心があるので、実に興味深く彼らの反応を見ていました。「日本文化を英語で説明できる人」の需要は今後さらに増しそうです。
朝からとても有意義な時間になりました。小堀さん、ありがとうございました!
・小堀優子さんブログ