何度も読み返したい日記

情報は発信する人に集まる

投稿日:

自分が好きなことや興味のあることを発信したり、どんな人間であるかを表明することは、自分にとっても相手にとっても有益なこと。直接の会話で伝えてもいいし、ブログやSNSでもいい。

「これが好き」と言えば、関連する情報をくれる人が現れ、「ヨガがやりたい」と言えば、ヨガに誘ってくれる人が現れるもの。

数年前に、仕事でメキシコのオアハカという街について3000字程度の記事を書くことになり、情報集めに困っていた。そこでFacebookで、「メキシコのオアハカという街について原稿を書いている」と試しに投稿してみたら、知り合いの方が「洋太君の投稿を見てビックリしました! 実は偶然オアハカ在住の日本人の方と知り合ったばかりなんです」と連絡をくださり、現地在住の方から貴重な情報をいただくことができた。

また昨年は、撮影したポートレート写真をInstagramにたくさん投稿していたら、知らないモデルの方から「中村さんの写真がすごく好きなので、私を撮っていただけませんか?」とメッセージをいただき、撮影することになった。

「引き寄せる力」というのは確かに存在する。物事を引き寄せるのに難しいことは必要なく、ただ、自分の好きなことや、やりたいことを表明するだけでいい。

以前、「日本は世界で一番食べ物を捨てている国」いう話を聞いた。日本で生活していると、なかなか想像しづらいが、世界には飢えで苦しんでいる人がたくさんいる。世界の中で、必要な食糧が必要な分だけ分配されたとき、どれだけの命が助かるんだろうと考えたことがある。

無駄のない生産的な世の中にするためには、何かを持っている人と、何かを求めている人をマッチングさせる必要がある。極端かもしれないが、自分が好きなことや得意なこと、できること、やりたいことを発信することは、その理想の世界への第一歩ではないかと思っている。

「ここに余っている食糧があるよ」というオープンなひと声で、何かが変わる可能性がある。TwitterやFacebookで誰もが発信できるこの時代ならではのことだ。発信は人を助けることに繋がる。

また、素晴らしい技術や、隠れたすごい才能を持っている人なのに、発信するのが苦手なために、適正な評価をされていない人もいる。良いものを持っているのに、もったいない。赤塚不二夫さんが当時無名だったタモリさんを国民的タレントへと押し上げたように、誰かがその才能に気付き、引き上げてあげてあげればいいのだけど、残念ながら、全ての人がそううまくいくわけではない。引き上げ役が、圧倒的に足りていないからだ。

だから今は、ひとりひとりに発信力が求められる時代。些細なことでもいいから、好きなことや興味のあることを表明する人が増えたらなと思う。

たとえば、靴が大好きな人は、靴のことばかり発信してほしい。正直、見ている人の中には、「また靴の話かよ」と思う人もいるかもしれない。だけど、いざ靴について何か情報を欲しいときに、頼りにしたいのはやはりその人ではないだろうか。ワインについて知りたいときも、いつもワインの写真をアップしている人に聞いてみたくなる。そうすると、聞く人も得をするし、聞かれた人も貢献感が得られて嬉しくなる。人間ってそういうものだ。

そしてそういう人のところに、靴やワインに関する新たな情報が集まってくる。豊かなサイクルが生まれる。

より楽しく、より自由で、より生産的な世界の構築のために、好きなことを発信する人が増えてほしい。これも、どれだけ言葉で説明してもわかってもらえないから、自分の行動を通して示していきたいと思い、ぼくは何年も前から発信を続けている。ひとりひとりが自分の人間性を浮き彫りにさせることで、世界はよりシンプルになっていくはずだ。

-何度も読み返したい日記

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

才能は悔しさの中にある

「悔しさを感じろ」と言われたときに、すごく違和感を覚えた。 やること全てに対して悔しさを感じられる人はすごいなあと思うけど、ぼくはそうじゃない。負けたり、失敗しても、悔しさを感じないことがある。そうい …

危険な道

久しぶりに、ここ最近の心境を文章にしてみよう、という気持ちが生まれた。こうして言葉にするのは初めてだけど、ぼくの中では大きな変化があった。 1ヶ月くらい前か、先の見えない状況に、精神的にドン底にいた期 …

失敗の価値

ヨーロッパ自転車旅から帰ってきてから5年、これまで何人もの人に「私も協賛を集めて○○したいのですが、どのように集めたのでしょうか」と聞かれました。やり方なんて、決まったものがあるわけでもないし、挑戦す …

文章に、自分の芸術、美しさを投影したい

「洋太さんと話していると、写真家の方と話しているような感じなんです」 愛那ちゃんの言葉に意表を突かれたのは、「自分はどんな分野であれば、プロ意識を持てるのか。それがわからず悩んでいる」と打ち明けたとき …

もうちょっとできると思っていた

大手外資系企業に勤めていた仲の良い友人が、数年前に会社を辞めて、ひとりで事業を始めた。素晴らしく優秀で、ガッツのある男だった。 それからしばらく経って、久しぶりに会ったときに、 「ひとりで仕事を始めて …