再スタートを切った。
ツール・ド・ヨーロッパ
第35ステージ
ニース~モナコ~ヴェンティミーリア~ジェノヴァ
50km
ニースの街は、遠くから眺めると更に綺麗だ。
地中海沿いにひたすら走る。
あまり速く走れなかったのは、事故を恐れて少し臆病になってしまったということもあるが、それ以上に、景色が綺麗過ぎたからだ。少し走っては写真を撮っていた。
ニースにいただけではわからない。これが南フランスの魅力か。
次から次へと鷲の巣村が姿を現す。どれも違う表情を持っていて、新しい村を見る度に「うわっ」と声を漏らしてしまう。
なんという絶壁。この岩の上にも家があった・・・。
自然のトンネル。
こんなので大丈夫なんだろうか。地震の多い日本では無理だな。
そしてニースから自転車を漕ぐこと約1時間。
モナコに到着した。小さいが、モナコ公国という国だ。とにかくモナコはセレブばかり。途端に高級車が増える。フィアットを見ると少し落ち着く。
高い場所に登ると、市街地を一望できた。なんとゴージャスな街だ。
ハリウッド女優のような綺麗なセレブもたくさん。もっとこの街をゆっくり見たいが、なんせこの国は物価が高い。とても泊まれないし、カフェですら入るのにビクビクしてしまいそうだ。コーラ一杯700円。って飲めるか!!
しかし、モナコに来たからにはやることがある。モナコと言えば、F1じゃないか。
ということで、夢のF1コースを走ってきた。
(頭の中ではF1の音楽が鳴っている)
縁石の色が素晴らしい。
ヘアピンカーブを曲り、
そこを右に曲がると、
出たー!トンネル!
もはや世界一有名なトンネルと言っても過言ではない。
時速20kmしか出てないのに、
頭の中では
F1の通り過ぎる音が聴こえる。
そしてゴール。
満足♪( ´▽`)
モナコGP最高。
モナコを後にした。再び海沿いを走る。電車の時間があったのでここからは急ぎ足。
国境前最後の街、マントンを通り過ぎる。これまたすごい景色だった。
そして国境。
ついにイタリアに入った。待ち望んだパスタ大国。
イタリア側最初の街、ヴェンティミーリアに到着。
電車出発の15分前に到着。なんとか間に合ったーと思ったら、切符売り場が大渋滞。これがヨーロッパの鉄道の悪い所である。
自動券売機は、2台しかない(しかも1台は故障中)。窓口は4ヶ所あるのに2ヶ所しか人がいなくて、当然切符を買い求める人で行列が出来ている。結局チケットを買うのに40分もかかり、目の前にいた電車に乗れなかった。次の電車は2時間後・・・こんなに悔しいことはない。
しかし、すぐに頭を切り替えて「まあこれもこの街との縁だろう」と思い、街をブラブラしてきた。「何かが出来ない」ということは、「何かが出来る」ということである。物事は全て一長一短なのだ。
案の定、このヴェンティミーリアもなかなか美しい街だった。お昼を食べていなかったのでカフェで小さなパンを食べた。パスタは夜に取っておこう。カフェには猫が遊びにやってきた。
イタリア語の音がぼくは好きだ。全てに母音がくっ付いているので、日本人には親しみやすい発音だ。意味はわからないが、音だけなら駅のアナウンスも聴き取れる。
ぼくはニューシネマパラダイスというイタリア映画が好きなので、カフェで聞こえる隣の人たちの会話でさえも映画のワンシーンのように思えた。
港町ジェノヴァへやってきた。ジェノヴェーゼという、バジルソースのパスタの発祥の地である。
本場で食べた。安くておいしかった。
レストランで食べていると、外は雷と大雨で大変だった。停電も起きた。こんな土砂降り、日本でも滅多にない。明日もこんな天気だったら、自転車はおろか外に出ることさえもできない。回復を願う。
肩の怪我は走行中はまったく問題なかったが、逆に寝ている時に傷口が開いて痛みがぶり返してきてしまった。本当に痛い。
ちなみに、ヴェンティミーリアからジェノヴァ辺りにかけての地中海沿いの地域は、『イタリアンリヴィエラ』と呼ばれている。海のすぐ側を走る電車からの景色は最高だった。美しい町が多く、鉄道での旅が好きな人にはお勧めだ。
あまり日本人が観光で来ないイタリアの街々を紹介したい。