Nakamura Yota

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東田ドライの「おせっかい」に全国から注文殺到。宅配クリーニング「リナビス」がすごい!

   

クリーニング店の危機

昨日の「カンブリア宮殿」を観て感動してしまったので、ご紹介します。

兵庫県西脇市の東田ドライというクリーニング店があります。創業は1963年。現社長のお父さんが作った会社でした。

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現社長・東田勇一さんは21歳のときに入社し、20代後半で経営に関わるのですが、どちらかというと経営よりも技術の向上を優先させました。きめ細やかなサービスで信頼され、一時は兵庫県で12店舗を構えるまで成長しました。

しかし、そこから逆風が。ユニクロなどファストファッションの台頭で、2000円、3000円で買える服を、わざわざそれと同じくらいの金額でクリーニングするという人は減ってきました。

さらに家庭用洗濯機の進化が拍車をかけ、多くのクリーニング店が閉店していきました。

1992年をピークに年間のクリーニング支出は減少していて、所得が少ない状況では、衣食住にかける費用でクリーニングが一番最初に削られがちだといいます。

東田ドライの経営も大きく悪化していました。

転機が訪れたのは、2012年。現社長の息子である東田伸哉さん(現専務)が21歳で入社してきたことでした。

新婚旅行がきっかけで、経営改革に

入社1年目は、下積みとして様々な仕事を覚えました。ちょうどその時期、新婚旅行で南の島へ行きます。この体験がとても素晴らしく、ふと、「またこういう旅行をしたいけど、結構お金かかったよな。うちの会社、経営どんな感じなんだろう」と思ったそう。

初めて会社の経営状態が気になり、帰国してから決算報告書を確認しました。すると、当時は10店舗で年間1億5200万円を売上でしたが、トータルでは800万円を超える大赤字だったのです。

誰かが悪いことをしてお金がないのではなく、全員が真っ当に働いているのに赤字であることに、伸哉さんは危機感を感じたといいます。

「若さゆえの根拠のない自信だった」

と後に伸哉さんは振り返りますが、このとき入社2年目にして、朝礼で従業員に「これから先は、私が経営をやります」と宣言しました。社長は「腹が立った」と言いますが、しかし東田ドライの快進撃はここから始まりました。

宅配クリーニング「リナビス」を立ち上げる

伸哉さんが目を付けたのは、ネットで注文する宅配クリーニングでした。

「リナビス」というサービスを立ち上げましたが、当初は注文はさっぱりきません。伸哉さんは会社を見つめ直し、アピールポイントを探しました。

ある日、従業員がボタンつけをしている光景を見たとき、「おせっかい」なサービスこそがうちの最大のウリだとし、ホームページで職人の技術力やおばちゃんたちのきめ細やかなサービスをアピールしたところ、注文は爆発的に増えます。

月ごとに4倍5倍となり、今度は受注過多で対応が困難に。

倉庫には洗濯物が溢れ、呆然と立ち尽くす伸哉さん。「どうしよう・・・」

しかし、その時に心強かったのはベテランの従業員たちでした。

「心配せんでええ、昔はこのくらいやってた」

自ら残業を買って出て、大量の洗濯物を洗い上げます。専務も従業員10人を採用し、危機を乗り切りました。

最大の武器は「おせっかい」

今では従業員は3倍になり、売上は一気に8億円に届くまでに。店舗も残っていますが、売上の8割はネットの宅配クリーニング。スタートから4年で会員は4万8000人。全国各地から衣類がぎっしり届きます。その数、1日3000着。

倉庫ではまずデータ入力で管理し、20人で検品。ニットの毛玉取りも無料、ボタンつけ直しも無料。これらのことを、頼まれてもいないのにやってしまうのが東田ドライの「おせっかい」。

穴が空いているものなど対応しきれないものは縫製職人の修繕チームが修繕します。裾のほつれ直しも無料で修繕。従業員は「見たらほっとけない人」たちの集まり。毎朝午前2時に、社長が自らシミ抜きをしています。1日300着のシミ抜き。溶剤は10種類を使い分け、この技術で社長の右に出るものはいないといいます。

送料無料。しかも衣類を6ヶ月間、無料で保管

ある女性が「リナビス」で利用したのは、衣類10点で10800円のコースでした。ブランド物のコートなどは通常高くなるため、他店では3万円はかかるような内容だそう。

頼んでいないのにシミ抜きされ、有名ブランドのダウンジャケットはファーがキレイになっていて、マフラーのタグも縫い直されていました。ダンボールの片隅には、スーツに入れっぱなしだったハンカチが綺麗に戻されています。利用者は感激。

送料が無料なうえに、衣類を無料で6ヶ月間保管してくれるサービスもあり、これが大人気。次の季節まで預かってくれるので、クローゼットはスッキリします。

職人気質の父と、古いやり方にとらわれず、新たなサービスを生み出した息子。家族経営の素晴らしい形を見ました。

多くの人にとって参考になる話だと感じました。それにしても、20代前半から経営に携わり、大きな改革を断行してしまう伸哉さんの活躍ぶりにワクワクさせられました。

東田ドライの「リナビス」、覚えておきたいサービスです。



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