Run to Infinity

by Yota Nakamura /// 中村洋太の挑戦と発信のブログ

16歳の中国人が、イチローも通う寿司の名店でご馳走してくれた話

      2017/05/27

はあちゅうさんが、こんなことを言っていた。

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うまい言葉だなと思った。ぼくも昔から、まさに「多所属で無所属」だった。学校でも部活でも会社でも、いろんなグループがある。その様々なグループを自由に出入りし、かつ所属しない状態を保ちながら生きてきた。群れたり、みんなと一緒に何かをするというのが苦手だから、それが一番自分に合う生き方だった。

そうやって過ごすことによるデメリットももちろんあるけど、メリットもたくさんある。そのひとつは、基本的に誰とでもすぐに友達になれる能力が身についたことだ。

それはアメリカの語学学校でも同じだった。ぼくがサンディエゴで通っている学校には、中国人のグループがある。クラスでは、「中国人VSその他の国籍」という対立が生まれている。20歳前後の中国人の生徒たちは、自主的に学校に来ているような生徒がおらず、みんな授業中にイヤホンをしてスマホでゲームをしたり、YouTubeを見たりしている。そして先生の会話も遮って中国語で会話をするから、他の生徒たちからかなり煙たがられている。

しかし、ぼくは日本人だからなのか、それとも自分の性格がそうさせるのかわからないけど、人間関係では常に中立を保とうとする。

真面目に授業を聞いているし、コミュニケーションも取るので、欧米人たちはもちろんぼくにフレンドリーに接してくれる。最近ではブラジル人とサウジアラビア人の友達ができた。「顔の区別はつかないけど、中国人はうるさくて、日本人はナイスだよな」って。

だけど、誰もが距離を置いていて、かつ孤立している中国人の生徒たちも、ぼくには心を開いてくれるようになった。なんだろう、確かに「真面目に授業聞けよ」とは思うけど、彼らが「悪」なわけではなくて、国民性とか、そうなってしまう背景には様々な事情があるわけで、きっとぼくも中国に生まれて同じような立場でいたら、同じような行動をしてしまうのだろう。そう思うと、不思議と彼らにも愛着が湧いてくる。

彼らは絶対に他の国の人たちに話しかけたりしないから、こちらから積極的に話しかけた。「その靴、かっこいいね」とか、「これは中国語で何ていうの?」とか、「何食べてるの?」とか、「ぼくはあなたたちを好意的に見ていますよ」という態度を示しているうちに、徐々に彼らもぼくに心を開いてくれるようになった。

そのうち、ひとりの友達ができた。ティンハオという中国人だ。

彼もまた、ろくに授業を聞かない問題児だったが、最近は少し、ほんの少しだけど、良い方向に変わってきた。授業中に抜け出してどこかへ行ってしまうことも減ってきた。

彼とFacebookで友達になってから、翻訳機を使って、ぼくの投稿に日本語でコメントをくれるようになった。

そのティンハオが2日前の夜に、「明日の授業が終わったら、ランチに寿司を食べませんか?」と片言の英語でメッセージしてきた。学校の近くに、手軽にランチを食べられるお寿司屋さんがあるので、そこへ行きたいのかなと思った。彼から声をかけてくるなんて珍しいし、「いいよ、行こう」と返信した。

そして昨日の授業後、「よし、ティンハオ行こうか」と言うと、

「Uber(車)で行きましょう」と言う。

歩いても行ける距離なのに、なんでUberなんだろうと思ったけど、彼に任せることにした。そして車に乗り込むと、高速道路に入っていった。いったい、どこへ行くんだろう?

20分ほどして、目的地に着いたらしい。車を降りると、立派なお寿司屋さんがあった。

「え、ここなの? こんなに高いお店、ぼく無理だよ!」

そこは、口コミサイトの「トリップアドバイザー」で、サンディエゴにあるお寿司屋さん全194件中1位のお店「寿司太田」だった。イチローが遠征でサンディエゴに来る際は、必ず訪れる店だという。

「Don’t worry. お金は心配しないで」

お寿司はもちろん、おいしかった。スペイン産のまぐろの中トロ? は絶品だった。

サービスも良かった。金額も良かった(笑)

スーパーに行くと、普通の玉ねぎにするかオーガニックの玉ねぎにするか、数十セントの差でさえ悩んでしまうぼくには、とても考えられる金額ではなかった。「食べたいものを食べて」と言われても、安めの巻物を頼んでしったり、無意識にセーブをかけてしまう。それでも、決して安くはないのだけど・・・。

だけど、お寿司の味も吹っ飛びそうになるほど驚いたことがある。

「そういえばティンハオは何歳なの?」

「16歳」

「え?」

「16歳だよ」

だと…。

What happened!?

つまり、世界は広いってことだ。このアメリカ滞在は、良い意味で、ぼくの価値観を壊してくれる。お父さんは中国で二つの会社を経営しているそうだ。いずれそこで働くことになるだろう、と話していた。

今は家賃30万円の家に暮らしていて、学校までは毎日ドライバーが送ってくれるらしい。まるで漫画の世界だ。

その後、近くのスタバへ行き、しばらく話していた。

「AKB48が好きだから、日本に行きたい。秋葉原。今年の秋に行こうと思ってる」

聞けば、まだ中国とアメリカ以外の国には行ったことがないそうだ。

「OK。そしたら、東京を案内するから、来るときは絶対連絡してな」

「Thank you Yota-san! You are good Japanese friend」

16歳とわかって、たどたどしい英語が途端にかわいく思えてきた。彼にとってぼくは、もしかしたらサンディエゴで初めてできた中国人以外の友達なのかもしれない。

それ以降、

「今度は中華料理を食べよう」

「一緒にロサンゼルスへ行きたい」

と頻繁にメールを送ってきてくれる。「ホームステイの家族とトラブルがあった!」と突然電話をしてきたり。家族もいない異国の地で、寂しいのかもしれない。だって16歳だもんなあ。

だけど、こういう思わぬ交流が生まれたのは、ニュートラルな視点で人を見られたからだと思う。「もしも自分がその国で生まれていたら」と想像すると、大体のことには寛容になれる。

対立は何も生まない。広い心で人と接することが大切だ。日本人、中国人以前に、同じ人間なのだから。

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