ハンバーガー大国アメリカ。バーガーチェーンといえば、バーガーキングでもなく、ウェンディーズでもなく、やはりマクドナルドを思い浮かべてしまうが、ことカリフォルニア州においては事情が異なるようだ。
サンディエゴの街のいたるところでマクドナルドを見かけるが、どこもあまり混んでいない。というか、かなり空いている。東京の店舗ではいつも混んでいるのに。
また、近年東京でも話題になっている「高級バーガー」のお店も、もちろんカリフォルニアにはたくさんある。素材に超こだわった、おいしいハンバーガー。でも値段は1000円前後と高い。
いったい、ハンバーガー好きの庶民たちはどこで食べているのだ!?
その答えが、アメリカ人との会話の中にあった。二人のアメリカ人女性と車に乗っていたときのこと(ぼくは黙って二人のやりとりを聞いていた)。
「お腹すいた〜。お昼食べてなくて」(うむ)
「ハンバーガーでも食べる?」(お、マックか?)
「いいね! でもマクドナルド以外ね。マクドナルドは嫌い」(あれ)
「もちろん!このへんにイネナウトはあったっけ?」(イネ・・?)
「オールドタウンの近くにあるわよ」(イネナウト?)
「ああ、あそこね!わかった!」(なに?)
そして到着した。
なんだこれ、色遣いからしてマックのパクりみたいなファーストフード店だけど・・・? おいしいの?
IN-N-OUT
インエヌアウト?
「ねえ、何て読むの?」
「イネナウト」
「え?」
「イン・エン・ナウト」
ああ、「イン・アンド・アウト」なのか!
アメリカ人が読むと発音が良すぎて「イネナウト」と聞こえる。(Airbnbを「エアービアンドビー」と読むのと同じだ)
カリフォルニア生まれの「IN-N-OUT」は、カリフォルニアを中心に約310店舗を構えるバーガーチェーン。お店に入ると、レジに並ぶ人、バーガーを待つ人で溢れていた!活気がある!
では、特徴は何なのか。主な3つを挙げると、
・メニューがシンプル
ハンバーガー、チーズバーガー、そして”ダブルダブル”(バーガーとチーズが2枚ずつ)のみ。こだわりのラーメン屋のようなシンプルさだが、しかしこのメニューの少なさによって低価格を実現しているそう。
・注文を受けてから作る
食材の鮮度にこだわっているため、オーダーを受けてから作り始める。野菜がシャキシャキのできたてを食べられる!冷凍食材を使用しない方針のため、ビーフパテもフライドポテトも冷凍ではない。ジャガイモは毎日各店舗で皮をむきカットし、レタスは包丁を使わずに手でちぎる。できあがったバーガーが冷めないようにするヒートランプも使わない。
・その割に値段が安い
ハンバーガー(2.3ドル)、チーズバーガー(2.6ドル)、ダブルダブル(3.75ドル)と、こだわっている割に安い。もちろんセットにするとよりお得。
今回はチーズバーガーを注文してみたが、おいしかった。
まとめると、低価格なのに本物志向というのが人気の秘密のようだ。マックより繁盛しているのも頷ける。
日本には未上陸なので、ぜひカリフォルニアへ来た際は忘れずに立ち寄ってみてほしい。
<追記>
後日、再訪問。ダブル・ダブルの「アニマルスタイル」という裏メニューを頼んだが、最高にうまかった。やっぱり毎日来たいレベル。