自転車治った~!!
準備は整った。旅は間もなく後半戦。さあ行こうか!
ツール・ド・ヨーロッパ
第27ステージ
バルセロナ~ジローナ
110km
修理された自転車は生まれ変わったように快調だった。ギアもまったく問題ない。バルセロナ市街地を抜けて、海沿いの道にやってきた。ここが最高の道だった。
右手に地中海を見ながら。そして追い風。この状況が60km続く。海には無数のビーチがあり、どこも気持ちよさそうだった。ちょこちょこビーチを眺めていると、やっぱり裸の人がいっぱいいた。
この電車もいいなぁ。気持ちいいだろうなぁ。
今日一番の景色は、カレージャ(Calella)という街のビーチ。当たり前だが、こんなマニアックな街は聞いたこともない。日本で例えるならなんだろうか。藤枝とか、そういう感じだろうか。絶対に外国人は知らないだろう、というような街。
しかしここのビーチは本当に素晴らしかった。
ここで泳ぐためだけに、わざわざこの街に旅行する人がいてもおかしくない。
「あそこに海の色の違うところがあるだろう。」
「あれは小さな魚の群れなんだ。とても珍しい光景なんだよ。」と、そばにいたおじさんが英語で教えてくれた。
街も美しい。
60kmの海沿いの道が終わると、今度は内陸に入る。ピレネーが近いせいか、アップダウンが増えてきた。今日一番の峠を越えると、ついに遠くにピレネーが姿を現した。興奮した。
残り35km。もうひと踏ん張り。
時速120km道路に入ってしまった。
間違えて高速道路に入ったというわけではない。これが一般道なのだ。120km区間はすぐに終わって良かった。かなり恐ろしかった。
19時半、ギリギリ明るいうちに、ジローナの街に到着。
緑の多い街だ。全ての通りに木が植えてある。宿でシャワーを浴びて着替えて、少しだけ散策。なんだか居心地の良い街。少し歩けば、そんな雰囲気がしてくる。フライブルクで感じたような街の温かさ。大学街だから若者が多く活気がある。「この街が好きな気がする」、というのは変な日本語だが、本当にそう感じたのだ。
よっぽどの旅行マニアでもないと、この街に日本人が来ることはないだろう。一応『地球の歩き方』にはかろうじて2ページ分載っているが、見所はカテドラル(大聖堂)に「天地創造のタペストリー」という名作があるくらい。よっぽど時間に余裕がない限り、ジローナへはやってこないだろう。
そのため、街の人にはぼくの顔が珍しかったようだ。街を歩いているとジロジロ見られる。子供達には、「ニーハオ!」と言われた。
ぼくが「ちゃいにー」だとばれているのか・・・??
しかし、スーパーの人、ホテルの人、レストランの人、全ての人が温かい。やっぱりこの街が気に入った。
そしてホテルでは、スウェーデン人のアレキサンダーと友達になった。
24歳、大学生だ。「日本文化にとても興味がある」と言ったので、太鼓の動画を見せてあげた。すごく喜んでくれた。「日本のメロディーが好きだ。あと、日本語の発音はとても美しい」と言ってくれた。「I have a dream. は日本語で何と言うのか」と聞かれたので、「私には夢がある、だよ」と言って、ローマ字で読み方を教えてあげた。「日本に行きたい」と仕切りに言っていた。
「ストックホルムに来たらぜひ連絡してくれ」と言ってくれた。北欧行きたい!!もう少し時間があれば、この旅でぜひ行きたかったんだが。
アレキサンダーに面白い情報を教えてもらったので、もしかしたら明日は少し寄り道をするかもしれない。
夜中の2時になってしまった。眠い毎日が続く・・・