7℃。冬だ・・・
ツール・ド・ヨーロッパ
第54ステージ
ルクセンブルク~トリアー(ドイツ)
49km
実は、ルクセンブルクでは兄の知り合いであるマルティンさんという方のお宅に泊まらせていただいた。
兄から「マルティンさんは、欧州司法裁判所に勤務している方だよ」と聞いた。今年の3月まで、ドイツの大統領府で働いていたのか・・・。ふむむ・・・。主な仕事は、公式行事の準備を行ったり、大統領のスケジュールを調整する・・・。超すごい人じゃん!!大統領のスケジュール管理とは・・・。
マルティンさんは、ワセオケの名誉顧問であるワインスハイマーさんとも友人らしい。パーティなどに招待されるのだそうだ。ちなみに、去年のワセオケのベルリン公演にも聴きに来てくださっていた。とても感動していた。
今日の朝、マルティンさんに「欧州司法裁判所が見てみたいです」と言うと、すぐ近くなので車で連れて行ってくれた。マルティンさんの話は興味深かった。
「ヨーロッパには首都はないが、首都のような機能を持っている場所がある。ブリュッセル、ストラスブール、そしてルクセンブルクだ。これら都市には、欧州の重要機関が多く置かれている。」
このルクセンブルクには、副都心キルシュベルクという地区がある。ここに、欧州司法裁判所、欧州投資銀行などの施設がある。観光地ではないが、興味深い場所だった。
これが欧州司法裁判所。もともとあった建物と、
去年完成した新しい建物。ゴールデン。
キルシュベルクにあった、ナショナル美術館にも連れて行ってくださいました。これは現代美術館。
ミニチュアを一眼レフで撮るのは面白い。
この棚いいなぁ。
マルティンさんの家へ戻ってくると、「これはゲストブックです。ここに名前と、何か日本語を書いてください」と言われた。
大和魂と書いておいた笑
マルティンさんは幼少期に日本に住んでいたことがあって、日本が大好きなのだ。部屋にはたくさんの絵馬があった。
さて、今日も朝からずっと雨が降っていたが、もう筋肉痛は回復したので走らなければならない。
わざわざ濡れるとわかって走るのはかなり億劫だったし、タイヤが滑るのも怖かった。しかし旅も残りわずかだし、できるだけ走らないと後で後悔する。
マルティンさんは、
「この雨の中行くのかい?電車を使った方がいいんじゃないのかい?」
と心配してくださり、実際ちょっと悩んだが、
「いや、自転車で行きます」
と答えた。
「これが大和魂です」
気温は10℃以下。この寒さの中を自転車で走るのは初めてだ。服を6枚重ね着した。だが下はハーフパンツ。震えるぜー。
マルティンさん、お世話になりました!出発!
雨と寒さ。ペースを決めるのが究極に難しかった。雨で路面が滑るからあまりスピードは出せない。かと言って、ゆっくり走っていても体は温まらない。だけど汗をかき過ぎると余計に冷えてしまう。
速すぎず、遅すぎず、汗をかかない程度に体が暖かいペース。微調整を繰り返し、うまくハマった。このスピードだ。
筋肉は復活していた。快調だった。時速25km平均くらいで行けた。
そして国境へ。ルクセンブルクと別れる。
再びドイツへ。これで本当に最後だ。
そこからモーゼル川に合流した。
モーゼル川沿いのサイクリングコースは気持ち良かった。
18時、トリアーに着いた。
今日は日曜日なので、人も少ないし、建物も閉まっていた。割と有名な観光地なのだが残念。
トリアーはドイツ最古の都市。紀元前16世紀ごろに、ローマ人の住む街がここにあった。
トリアーのローマ遺跡群は世界遺産にも登録されている。
もっとも有名なのは「黒い門」という意味のポルタ・ニグラ。
真っ黒だ。2世紀末、ローマ時代に建設されたという城門。昔は城壁もあったそうだが、取り壊されてこの門だけが残っている。
4世紀に造られたドイツ最古の大聖堂。
他にも、皇帝浴場や円形劇場など重要な遺跡があるが、今日は暗くなってしまい足を伸ばせなかった。明日の朝行こうかな。
残り時間がわずかとなり、時間と移動距離の調節がかなり難しくなってきました。地図と何時間も格闘しています・・・
最後までうまくいきますように・・・。