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【Q&Aコーナー】「ポジティブな発想と、人一倍の行動力の背景にあるものは?」

投稿日:2017年8月5日 更新日:

Q&Aコーナーでは、皆様からの質問をお待ちしております。続いてのご質問です。

中村さん、質問コーナーに応募させてください。

先日の報告会ありがとうございました。お話を聞きながら、私自身が個人的に中村さんに魅力を感じているのは、中村さんがご自身の人生を意識的に選んでいこうとされている点にあると気づきました。

自身で選択をし、その責任を自身で負う事に自覚的である人は数少ないと思います。その点で、中村さんは卓越していると感じます。(運命にチャレンジしているとでも言うべきでしょうか)

本題の質問です。
「チャレンジ」には、二つの局面があると思います。
一つ目は、チャレンジすることを、「決定すること」
二つ目は、決めたことを「実行する(やりきる)こと」
私は、二つ目の「実行すること」について中村さんの考えを知りたいと思います。

マイクタイソンの言葉に、「Everyone has a plan until they get punched in the mouth.」というものがあるそうです。

チャレンジングな事を実行する際は、(正に、顔面にパンチを食らうような)困難が伴うはずです。中村さんにも、チャレンジングな当初の計画が実行できない(かもしれない)という不安を感じられた時があるのではないかと推測します。

どのようにこれを乗り超えて計画を継続してきたか(または計画を途中で変更せざるを得なかったか)を教えてください。

中村さんのポジティブな発想と、人一倍の行動力の背景にあるものを知りたいです。

「映像」を思い浮かべること

大学2年生の冬休み、早稲田大学交響楽団の一員として、約3週間ヨーロッパへ行き、11都市で和太鼓を演奏しました。ベルリンのフィルハーモニーホールやウィーンの楽友協会など、世界最高峰の舞台で演奏するという本当に素晴らしい経験でしたが、やはり困難は伴いました。

ぼくが初めて和太鼓にふれたのはこの演奏旅行の1年前くらいで、まったくの初心者でした。当初は太鼓のバチすらまともに持てず、叩いている途中で何度も手から放り出されました。リズム感もなかったので、毎日メトロノームで基礎練を繰り返すばかりでしたし、先輩からも怒られてばかりで、練習前になると胃が痛くなって、よく神社でお祈りしてから行ったことも覚えています。

辛い。もう本当に辞めてしまいたい、ここから逃げ出したい、と何度も思いましたが、ぼくをヨーロッパへ導いてくれたのは、「映像」だと思います。

本物の映像ではなく、自分の頭の中にイメージし続けた映像です。ヨーロッパの大舞台で必死に和太鼓を叩き、感動させ、お客さんから大きな拍手を受けている自分の姿を、イメージし続けました。それだけを頼りに、なんとか続けられたという印象です。

そしてそれが現実になりました。これは昔作った、一年間の軌跡です。

目的は変えず、手段を変える

その翌年、楽団を辞めたぼくは、「半年後に、スポンサーを集めて自転車で西ヨーロッパを一周する」と決めて、動き出しました。これも、大きな困難が伴ったし、「そんなの無理に決まってる」とも言われました。

ここでも、最初に自分がやったことは、「イメージ」でした。コルクボードを買ってきて、そこに自分が行きたいヨーロッパの場所の写真を貼りました。そして真ん中に自転車を漕いでいる自分の写真を貼り、夢を実現している「映像」を、潜在意識に刷り込みました。ぼくはこの写真を携帯の待受画面にして、毎日何度も見ていました。

しかし、その過程での手段の変更はいくつかありました。たとえば、最初は企業から資金提供を受けたいと思っていたけれど、それは非常に難しく、ほとんどの企業は物資やサービスの提供が主なため、「このままでは旅費が集まらない」と悩んだことがありました。

そんなとき、地元の知り合いの方から、「いつもブログ見てますよ。私も個人的に応援したいけど、個人で協賛することはできませんか?」と言われ、初めてそこで「個人協賛」という選択肢を導入しました。そしたら、翌日から毎日のように協賛金が集まり、結果として300名から援助を受けることになりました。

やってみて、このやり方ではダメだなと感じたら、別の手段を考えて行動を変えることはしばしばあります。でも目標を実現できるハズだと信じ込んでいるので、きっと何か別の手段があるだろうと思って行動を止めません。

乗っていた電車が車両点検で思わぬ駅で止まってしまったとしたら、ここからどうやって会社まで行こうか、と考えますよね。振替輸送なのか、バスなのか、タクシーなのか、徒歩なのかわかりませんが、きっとその手段はあるはずです。横にいた人にたまたま話しかけたら、偶然自分の会社の近くの方で「一緒にタクシー乗って行きますか?」と声をかけられるかもしれません。ぼくの人生は、そんな不思議なことの連続でした。

紆余曲折あって、8年越しに夢が叶った、という場合もあります。今年1月に歩いた東海道五十三次の旅もそうです。諦めずに信じていれば、いつも最後まで辿り着きます。

何か目標を持ったとき、先に自分がそれを実現している映像を思い浮かべます。逆に言えば、成功するイメージがまったく湧かないチャレンジは、あまりしていないかもしれません。できる気がしなかったら、正しい努力を継続することも難しいと思います。やはり希望を持てないと人間辛い。だから「映像」というのは、希望のことですね。映像さえ持てれば、多少の困難でも投げ出さずに、粘り強く頑張れると思います。

「立ちはだかる壁には理由がある。我々がどれだけ本気か証明するためだ」

という、ランディ・パウシュ教授の言葉も好きです。この話は名スピーチなので、ぜひ読んでみてください。

【全文】ランディ・パウシュ「最後の授業」

行動力の背景にあるもの

今勝手に名付けただけなのですが、「動き続けているとエネルギーが増大する説」があります。理科の教科書の図をよく思い出すのですが、こういうやつです。

ぼくは、自分のことを「気体」だと思っています。エネルギー量が高くて、あっちこっちに動いています。これまでの人生で、何度か「個体」のようにじっとしていたときもありましたが、ストレスが溜まったし、自分には合っていないと感じました。ぼくは動き続けるのが好きで、その行動を発信することで、さらに外部からのエネルギーを受けて加速しているような気がします。

 

最後に、「ポジティブな発想」に関して。

ぼくも落ち込むことが多いですが、やっぱり運は笑顔の人についてくるような気がします。困難なことがあっても、ニコニコと頑張っている人を見ると、人は応援したくなるものではないでしょうか。だから、「ピンチはチャンス」というのがぼくの口癖なのですが、ピンチのときこそ、辛いときこそ、笑顔で立ち向かおうと決めています。内心辛くても、笑うんです。そこに、人と運が流れ込んでくるようです。

回答になっているかわかりませんが、長くなってしまったので終わりにします。

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