アメリカ西海岸というと、サンフランシスコやロサンゼルス、シアトルなどが有名ですが、ご存知のとおり、近年はオレゴン州ポートランドの人気も急上昇中です。NIKE本社がある街としても知られています。
「こだわりが強い」「地産地消」「DIY精神」「ローカル&サステナブル」など、ポートランドの特徴を表す言葉はたくさんあり、しばらく滞在していると、実際にこれらの特徴が感じられました。
また、オレゴン州では消費税がかからないので、他の西海岸の都市に比べて物価が安いのも嬉しいポイントです。
ぼくがポートランドを気に入ったのは、街の居心地の良さに加え、コーヒーとドーナツとクラフトビールが好きだから。この3つが好きな人にとっては、本当に聖地のような場所です。今回は好きなお店を紹介していきます!
目次
サードウェーブコーヒーの先駆け
「Stumptown Coffee Roasters」
「サードウェーブコーヒー」という言葉は、2015年にブルーボトルコーヒーが日本に上陸した際に流行しました。特徴は、高品質の豆を生産農家から直接買い付け、新鮮なまま店舗のロースターでローストし、バリスタがその場で一杯ずつコーヒーを淹れる、というもの。
そのサードウェーブの先駆けとなったのが、ポートランドの「Stumptown Coffee Roasters」です。産地ごとに異なるコーヒー豆の旨味を最大限に引き出したコーヒーが評判で、ダウンタウンに位置する本店はいつも多くの客で賑わっています。
同じダウンタウンには、話題の「ACE HOTEL」に併設する店舗もあるので、ホテルの見学とともに訪ねてみることをオススメします。ソファが気持ち良いおしゃれなラウンジは宿泊客でなくても使え、スタンプタウンのコーヒーを飲みながらパソコン作業ができてしまいます。
日本好きのオーナーがいる名店
「Courier Coffee」
11歳のときにコーヒー屋になることを決意したジョエル・ドムライズさんのキャリアは、ローストしたコーヒーを自転車で配達することから始まりました。
現在はダウンタウンにある「Courier Coffee」のオーナーですが、自転車での配達は今もやっているそう。ここもポートランドを代表するコーヒー店です。
この日コーヒーを淹れてくれたマックスさんは、3ヶ月だけ英語を教えに岡山県の津山市に来たことがあるそうで、日本語で気さくに挨拶してくれました。オーナーの奥さんも日本人だからか、ジョエルも日本が大好きだという。
コーヒーは手書きのメニューから選びます。汚れた紙、かわいい字体に愛着が湧きました。エチオピアを頼もうとしたら、「ごめん、それは売り切れちゃったんだ。マラウィがおすすめだよ」というので、それを注文。
一杯3ドル。このお店に限らず、ポートランドはどこもコーヒーが安い。有名店でも気取ったところがありません。目の前で丁寧に淹れてくれました。
透明なメイソンジャーという容器を使っているのがこのお店の特徴。初めて飲んだマラウィのコーヒーは、香りがとても良く、おいしかったです。
アルバータ・ストリートの絶品ドーナツ
「Angel’s Donuts & Ice Cream」
ポートランドには「Blue Star Donuts」というドーナツの有名チェーンがあり、大変な人気を誇っています。ディスプレイが美しく、また個性的な味が多いので、ぼくも好きなお店です。
しかし、人気のエリアとして知られるアルバータ・ストリートを歩いていて、さらにおいしいドーナツに出逢ってしまいました。少し古びた「Angel’s Donuts & Ice Cream」というお店です。こちらはチェーン店ではありません。
お店の公式サイトはなく、正直店内もスタイリッシュな雰囲気ではありません。ただ、味は抜群なのです。試しに注文してみた「ブルーベリー・オールドファッション」があまりにもおいしくてビックリしました。
最初は、隣にあった「メープル・オールドファッション」を注文しようとしたのです。そしたら店員さんが、「これはとても人気だけど、日本人のあなたにとってはクセのある味だと思うよ」と言ったのです。聞けば、交換留学で3ヶ月間だけ静岡県の袋井に来たことがあるそう。
「メープル味はぼくも大好きだけど、日本で食べたメープルは随分味が違った。だから、想像しているような味ではないと思う」
そういうわけでブルーベリーを選んだのですが、確かにこれが正解でした。お土産にできないのが残念なくらいおいしかったです。
クラフトビール天国
「Bailey’s Taproom」
クラフトビールが好きなら、ポートランドで一度は行っておくべきお店が「Bailey’s Taproom」です。常に20種類の樽生ビールが並んでいます。オレゴン産を中心に、膨大な種類の中から厳選したブランドをそれぞれ1バレルだけ仕入れているそう。
20本並ぶタップハンドルの上の大きなデジタル・ダッシュボードには、それぞれのビールの情報と樽内の残量が表示されています。売り切れるとその銘柄は終了して次の別の銘柄に交換され、「ただ今、入りました」というマークが点灯します。
ここではハーフサイズを2〜3ドルで飲めてしまうのが嬉しいところ。ついつい飲み過ぎてしまいそうです。地元Fat Head’s Breweryの「Ex Novo Que Paso?」を注文。うまい!
行列のできるアイスクリーム屋さん
「Salt & Straw」
最後に、もう一軒だけご紹介しましょう。
アルバータ・ストリートを歩いていると、一際目立つ行列ができているお店を見つけました。「Salt & Straw」というアイスクリーム屋さんです。
アイスクリームに使う乳製品は全てナチュラル、材料も地元で取れたオーガニックのものを使っているというこだわりのお店。
メニューを見ても、聞いたことのない味ばかりで戸惑いました。今回は「ハニーラベンダー」味を選びました。
これ、甘さ控えめで超おいしい。これまで食べてきたアイスにはなかった感覚の味です。ここまで並ぶお店、ポートランドにはほとんどないし、ここくらい並んでもいいか、という感じ。むしろこれは食べないと損。もう一回食べたいです。