27日から3日間、岩手県遠野市に滞在していました。いつか訪れたいと思っていた遠野。日本の原風景が残る、美しい土地でした。
色んな方々と話していて、遠野は「四季のコントラストがとてもはっきりしている」ということを聞きました。また桜の季節や、遠野祭りのある9月に来たいなと思います。
とにかく野菜が安くてビックリしました。白菜は6個で500円!他の野菜もとても安かったです。
また、居住費も安い。アパートであれば2万円前後で住めたり、一軒家の家賃でも3〜5万円の場所があったりと、生活コストはかなり低く抑えられそうです。これから移住者が増えるのではないでしょうか。
今回遠野へやってきた目的は、大学時代からの友人である袴田大輔くんが設立した「遠野醸造」を取材するためです。太田睦さん、田村淳一さんという素晴らしいメンバーとともに今月10日に設立しました。
袴田くんは、このブログにも度々登場しています。
「日本のクラフトビールの魅力を、世界に広めたい」世界一周、ユニクロ店長を経て、ビールの道へ 袴田大輔さん
「ツール・ド・九州」のチャレンジでは、当時熊本に住んでいた彼の自宅に泊めてもらったし、「クラフトビール 東海道五十三注ぎ」の際も、旅の初日に彼が応援に駆けつけてくれました。
遠野は、日本随一のホップの生産地(作付面積で国内1位、生産量で国内2位)です。
「遠野醸造」は、この遠野産のホップを使ったクラフトビールをつくります。来年4月にブルワリーがオープンし、5月には最初のビールを飲むことができるようになる予定です。
昨夜は「遠野醸造」のキックオフパーティーが開かれました。まだ自分たちのクラフトビールがない状態です。決まっているのは、これからブルワリーになる場所と構想だけ。
それにもかかわらず、予想をはるかに超える120名もの人々が集まり、ホップ農家さんや行政の方も含め、地域の方々から多大なる期待と応援を受けていことに驚きました。これは必ず素晴らしい取り組みになるだろうな、というイメージが鮮明に湧きました。彼らのクラフトビールができたときには一体何人が集まるんだろう…と今から嬉しい悲鳴が聞こえてきそうです(笑)
また、地元のテレビ局からの取材も受けていました。
「ホップの里」から「ビールの里」へ。遠野は市民と行政と民間企業が一体となって、大きな構想を実現しようとしています。遠野醸造は、コミュニティブルワリーとして、その動きを加速させる「エンジン」のような役割を果たすと思います。
「ビールの里」構想に当初から携わるキリン株式会社の浅井隆平さんからも貴重なお話を聞くことができました。ポートランドで受けた衝撃が、この構想のきっかけになったといいます。
クラフトビールの聖地とも言われるポートランドでは、ホップ農家とブルワリーの関係がとても密で、ホップが収穫されるベストなタイミングに合わせて、ブルワリーがビールを仕込むそうです。意外にも日本ではなかなかそれができていないそう。
「まだまだ日本のビールは大きく進化する余地があります。そして、ホップの一大産地である遠野でなら、生産者とブルワリーが一体となったビールづくりができるはずです。『日本でビールのことを勉強したかったら遠野に行け』といわれるようなビールの里になってほしいし、遠野醸造は、ここでしかできないことをやってほしい。ホップのショーケースのような役割を果たすと思います」
また、遠野醸造は地域に根ざした取り組みもしていました。
「これから遠野高校で授業をするから、見にくる?」
遠野高校の総合学習で、「ビールができるまで」というテーマで授業をしていました。
まだ未成年なのでお酒は飲めませんが、どのように麦芽がビールへと変わるのか、その過程の説明に高校生たちも興味を示していました。
麦芽を試食してみたり、麦芽をミルで挽いてお湯に入れてかき混ぜるだけで甘みが出てきたり、という実験をしました。ぼくも正直、ビールの醸造過程をよくわかっていなかったので、勉強になりました。
遠野の温かい人々にもふれて、元気を分けてもらえました。
遠野醸造の太田さん、田村さんはじめ、遠野でお世話になった方々、ありがとうございました!そして大ちゃん、本当にありがとう!
これから大きく動いていくので、「遠野醸造」のFacebookページを、ぜひフォローしていてください!