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ジョヤサ!ジョヤサ!

投稿日:2016年2月16日 更新日:

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遠くに、何か見えた。

横手の「かまくら祭り」は有名だが、実はその翌日に同じ場所で、もうひとつの熱い祭りが開催されることは、あまり知られていない。

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おお!

梵天コンクールである。

横手旭岡山神社へと奉納される梵天を、地元の人々が作る。その出来を競うコンクールなのだが、毎年その年話題になったテーマの梵天があったり、そうでなくとも豪華絢爛な立派な梵天たちには目を奪われる。

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今年何よりも目立っていたのは、五郎丸だった。

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「ジョヤサ!ジョヤサ!」

と、男たちが威勢よくかけ声をかけながら、梵天を高々と上げて、目の前を通り過ぎていく。

観光客はほとんどおらず、地元の人のためのお祭り、という印象だった。

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次に向かったのは、横手市の増田町。

実は2年前にこの町が、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定された。

かといって、メインストリートを歩いても、とくに目立った家並みは見られない。

(え?これが?)

という印象なのだが、実は外観からでは、増田町の凄さはわからない。

中に入って、家の中に立派な通路があることに驚く。

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そして奥に進むと、「内蔵(うちぐら)」と呼ばれる重厚な蔵が姿を表す。

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交通・交易の要衝として江戸時代から栄えた増田町は、明治になっても県内でも指折りの商業地だった。

主人たちは、家の外観を立派にすることはしなかったが、代わりに、内部に立派な内蔵を作った。これは、雪対策でもある。家の中であるため、本来所有者しか見ることはできないものだが、現在では見学料を主人に払い、「家の中を見せていただく」という形が可能になっている。

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各家の主人は、自慢の内蔵を、見事に説明してくれた。傷がついておらず、実に立派。材料も最高級のものを使っているそうだ。これが海外だったら、外観の装飾を権力や資金力の象徴とするはずだが、ここは家の内側に。

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外から見ても、すごい家とは微塵も感じないのだが、中に入ると「うわあ」と思ってしまう。そして豪雪地帯ということもあって、その機能性から各家が真似をしたのだろう。内蔵を持つ家が何軒も並んでいるのは、日本でもここにしかない、珍しいものだ。

お昼。漬物が芸術作品のように思えた。

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湯沢では、明治7年創業の「両関酒造」を訪ね、日本酒の製造工程を教えていただいた。

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ぼくにとって初めての酒蔵見学で、とても楽しかった。最後は試飲もできた。

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そして最上川に沿って走った。

「五月雨を あつめて早し 最上川」

と松尾芭蕉が詠んだ最上川。とても美しかった。

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遠くには月山が。

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山形県の酒田市に着いた。日本海の港町。魚が旨い。

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明日はいよいよ、江戸時代から280年の伝統を誇る「黒森歌舞伎」の鑑賞である。

実に楽しみだ。

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挑戦は続く。

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