ブログ

ロールモデルに学ぶ

投稿日:

その方に出会ったのは、今後の仕事の仕方について考え直していたときでした。

旅の記事だけではなく、ライターとしての仕事をもっと増やしていきたいと考えたものの、さて、どうやって仕事を探そうか、と悩んでいました。

ランサーズやクラウドワークスなどに代表されるクラウドソーシングのサイトでは、1000文字書いて500円とか、泣きたくなるような書き仕事がたくさんあって、それを平気で受けてしまうライターもまたたくさんいます。

確かに、ガムシャラに書きまくれば少しはお金になるかもしれません。だけど自分がこれをやったら、心身ともに疲弊するだけです。「ライター未経験でも大丈夫」などと書かれていると、なおさらやる気が失せます。

クラウドソーシングには頼りたくない。単価が高く、その代わりこちらも能力を存分に発揮して、人様に喜んでいただけるような仕事がしたい。

そこでふと、「フリーのライターさんで、雑誌やWebメディア以外で活躍している方というのは、たとえば誰だろう?」と、ネットで検索をかけました。

仕事を発注する側の立場で考えてみました。よく仕事の依頼を受ける人だとしたら、きっと、

「ライター 外注」
「ライター 相場」
「ライター 料金」

などの検索キーワードで引っかかってくるようなライターさんたちだろう。

そう思って、検索で引っかかった色々なライターさんのサイトを研究しました。その中で、とても尊敬できる方に出会いました。

その方は自身の仕事の取り方やノウハウについて、有料記事の中で公開していて、「ここまで教えてくれるの?」と思うくらい、包み隠さず書いていました。

有料記事でビジネスをする人の中には、胡散臭い方もたくさんいますが、この方は信頼と実績を着実に積み上げてきた方で、その文体からも誠実さが伝わってきました。

きっと1年前に読んでいても、その文章に対して、今ほど響かなかったかもしれません。だけどこの一年間、色々と失敗もしたし、行動に無駄も多かったから、そういうのを経験した今読んだからこそ、「そうそう」と共感と安心感に包まれました。なかなか伝わらない悩みや苦労を理解してくれる人がいるというのは、本当に心強いものです。

これまで、あまり人のやり方を参考にしてきませんでしたが、ライターとしてのロールモデルとなるような人が、初めて現れた気がしました。価値のある情報に対して直接お礼を伝え、「愚直に真似させていただきます」と連絡しました。

別のある尊敬する方は、「師匠が見つかったら、初めはとことん真似するのがいい」と言いました。

「最初から師匠の良いところと自分の良いところをミックスさせようとすると失敗する。一度自分のやり方を捨てて、うまくいっている人のやり方を徹底的に真似してみる。そこから学べるものがあるし、自分の色というのはなんだかんだ嫌でも出てくる」と。

製品と異なり、文章にはカタチがありません。非常に難しいのが、自分の文章の「料金」をどう設定するかで、これに関してもこの一年、色々と悩みました。

そのことについても、この方の考え方は参考になりました。

「実際に起業してから痛感したのですが、どんな料金設定をしようとも必ず「高い」という人と「安い」という人が存在します。人の意見をすべて聞き入れて設定するのは無理です。それよりも、必要な作業をするのに自分が納得できる金額はいくらか、仕事を始める前に突き詰めるほうが大切です」

今はただ、やるべきことをやって、書く仕事を増やしたいと思います。「書く」という得意なことで、誰かの役に立ち、喜んでもらいたいです。

-ブログ

執筆者:

関連記事

高雄からの一報

今朝、台湾第2の都市・高雄の高校で日本語を教えているジミー先生からメッセージと写真が届きました。 「先週の木曜日は卒業発表会でした。今日は彼らの卒業式です。うちの日本語学科も今日で終わります。皆に夢や …

いつまでも残したい、日本の美しさ

日本の文化には、どんなことにも、「美意識」が根底に息づいている。 色であったり、音であったり、普段の生活や自然、歴史と見事なまでに調和して豊かさを生み出している。 風土に根ざした人々の営みが築き上げて …

自主性と記憶力

いつも二人で旅行へ行く、というご友人同士のお客様がいらっしゃる。どちらも80歳近い。そのひとりが、それはもうツアー中よく喋る。あの国のあれがどうだった、この国でこんなことがあって大変だった、と旅の思い …

横手のかまくら祭り

「秋田弁では、『け』という言葉に、3つの意味があるんですよ」 と、秋田県出身のガイドさんは言った。 ひとつは、『食え』 「うめがらけ~」は、おいしいから食べな~。 ふたつめは、『来い』 「こっちさけ~ …

梅の木に止まるウグイスは、影にしかいない

「本間様には及びもせぬが、せめてなりたや殿様に」 という歌が詠まれたほど、本間家は大金持ちだった。 しかし、ただの大金持ちではない。酒田の人々に愛された。それは、CSRなんていう言葉が当然なかった江戸 …