何度も読み返したい日記

もうちょっとできると思っていた

投稿日:2017年3月6日 更新日:

大手外資系企業に勤めていた仲の良い友人が、数年前に会社を辞めて、ひとりで事業を始めた。素晴らしく優秀で、ガッツのある男だった。

それからしばらく経って、久しぶりに会ったときに、

「ひとりで仕事を始めてみて、どう?」

と聞いてみたら、

「月5万稼ぐのがどれだけ大変かわかった」

と話していて、ガツンと大きな衝撃を受けた。

普通、そんなに生活が苦しそうだとわかったら、絶対に羨ましくなんて感じないハズなのに、なぜかそのとき、ぼくは彼の生き方に憧れた。

自分がいくら分稼いだのかよくわからないまま、毎月決まった日に決まった給料が振り込まれるよりも、実感をともなった5万円を稼ぎたいと思った。

彼の言葉はずーっと頭の中にあって、それでようやくぼくも当時の彼と同じような状況になったわけだけど、

正直、こんなに自分が何もできないとは思ってもいなかった。

もうちょっとできると思っていた。

会社の力を借りず、何もないところから5万を稼ぐのは超大変だとわかった。

想像以上に、現実が厳しいことを知った。待っているだけでは全然仕事がこないし、職業ライターの大変さも感じた。

そしてそんな状況でも甘えさせてくれるはずはなく、国民年金や健康保険、住民税などがしっかりとぼくの手元から羽ばたいていく。

しかももう、決まった日に、決まった給料は振り込まれてこないのだ。

会社員ってすごいと思った。交通費だって出してもらえる。

「ほら、だから手に職つけろって、何っ回も言ったじゃん」

かつての上司の声が聞こえてくる。

ただそれでも、辞めてみて、生身の自分を社会にさらしてみたからこそ、わかったことはたくさんある。

無能だとわかったことも、変に自信を持ったまま会社員を続けているよりはマシかもしれない。

まだまだスタートライン。

にすら立てていないかもしれないけど、道は始まったばかり。

‪書くしか能がないなら、書きまくれ!‬

‪こういうときこそ、外の世界に目を向けてみよう。外の世界に、自分の力で、何か解決できそうなことはないか、考えてみよう。自分の力が必要とされているものがないか、探してみよう。‬

なかなか結果が出せず、不安に押し潰されそうな日々だけど、だからこそ頑張ってみようと思う。自分で望んだ道だ。簡単には諦めない。

ここから上がるしかない。かっこつけたってしょうがない。現実から目を背けるわけにはいかない。とにかく自分の力で生き延びる。

どんな状況でも、あくまで前向きに。守りに入らず、攻めていきたい。

数年後、「あのときは辛かった」と笑いながら回想できるように。

ちょっとランニングしてくる。絶対負けないし。

-何度も読み返したい日記

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

文章に、自分の芸術、美しさを投影したい

「洋太さんと話していると、写真家の方と話しているような感じなんです」 愛那ちゃんの言葉に意表を突かれたのは、「自分はどんな分野であれば、プロ意識を持てるのか。それがわからず悩んでいる」と打ち明けたとき …

前向きな想いは、誰の背中も引っ張らない

ぼくのもとには、何かしらの「想い」を持っている人たちが集まってくる。これまで、たくさんの人の想いにふれて感じたのは、強い想いは、人を前向きにさせ、人に元気を与えるということ。 そしてもうひとつ。前向き …

美しさとバイタリティー

何かを見て「これがやりたい」と感じたとき、それは自分の美しさそのものだと考えている。 「きっと自分には向いてない」とか「自分の立場でできることじゃない」とか、そんなことは一切考えず、やりたいと感じたら …

隣に座っている人がチャンスかもしれない

自動車学校に通っていたとき、車に乗るたびに「自分にはこんな夢があるんです」と教官に企画書を渡し、運転しながら夢を語っていた。 「はあ? 自転車で西ヨーロッパを一周!? てめえ、俺を騙すんじゃねえよ! …

リスクは、本気になれない環境にとどまり続けること

ここ数日、ハッとさせられる言葉にいくつか出会った。 「不安定な道を選ぶことをリスクだと恐れる人が多いけれど、僕にとって一番のリスクは、本気になれないこと。大切ではないもののために本気になれない場所にと …