インタビュー

母親ならではの発想! 塔筋真弓さんの「kai pearl」で、ママはもっと手軽にオシャレを楽しめる

投稿日:2016年5月17日 更新日:

おもしろいストーリーを聞かせていただいた。一児の母である塔筋真弓さんが「kai pearl」というアクセサリーブランドを始めた、きっかけの話だ。

13242213_1169583559748564_61237814_o

13234711_1131648780224514_2074587664_o

真弓さんは、新卒で入社した都内の外資系企業で3年働いていたが、結婚を機に大阪へやってきた。嫁いできたのは、大阪府和泉市。その後、転職し、キャリアアドバイザーなどの仕事をしているうち、出産も経験した。

彼女は、昔からパールのネックレスが大好きだった。パールというと冠婚葬祭などフォーマルなイメージが強いが、真弓さんはカジュアルでもよく使っていた。

「パールは派手過ぎず、かつ上品。服にこだわらなくても、これを身に付けているだけで印象が変わります」

実際、最近になって雑誌やドラマなどメディアでの露出も増えてきて、パールのカジュアル使いが注目されてきている。

あるとき、真弓さんは「貝パール」が和泉市の特産品であり、同時に和泉市が誇る伝統工芸品であることを知った。明治末期に和泉市の光珠商だった人物がフランス製の人造真珠を入手したことを起源とし、そこから試行錯誤が繰り返され、日本の伝統工芸へと成長していったそうだ。

真珠には本真珠(天然の真珠)と人造真珠があり、貝パールは人造真珠のひとつ。数ある人造真珠の中で、最も本真珠と見分けがつかない美しさを持っている。汗や水にも強く、それでいて本真珠に比べて価格はぐっと下がるため、コストパフォーマンスは極めて高い。カジュアル使いに最適のアイテムといえる。

しかし、真弓さんには悩みがあった。それは、育児の合間に身につけていると、子どもに引っ張られて壊れてしまう危険があることだ。そこで、簡単かつ安心して利用できるように、「マグネット式の留め具」のついたネックレスはないかと探し回った。マグネット式ならば、子どもが引っ張っても壊れることはないからだ。

だが、どこを探しても見当たらない。普通の人ならそこで諦めるところだが、真弓さんは違った。

13262238_1131645320224860_203714_o

「イメージする商品がないなら、作ってしまえばいい」

日本人造真珠硝子細貨工業組合に駆け込み、想いをぶつけた。

「実用的なパールアクセサリーを求めている女性がきっと日本全国にいるはず」

「普段着のママにこそ、気軽に品のあるパールでオシャレを楽しんでほしい」

想いは通じ、老舗の職人さんを紹介してもらった。その職人さんと勉強と試行錯誤を重ね、昨年、ようやく「kai pearl」の理想が実現した。

13224998_1131648783557847_1118647915_o

13234918_1131644550224937_260172536_o

着脱が楽なパールネックレスを主力商品に、そのほか遊び心のあるハンドメイド商品も並んでいる。本に挟むブックマーカー(しおり)も素敵なアイデアだ。

今年5月には吉祥寺の東急百貨店にて期間限定で出店しているが、通常はネットで販売している。無料修理保証を一年間有効にしているのは、品質に自信があるからこそ。

13234578_1131644556891603_1020828392_o

「おかげさまで、お客様の8~9割はリピーターです。一度買ってくださった方は、皆さん気に入ってリピートしてくださいます。年齢層も、20代から80代まで幅広く利用されています。広報がまだまだ十分でないので、これから頑張っていきます」

職人さんの手作業だから、本格的に流行ってしまったら生産が追いつかなくなりそう。買うなら今のうちかもしれない。

さらに最近は、メンズ商品も展開し始めた。

「職人の後継者が減ってきていますが、パール製品を身に付ける人が増えたら、伝統工芸はこれからも存続していきます。私は女性だけでなく、男性にも『kai pearl』を楽しんでほしいです。男性が身に付けることで、貝パール業界の裾野を広げられると思います」

13239894_1169537586419828_969343805285056654_n

13263701_1169538153086438_8155966644756756076_n

13262590_1169581276415459_1647635309_o

「kai pearl」のネットショップはこちら

塔筋真弓さんのInstagramはこちら

最新情報やお知らせは「kai pearl」のFacebookページで!

-インタビュー

執筆者:

関連記事

「日本人を通して、もっとルーマニアのことを勉強しようと思いました」ルーマニア日本語ガイド オワナ・パバロイユさん

「はい、これ。お客さんからいただいたのど飴」 「ありがとうございます。あ〜、イリオモテジマのなんですね」 包装用紙を見て言った彼女のひと言に、驚いてしまいました。 「オワナさん、『西表島』っていう漢字 …

失われゆく伝統工芸でジュエリーを。山下彩香さんの「攻め」の保存活動

ユニークな方に出会った。 「EDAYA」というジュエリーブランドを設立し、代表を務める山下彩香さんだ。一般的なジュエリーブランドと異なるのは、EDAYAの製品がフィリピンの山岳先住民族の無形文化にイン …

プロフィール作成を仕事に

久しぶりにお会いしたフリーランスの方から、 「洋太くんにインタビューしてもらって、私のプロフィールを書いてほしい。そういうお仕事はしていないの?」 と言われて、ちょうど職探し中だったぼくはハッとしまし …

「世界の郷土菓子を日本に広めたい」郷土菓子研究社・林周作さんの夢

東京・高円寺の小さなカフェに、見慣れないお菓子が並んでいる。イタリア、フランス、ドイツ、インド、アゼルバイジャン……、様々な国の郷土菓子は、まるで芸術作品のようだ。 ここは「郷土菓子研究室」と名付けら …

日本カルチャーを紹介する台湾雑誌『秋刀魚』編集長Eva Chenさん

「どうして雑誌の名前を『秋刀魚』と名付けたんですか?」 「日本人の好きな『秋刀魚』は、実は台湾でも『秋刀魚』(さんま)と発音するんです。それと、日本(列島)は細長くて、秋刀魚のような形だと思ったので( …