インタビュー 行ってみた

宿泊客が無料で使えるスマホ「Handy」によって旅行はどう変わるか?

投稿日:

Handy Japan CEO の勝瀬 博則さんにお会いしてきました。香港生まれのHandyは、大注目のベンチャー企業。4年前に22歳の大学生が起業して、既に世界17カ国で展開されています。

では、何をしているのか?

今年6月に日本でのサービス提供を開始して以降、急ピッチでホテルにレンタルスマホ「handy」を導入していっています。

担当者の方は、「契約が取れすぎて、スマホの納品が追いついていない」と嬉しい悲鳴を漏らしていました。

驚くべきことに、訪日外国人を含むホテルゲストが「完全無料」でこのスマホを使えるのです。

国際電話、国内電話、インターネットデータ通信が無制限で無料。旅行に便利なシティガイドや各種のトラベルサービスも組み込まれています。

ではホテルがその費用を負担しているのかというと、一台あたり月額980円と非常に安価なのです。一日あたりたった33円のアメニティ。ミネラルウォーターを毎日客室に入れるのと、あまり変わらない料金です。

いったいなぜ、そんなに安く提供できるのか?

その画期的なビジネスモデルについて、お話を聞かせていただきました。本当におもしろいですね〜。シンプルなデータから切り出す勝瀬さんの話し方にも、実に惹きつけられました。

Tabi 1.0 は旅行代理店の時代
Tabi 2.0 はPCの時代
Tabi 3.0 はスマホの時代

と勝瀬さんは定義し、この「スマホの時代」においては「マイクロモーメント(小さな瞬間)」に大きなビジネスチャンスが潜んでいると。

どういうことかというと、スマホの出現により、「人々は決断を、何かを行う直前に行うようになった」というのです。たとえば、

・人と話していて、知らない単語が出てきたら、その場でググる
・気になる本を見つけたら、その場でAmazonで購入する

などです。逆に言えば、消費者が「何かをしたい」と思った瞬間に行動に移らせることができなかったら、大きなチャンスを失ってしまうということです。そこに、Handyの強みがあります。

Handyを持ち歩く旅行者は、リアルタイムで、その近辺のおすすめの飲食店を知ることができます。おまけにHandy割引があったりするし、その場でHandyで電話予約することもできます。あるいは、その土地で体験すべきことが紹介されることもある。

その土地のことを全く知らない旅行者にとって、これらはありがたい情報になる可能性が高いです。だからその飲食店などの観光関連店舗や企業からの広告収入によって、利用者は「無料」で使えるというわけです。おまけに旅行者の利用に応じて、ホテル側にも手数料が入ってくる仕組みだそう。「三方良し」のビジネスです。

今後の動きに注目しています。

-インタビュー, 行ってみた
-,

執筆者:

関連記事

【日本一の桃の里】4月、山梨県笛吹市はピンクに染まる

3年前の4月ことだが、義姉の実家がある山梨県の石和温泉を目指し、二子玉川から自転車で115kmを走った。朝7時半に二子玉川を出発し、高尾からは甲州街道をひたすら西へ進んだ。最後の笹子峠を登り切り、トン …

【本当にインド?】南インド最南端に広がる驚きの色彩世界

旅行会社に勤めていたとき、南インドのツアーを刷新するため、ぼくが指名されて、2015年に視察へ行った。 ヒンドゥー教の聖地、コモリン岬での発見 インド最南端のコモリン岬(カニヤークマリ)は、アラビア海 …

「英語を使って、人生で何をやりたいですか?」英会話講師・伊庭莉奈さん

執筆したインタビュー記事が公開されました。 今回ご紹介する伊庭莉奈さんは、大企業に勤めていましたが、その後英会話サロンの経営者となりました。 帰国子女でもない彼女が、どのような経緯で英会話講師、そして …

「海の京都」伊根の舟屋を目指して。春の自転車旅「ツール・ド・天橋立」

GWの最初の三連休は、直前まで何も予定が入らず、この際どこかへひとり旅をしようと決めた。でもどこへ行こう。 そんなとき思い出したのが、「海の京都」だった。 京都というと清水寺に金閣寺に、という京都駅周 …

「海外で学んだ人たちの道を作りたい」メイクアップアーティスト イシイ ハナコさん

東京を拠点に活動中のメイクアップアーティスト、イシイ ハナコさんの経歴は少し変わっています。 4年制の大学を卒業後、化粧品メーカー入社。4年間働く間にメイクアップのトレーニングを受け、美容インストラク …