Nakamura Yota

ソフトバンク「BizTERRACEマガジン」副編集長、プロライター中村洋太のブログです。お仕事のご依頼・ご相談お待ちしております!

旅好きに「ツアコン」という職業を勧める7つの理由(魅力・メリット・資格など)

      2018/10/24

こんにちは!ライターの中村洋太です。私は2011年に新卒で旅行会社に入社し、海外ツアーや国内ツアーのツアコン(ツアーコンダクターの略。添乗員とも)として約6年間働いていました。

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日本には数多くの旅行会社があり、国内のバスツアーからラグジュアリーな海外旅行まで、毎日たくさんのツアーが催行しています。

しかし、これだけ私たちの身近に旅行が存在しているにも関わらず、「ツアコン」という職業の魅力については、あまり多くが語られていません。

この職業について尋ねると、「大変そう」「自分には絶対できない」などネガティブな反応も多く、大半の人にとって「憧れの職業」からは遠いところにあるようです。

「旅に関わる仕事がしたい」という就活生でさえ、あまりツアコンになりたがらないことも不思議でなりません。

私はこの仕事を通して、普通では到底行けないような国々へ行くことができ、本当に貴重な経験ができました。今回は「ツアコン」という職業の魅力について、自身の経験を踏まえながらお話しさせていただきます。

私がツアコンになった経緯

大学2年生の冬休み、当時所属していたオーケストラサークルの仲間とともに、ドイツ・オーストリア・フランスを約3週間巡りました。このときは演奏旅行だったので、ゆっくりと観光できる時間は限られていましたが、それでも日本とは何もかもが異なるヨーロッパの街や人々の雰囲気に酔いしれました。

「旅行って楽しいな」

と心から思いました。帰国後にサークルを辞めて、国内を自転車で旅したり、紀行文を読んだりして残りの学生生活を過ごしていました。

就職活動をするにあたり、「海外に行ける仕事」を探しました。

一生同じ会社で働こうとは最初から思っていませんでした。先のことはわからないけれど、20代のうちに、できるだけたくさんの国を訪れたかった。

なぜなら、若い頃に旅をすることによって豊かな感性が育まれ、その後の仕事の質や人生の質を高めることに繋がるだろうと思ったからです。

それに、「旅行には大きなお金がかかる」ということも知っていました。だから、プライベートではなく、仕事ととして海外へ行きたかったのです。

様々な企業の採用ページを見ていたあるとき、

「年間100日以上海外へ行ける方」

という不思議な募集要項を見つけました。そこには、「社員は全員、海外添乗員としてツアーに同行します」と書かれていました。

(添乗員って、ツアーで旗を持ってお客さんを連れている、あの仕事のことか?)

当時の自分にはそのくらいの認識しかなく、添乗員の具体的な仕事内容はわからなかったのですが、「なんだか楽しそうだ」と思い、応募しました。

面接が始まってみると、あれよあれよと進んでいき、その1ヶ月後には内定が出ていました。

そして入社し、実際にたくさんの国を訪れることができました。


旅好きにツアコンを勧める7つの理由

毎月のように異なる国や地域に行ける

たとえば普通の会社の海外転勤だと、基本的には同じ街に長く駐在することになります。しかし、ツアコンの場合、毎月のように異なる国や地域へ行くことができます。

海外ツアーであれば、たくさんの世界遺産やそれに準ずるような観光スポットを訪れることができますし、国内ツアーでも年に一度のお祭りや、バスでないと行きづらい地域など、珍しい場所を訪問することができます。

また、上記で「年間100日以上海外へ行ける方」という募集要項の話をしましたが、その言葉は嘘ではありませんでした。

たとえば2015年には、

カンボジア(6日間)
アラスカ(8日間)
ハワイ(8日間)
韓国(4日間)
ブルガリア・ルーマニア(15日間)
フランス(30日間)
カナダ(8日間)
ブルガリア・ルーマニア(11日間)
オランダ(10日間)

と、ちょうど100日海外へ行きました。派遣社員のツアコンであれば、もっとたくさんのツアーに出ていくことになると思います。

海外へ行けて給料までもらえる(マイルも貯まる)

この見出しで誤解を与えてしまうと良くないですが、当然遊びで海外に行くわけではありませんし、ツアコンの仕事は簡単なものではありません。

お客様が旅行を楽しんでいただくために、様々な努力をします。ときにはハプニングも起きて、現地で必死に動き回ることもよくあります。

楽しむのは自分ではなく、お客様であるということ。あくまで仕事ということを忘れてはいけません。

しかし、その大変さを差し引いて考えても、旅が好きな自分にとって、会社のお金で海外へ行けて、なおかつ給料までもらえるということは、とても嬉しいことでした。

ツアー中は添乗手当も出ますし、食事もお客様とご一緒するので、基本的に三食ついてます。つまり旅行中の食費が浮くので、添乗に出れば出るほどお金が貯まりました。

あとは、マイルもよく貯まりました。これは地味に大きくて、何度か貯まったマイルで海外へ行きました。

海外ツアーでも高い英語力は求められない

もし「英語力がないから」とツアコンへの道を諦めているのだとしたら、もったいないことです。

ときどき「中村さんは英語の他に何語が話せるの?」とお客様から聞かれましたが、他の言語どころか英語すら満足に話せませんでした。

決して謙遜しているわけではありません。その証拠に退職後、アメリカで語学留学をしています。

もちろん、ツアコンとして英語はできるに越したことはありませんし、「もっと話せたらなあ」と思う場面も多々ありました。

それでも、現場で使う英語は限られていますし、ポイントを押さえればそんなに困りません。

たとえば、英語が必要になるのはこんな場面です。

・ホテルに着いて、全員分のチェックインをする際
・バスドライバーと打ち合わせをする際
・レストランで注文する際
・その他、お客様の代わりに何かを伝える際など

少し難しいのは、

・現地ガイドが日本人でなかった場合の通訳

ですが、これはそんなに心配ありません。というのも、主要な国ではほとんど日本人か日本語を話せるガイドがいるからです。

通訳が必要になる場合も事前にわかっているので、そこの街について予習しておけば、ガイドが何を言っているか、だいたい想像がつきます。それでもわからないときは、自分の勉強した内容をお客様に伝えることで乗り切っていました。

「正確な英語力」よりも遥かに大切なのは、「お客様に旅行を楽しんでいただくこと」です。多少英語ができなくても、一生懸命さが伝われば、評価されるものです。

それでも「どうしても英語は無理!」というのであれば、無理には勧めません。そんな方は、国内ツアーの添乗員を目指してください。

教養や総合力が身につく仕事

ツアコンという仕事は、総合力が求められます。常に勉強、勉強でした。

教養・・・旅は総合科目です。どこの国へ行くにしても、歴史、地理、文化、習慣、政治、経済、芸術、食、ワインなど、全ての要素が絡んできます。添乗配置が決まったら、その国について本を読んだり、既に行った添乗員に聞いたりして学ぶのですが、これが非常に勉強になりました。本で学んだ場所に実際に行くことで、さらに記憶に残りました。国内ツアーでも、地域によって方言があったり、独特の食文化があったりと、とても面白かったです。単純に、会話の幅が広がります。

コミュニケーション力・・・一度にたくさんのお客様をご案内するので、コミュニケーション力が求められます。「このお客様は何が目的でツアーに参加したのか」ということを会話の中から探っていき、帰国するまでに全員に満足していただけるよう努力します。

接客・・・ツアコンはサービス業です。どんな時も笑顔でいることが大切ですし、お客様にご満足いただけるよう全力を尽くします。あらゆる場面で気配り・心配りが求められます。

判断力・・・旅にハプニングやトラブルはつきものです。ツアコンは、的確な判断力が求められます。私は経験を積むにつれて、判断力がついたなと実感しました。最初の頃は、いちいち会社に電話して上司の判断を仰いでいたのですが、「この場面で、上司だったらこうするだろうな」と徐々に自分の頭で考えられるようになってきました。

お客様に感謝される

自分の好きな「旅行」を通して、お客様に喜んでいただけ、「お世話してくれてありがとう」と感謝されます。最初は見知らぬ他人ですが、10日前後も一緒に過ごせば、最後は家族や友人のような関係になります。

「中村さんと旅行ができて良かった。またご一緒しましょう」

と言われることもありました。やっぱり、これはとても嬉しいことです。人の役に立てているということですから。

なかには御礼のお手紙をくださるお客様もいらっしゃいました。そうした心温まる思い出は数え切れません。

お客様の話が勉強になる

海外旅行にいらっしゃる方というのは、40代、50代の方もいますが、多くはさらに年配の方です。それだけに人生経験が豊富で、食事の席や観光中など、様々な場面でお客様と会話をしますが、とても勉強になりました。具体的な話は避けますが、ツアコンという職業ならではの経験だと思います。

また、正直に言えば、常に全員が良識あるお客様とも限りません。ときには変わったお客様もいます。怒りっぽい人もいるし、場の空気を乱すようなことを言う人もいました。単純に、「世の中には色んな人がいるんだな〜」と社会勉強になりました。

逆に、尊敬できるお客様にもたくさん出会えました。得てしてそういう方は、ビジネスでも成功した方でした。こっそりと仕事の考え方や、人生の秘訣を聞いたりもしました。

同僚との旅の話が楽しい

ときどき同期の仲間と飲みに行ったりすると、「あの国はどうだった」という話になります。豪華客船に何度も乗っている仲間や、南極や北極圏へ行った仲間、何度もイタリアへ行きスペシャリストになった仲間・・・、様々います。

自分ひとりで全ての地域に行くことはできないので、まだ行ったことのない国について同期から聞く時間はとても楽しかったです。あの料理がおいしい、あそこがおもしろい、このホテルがすごかった、信じられないようなハプニングが起きた・・・など、そんな話の数々に好奇心が刺激されます。

終わりに 海外添乗員になる方法

まだまだ他にもツアコンの魅力はあると思います。退職して時間が経っているので、また思い出したら書き足していくつもりです。

とにかく「若いうちにたくさんの国を訪れることができる」ということが私にとっては一番の魅力でした。

アラスカの森で出会った野生のグリズリーベア
-40℃の世界で眺めた神秘のオーロラ
オーストリアの教会から漏れてきた賛美歌の美しさ
傘を差さないフランス人
オランダの自転車文化
ホーチミンのオートバイの多さ
ドイツで食べた屋台のホットドックのおいしさ
見たこともないルーマニアの地ビール
大航海時代の商人たちに想いを馳せた南インド
ブダペストの夜景
マレーシアのスーパーで見かけた不思議なフルーツ
お城から町中に鳴り響くパイプオルガンの音色
謎に包まれたイースター島

様々な国で、様々な風景を見て、価値観の広がりを感じました。

日本の将来を担う若い人たちには特に、感受性の高いうちに、色々な世界を自分の目で見てほしいなと願っています。連載しているTABI LABOというサイトで以前こんな記事を書いたので、よかったら読んでみてください。

海外添乗員からフリーランス・トラベラーになったぼくが今、旅について伝えたいこと

旅行会社に就職して、正社員としてツアコンになる方法もありますが、その場合は営業の仕事なども兼務することがほとんどです。

純粋にツアコンの仕事だけをしたければ、派遣社員としてツアコンになるのがおすすめです(代表的な会社では旅行綜研など)。

細かな疑問点などがあれば、一度説明会などに参加して担当者と具体的に話してみるのがいいでしょう(ちなみにツアコンになるための「旅程管理主任者」という資格は、誰でも一瞬で取れるので心配しないでください)。

29歳でツアコンの仕事を辞めて、いよいよ30代が始まりました。今はライターとしての仕事がメインですが、海外旅行を通して得た知見を生かして、これからどんな働き方・生き方をしていけるか、未知の可能性にとてもワクワクしています。

旅行綜研 が説明会を開いているので、学生の方も、一度話を聞きに行ってみてはいかがでしょうか。↓↓↓



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