2016 ツール・ド・九州(真冬の九州一周自転車旅)

【ツール・ド・九州 第4ステージ】心臓破りの坂を越えて

投稿日:2016年1月27日 更新日:

ツール・ド・九州 第4ステージ
鹿児島県鹿児島市〜宮崎県宮崎市
走行距離131km 

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大寒波のピークは過ぎた。気温も上がってきた。形勢逆転だ。

しっかりと朝食を食べた。本場の薩摩揚げはおいしい。

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鹿児島から宮崎まで。120km以上の距離を走り切ることができるのかわからないけど、最後まで走り切りたい。

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朝8時半に出発。海沿いに出ると、雪を戴いた桜島がすごい迫力だった。

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霧島までの35kmは、桜島を右手に長めながら順調に進んでいった。

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問題はそこから先だった。霧島は山に囲まれている。坂道を避けては通れないのだが、その坂がえげつなかった。

登れど登れど、峠に辿り着かない。お昼になってしまったので、坂の途中のそば屋さんで昼食に。まだ宮崎まで90kmある。行けるだろうか。

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「ごちそうさまでした」

「ありがとうございました〜」

「あの、この登り坂ってあとどのくらい続くんですか?」

「あと3kmくらいかね〜」

「まだそんなにあるんですか!?」

「そうよ〜。『心臓破りの坂』って呼ばれてますよ」

「もう心臓破れました笑」

「あっはっはっは。がんばってください。登り切れば、都城までは下りですよ」

再び坂道に挑み、ついに峠を越えた。付近のお店から、あんこの良い香りがしてきた。

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名物の加治木まんじゅう。「ツール・ド・和菓子」も忘れない。

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途中の道の駅では、ご当地のお菓子を見つけた。

「いももち」と「からいも餅」

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お芋のお餅?おいしそう。

買い物に来ていた地元のおばちゃんに聞いてみた。

「いももちとからいも餅は、何が違うんですか?」

「いももちの方が、」

「はい」

「うまい」

え!笑 違いについては教えてもらえなかった。

気になったので店員さんにも聞いてみた。

「同じものなんですけど、生産者が異なるので、名前を変えているんです」

なるほど。それでさっきのおばちゃんの回答にも納得がいった。いももちのが、うまいのだ。

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また別の道の駅では、「だごまき」というお菓子を見つけた。

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「だごってのは、団子のことだよ。団子の中に餡は入ってねえよ。生地に餡が練りこんでんだよ」

いももちも、だごまきも、もちもちでおいしかった。賞味期限が当日だから、ここでしか食べられない。地方の郷土菓子はとても面白い。

15時過ぎ、都城市に着いた。ここからあと50km。しかし平地も束の間。また山道になった。

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明日は潰れてもいいから、今日は最後まで走り切りたい。

「もう少しで峠だよ」

いろんな人から応援された。蓄積する疲労がピークに達しつつある。だが、ここで諦めたら、一生後悔しそうだ。なんとしてでも辿り着きたい。

峠を越えた。日が暮れ、どんどん暗くなってきた。宮崎まであと20km。ラストスパートだ。下り道を全力で漕ぎ続けた。

そして

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宮崎到着!130km走ってきた。全盛期にも負けない走りだった。ただ、疲労はすごい。

コンビニの店員さんから

「2円のお釣りです。ありがとうございました」

「ごちそうさまでした」

と言ってしまうくらい疲れていた。

宮崎には、昨年チェコの旅で添乗したお客さんが住んでいたので、記念撮影だけした。

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宿に荷物を置いてから、商店街をフラフラ歩いていると、立ち呑み屋を見つけた。

端っこに立っていたら、「お兄さん、よかったらこっち来ない?」と仲間に入れてくれた。

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「えー!?自転車で九州を一周!?」

「ほえ〜」

「吹雪の中走ってきよったんか」

仕事帰りのおじさんや出張中のお兄さんたちが、薄汚れたぼくを歓迎してくれた。

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こうした人の温かさがあるから、日中は孤独でも頑張れる。

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挑戦は続く。

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