山形県の酒田は、北前船によって繁栄した港町だ。
江戸時代は、現在のように道路が整備されていなかったから、大量の魚や米は、日本海や北海道の港から、江戸や大阪へ船で運ばれていた。
まだまだ航路が整っていなかったとき、幕府から派遣された河村瑞賢という人物が、津軽海峡から日本海側、下関、瀬戸内海を通って大阪や江戸へ向かう「西廻り海運」を切り開いた。
この航路を行き来する船が「北前船」と呼ばれ、酒田で米を船に積んだ。
酒田には「米どころ庄内」のシンボルである山居倉庫が今も残っている。米倉庫として使われていた立派な倉庫だ。
地理好きなぼくにとって、とても興味深い町だ。
今日は午前中、こうした酒田の歴史にふれ、午後は黒森地区の日枝神社へ出かけた。
会場に着くと、それはそれは華やかな黒森歌舞伎が行われていた。
下の記事で書いたから、もう詳しくはふれないが、生で観られた感動は大きい。
280年の歴史を受け継ぐ、子どもたちの熱のこもった演技。最初は「かわいいな」なんて思っていたけど、いやいや、3時間にわたる舞台のセリフを全て暗唱しているのには度肝を抜かれた。
そしてこの氷点下の寒さの中で、迫力のある演技。素晴らしい。これが本当にアマチュアだろうか。
ぼくらの席は最前列に用意されており、お客さんも感激。座長さんも挨拶に来てくださった。
地元のおばちゃんたちが無料で配っていた甘酒、呉汁、玉こんにゃくをいただき、湯たんぽと毛布で身体を温めながらの鑑賞。
外国人が、ひとりいた。話しかけてみると、池袋で英会話講師をしているというアメリカ人だった。
彼は日本の歴史・文化が大好きで、日本のマニアックなお祭りを訪ね歩いているそうだ。
途中、雪も降り、念願の「雪中歌舞伎」となった。忘れられない体験となった。
挑戦は続く。